Android搭載タブレットの中でも屈指の仕上がり
徹底レビュー:評者が「美しい」とため息 「Xperia Z2 Tablet」の華麗な進化に弱点は?
SONYの「Xperia Z2 Tablet」は処理速度が向上し、デザインが洗練された他、防水対応など、Android搭載タブレットの中でも屈指の出来栄えとなっている。実際の使い心地はどうなのか、徹底検証する。
SONYの「Xperia Z2 Tablet」は、処理の速さ、卓越したデザイン、防水対応など、Android搭載タブレットの中でも屈指の出来である。
「Xperia Tablet Z」は、2013年に発売されたタブレットの中でもとりわけ美しく、最高の10インチクラスのAndroidタブレットだと多方面から高い評価を受けた。その後継モデルとなる本製品では、プロセッサの処理速度が向上し、デザインもさらに洗練されている。だが、それ以外の点については、ほぼ変更されていないに等しい。
Xperia Z2 Tabletは、解像度1920×1200ピクセルのディスプレー、「Android 4.4.2 KitKat」、米Qualcomm製「Snapdragon 801プロセッサ」(「Adreno 330 GPU」搭載)および3GバイトのRAMを備えている。桁外れに薄いボディはIP58認証を受けており、防水と防じんに対応している。また、16Gバイトのメモリ容量はmicroSDカードを使って拡張できる。筐体の色はブラックとホワイトから選ぶことが可能で、Wi-Fi専用モデルと3G/LTEモデルが用意されている。リチウムイオンバッテリーの容量は6000mAhだ。
このような変化は「進化」であっても「革新」ではない。にもかかわらず、Xperia Z2 Tabletは称賛に値する出来栄えだ。現在市場に流通しているタブレット中で最高の端末の1つだろう。だが、改善すべき点は多い。例えば、バッテリーの持続時間がそれほど長くないこと、ディスプレーの過度な光の反射、標準レベルのカメラなどだ。
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構造とデザイン
Xperia Z2 Tabletについて特筆すべきは、防水対応の筐体と卓越したデザインだ。非常に魅力的な雰囲気を醸し出しており、その欠点を忘れてしまうほどである。
初代Xperiaと比較すると、厚さは0.5ミリ薄くなって6.4ミリ。重さは105グラム軽くなってLTE/3Gモデルが439グラム(Wi-Fiモデルは426グラム)になった。手に持ったときに分かるほどの変化ではないが、実際の重さよりもかなり軽く感じられる。
筺体の寸法は幅266ミリ×高さ172ミリ。余分なものを完全に削ぎ落としたデザインだ。
初代Xperiaよりも薄型軽量化を実現できた要因は、筐体の素材をガラスからマット加工プラスチックに変更したことにある。一見グレードダウンに思えるかもしれないが、実際に触ってみると納得の仕上がりで、プレミアムクラスのデバイスであることは間違いない。Xperia Z2 Tabletを実際に手にすれば、米Appleの「iPad Air」以上の感動が得られること請け合いだ。
IP58認証を取得しているので、水深1.5メートルに30分間沈めても問題ない。このことは、多くの購入者候補、特にタブレットを屋外で利用することが多いユーザーにとって大きな意味がある。
ディスプレー
Xperia Z2 TabletにはTFTディスプレーが搭載されている。これは初代Xperiaとほぼ同じもので、ガラスは飛散防止/傷防止仕様になっており、解像度は1920×1200ピクセルだ。
だが、強化された点も幾つかある。視野角が大幅に広くなり、直射日光の下で見たときに大きく退色することもなくなった。黒の色調は非常に深い。一方、白の色調は少し「濃い」程度だが、コントラストは平均以上のレベルだ。これに対抗できるのは有機ELディスプレーの一種であるAMOLEDディスプレー搭載のタブレットくらいだろう。色の鮮やかさに関しても同様だ。
欠点は、ディスプレー自体が光を激しく反射することだ。近くに強い光源があると非常に厄介で、特に指紋が付いている場合は、くっきりと浮かび上がるほどである。また、ピクセル密度が224ppiと比較的低いため、少し鮮明さに欠ける。だが、これはそれほど大きな問題ではない。問題となるのはアニメーションでオブジェクトの細かいフォントや斜線の角度が変わるときくらいだ。
スマートフォンと比べた場合、Xperia Z2 Tabletのディスプレー性能は初代Xperiaと遜色ない。新しいモデルに対する期待値には若干届かないが、わずかながら向上している。
ボタンと端子
デバイスの前面はディスプレーが占めている。そのデザインに完全に一体化する形でステレオスピーカー、220万画素のフロントカメラ、ステータスLEDおよび照度センサーが組み込まれている。だが、左右両方のベゼルの幅が広すぎるという不満の声も上がっている。
Xperia Z2 Tabletの上部には赤外線送信部、ノイズキャンセル対応マイク、microUSB端子、microSDカードスロットおよびmicroSIMカードスロットがある(Wi-Fi専用モデルにはmicroSIMカードスロットは搭載されていない)。カードスロットとmicroUSB端子は密封カバーで保護されており、デバイス全体の防水に一役買っている。
本体下部には3.5ミリオーディオジャックがある。オーディオジャックにカバーはないが、もちろん防水対応だ。ただし、水中で使うことはできない。
左側には電源ボタンと音量ボタンがあるが、右側には何もない。
