迷ったらBYODとクラウドで
「タブレットとノートPC、どちらを買うべきか」が分かる方法
企業で利用できる端末が多様化する中、業務端末はノートPCのままで本当によいのか? 今こそタブレットに移行すべきなのか? 端末選定の悩みを解決するポイントをまとめた。
クラウドを利用するモバイルワーカーに適したノートPCやタブレットを選ぶには、ハードウェアを考えるだけでなく、プラットフォーム、アプリケーション、エンドユーザーの行動を考慮する必要がある。
タブレットとノートPCの境界線は曖昧になってきている。IT業界は、OSやフォームファクタ(形状の規格)に加え、分離可能な端末かどうか、コンバーチブルタイプかどうか、キーボードなしかどうかといった分類で、新しい端末分野の定義を確立しようと苦慮している。2013年の第4四半期に続々と新端末が登場してきたら、ますます混迷は深まりそうだ。
企業は、モバイル戦略を見直してオンプレミスソフトウェアに代わるクラウドベースのテクノロジーを検討しなければならない。多くのエンドユーザーがクラウドを利用し、仕事やプライベートのデータへ各種モバイル端末からアクセスしているからだ。
「企業の大半は、Microsoft ExchangeやOffice 365を基軸にしている」。そう語るのは、米IDCのモバイルデバイストラッカー担当プログラムマネジャーを務めるライアン・リース氏だ。複数の端末からアクセスできるクラウドを利用して、いつでもどこでも適切なファイルで作業できるようにし、モバイルワーカーの生産性を向上する。それが、今強く求められているのだ。
適切な端末を選択する
モバイルワーカーにタブレットとノートPCのどちらを支給するかを決める1つの方法は、彼らの職務内容を理解することだ。
ITコンサルティング会社の米MCPcのアイラ・グロスマン最高技術責任者(CTO)は、「どの端末にするかは、これまで以上に、エンドユーザーの区分により左右される」と話す。
また、韓国Samsung Electronicsの米国法人であるSamsung Electronics Americaのエンタープライズビジネス部門でマーケティングディレクターを務めるジェニファー・ランガン氏は、「IT部門は、コンテンツの利用や作成にかかる時間の他、モバイルワーカーが外で作業をするのか、デスクで作業をするのかを考える必要がある」と述べる。
そのため業界では、ユーザーのニーズを満たす最適な端末とアプリケーションを企業が決定する材料として、エンドユーザーの業務内容や役割に注目している。例えば、モバイル環境での利用が多いエンドユーザーなら、取り外し可能なキーボード付きのタブレットが適しているかもしれない。開発者や財務部のユーザーなら、ノートPCの性能が必要になるだろう。
タブレットを使うか、ノートPCを使うかは、ハードウェアの機能を比較するだけでは判断できない。企業は、モバイルワーカーが利用可能なアプリケーションとサービスを評価する必要がある。
「ノートPCとタブレットのどちらを購入するかについては、ソフトウェアと併せて判断する必要がある。ソフトウェアが(機能的に)追い付いていないとしても、ハードウェアが寿命を迎えるまでには追い付く」とグロスマン氏は語る。
BYODを採用する
私物端末の業務利用(BYOD)を企業に導入すれば、従業員や職員にノートPCとタブレットのどちらを利用してもらうかを判断する手間が軽減される。BYODは、国や地方自治体の組織など、予算に厳しい組織において特に有効だ。
米Global Technology Resourcesのモバイル担当ビジネス開発マネジャー、ヴィンス・ヴァルガ氏は、「BYODを採用すれば、使用する端末を従業員や職員が選べるようになり、従業員の満足度を上げつつ、企業や組織の新規ノートPCへの支出を削減できる」と話す。
他にも、BYODは経済的に賢い選択だとする意見が聞かれる。
米オハイオ州行政管理予算局のラジ・サブラマニアン最高情報責任者(CIO)は、「目標は、(職員が)既に所有している端末を利用することだ」と話す。データとアプリケーションを米Appianのビジネスプロセスマネジメント(BPM)ソフトウェア製品を使って、全てのモバイル端末で実行できるカスタムアプリを作成し、職員にデータとアプリを提供することが、サブラマニアン氏の目標だ。
BYODとクラウドは、モバイルワーカーの生産性を維持しつつ、コストを抑えるためのカンフル剤になり得る。骨太なBYOD制度は、クラウド内の企業データの保護に関するIT担当者の懸念も解消できる。
クラウドを既に個人ファイルの保存に利用しているモバイルワーカーは、会社のデータを盗む目的ではなく、社外での生産性と効率を上げるために、自身のクラウドサービスに会社のファイルをコピーする可能性がある。
組織の中には、企業データの安全性を計るために試験運用を行い、プライベート、パブリック、ハイブリッドのいずれのクラウドでも、データの保護対策についてポリシーを制定している。
「(セキュリティ自体が)問題だというよりも、対策を講じる必要があるという認識を持っているかどうかが問題だ」とサブラマニアン氏は語る。「その点をもっと啓蒙する必要がある」
端末が支援するコラボレーション
モバイルワーカーにノートPCやタブレットを支給するにしても、私物端末の利用を認めるにしても、エンドユーザーがどのようにテクノロジーを扱い、互いにコミュニケーションを取るかが重要だ。
米Fujitsu Americaのモバイル製品担当副社長であるポール・ムーア氏