背面には縁に近い位置にカメラレンズがある他、幾つかのロゴ(SONY、NFCなど)がある。カメラのフラッシュ機能は搭載されていない。
Android 4.4.2 KitKatの処理を担うのは、新型の4コア「Krait 400」とAdreno 330 GPUを搭載したQualcomm Snapdragon 801プロセッサ(動作周波数2.3GHz)および3GバイトのRAMだ。RAMについては、2Gバイトだった初代Xperiaよりも強化されている。高解像度のディスプレーを搭載したタブレットでも処理速度は優れており、どのような操作も不都合なくスムーズに実行できる。幾つかゲームをプレイした後にビデオクリップを転送したり、コンテンツ量の多いWebサイトでページをズームしたり、素早くスクロールしたりするなど、非常に複雑な操作にも問題なく対応できる。
Android本来のユーザーインタフェースに若干手を加えているが、恐らくAndroid搭載タブレットの中で現在最速のタブレットだろう。その事実は、多くの総合ベンチマークの結果から明らかだ(ポーランドAurora Softworksの「Quadrant」のスコアは18100だった)。だが、Snapdragon 801プロセッサが高解像度のディスプレーを搭載したタブレットとスマートフォン向けに設計されたものであることを考えれば、この結果は全く驚くべきことではない。
ストレージ容量は16Gバイトと32Gバイトの2種類が用意されている。だが、microSDカードを使用して64Gバイト以上に拡張することもできる。
ソフトウェア
最新バージョンのAndroid、オフィスアプリ、エンターテイメントアプリがプリインストールされている以外、Xperia Z2 Tabletに特異なソフトウェアは含まれていない。Android 4.2.2にアップグレードした場合も、アプリのラインアップは同じだ。
ホーム画面に設定可能なSONY製のウィジェットが幾つかある以外、「本来」のAndroid OSのユーザーインタフェースとほとんど変わらず、目新しさはない。これはAndroidの控えめな感じが好きな人にとっては非常にうれしいデザインだ。ユーザーインタフェースの表示上の変更が少ないのはプロセッサにも優しい設計である。
カメラ
Xperia Z2 Tabletのメインカメラには810万画素の裏面照射型Exmor RSイメージセンサーが搭載されている。それ自体は傑出したものではないが、カメラアプリはAndroid標準のものではなく、SONYの主力シリーズであるXperia専用のアプリがインストールされている。撮影オプションだけでなく、撮影した画像の加工オプションも充実している。だが、Xperiaスマートフォンの方が高品質のレンズとチップを搭載しており、画質が良い。
実際のところ、Xperia Z2 Tabletのカメラ性能は平均より少し良い程度だ。太陽光の下で撮影した写真には何も問題ない。だが、夜間に撮影した場合は色の判別が難しく、多くのノイズが含まれる。そのため、被写体を細部まで見極めることはできない。HDRをオンにするとある程度画質が良くなるが、撮影の準備と画像の保存にかかる時間はかなり長くなる。
ビデオ撮影についても同様である。なお、ビデオは解像度1080p、30fpsで撮影可能だ。
バッテリー持続時間
バッテリーの潜在能力が期待通りに発揮されれば、プロセッサ、ディスプレーおよびOSの調和が取れていることがよく分かったはずだ。だが、Xperia Z2 Tabletはそうではないようだ。Xperia Z2 Tabletに搭載されている6000mAhバッテリーのパフォーマンスは、大部分のハイエンド/ミッドレンジの10インチタブレットに及ばない。使用頻度が高い場合は、2日に1回は充電が必要になる。
その原因は明らかだ。SONYはバッテリーの持続時間を諦めて洗練された最薄型ボディを実現した。理想のデザインを実現するためにSONYはバッテリーの持続時間については妥協せざるを得なかったのだ。このように美しいデバイスを所有したい場合は、このトレードオフを受け入れられるかどうかが鍵となるだろう。
それでも、Xperia Z2 TabletはAndroid OS搭載ハイエンドデバイスの中で最高のタブレットの1つだ。卓越したデザイン、使いやすいサイズ、防水対応の筐体および優れたパフォーマンスについては申し分ないといえる。大きなソフトウェアの変更はなく、Android本来のデザインをほぼ維持している点も、ユーザーは気に入ることだろう。
欠点は、ディスプレーの光の反射、表示が若干不鮮明なこと、バッテリー持続時間が比較的短いことだ。
既にXperia Tablet Zを所有している場合、この後継モデルを購入する理由はない。だが、Android OS搭載のハイエンドな10インチタブレットを初めて購入することを検討している場合は、間違いなくXperia Z2 Tabletに満足することだろう。
16Gバイトモデルの価格は500ドル(日本では税別5万1000円)、32Gバイトモデルは600ドル(同5万5000円)、価格も他の類似スペックのタブレットに負けない設定になっている。
長所
- 洗練された納得のデザイン
- 防水対応
- 並外れたパフォーマンス
- Android本来の操作性をほぼ維持している
短所
- ディスプレーの反射が激しい
- 背面カメラの性能は平均より少し上という程度
- バッテリーの持続時間が短い
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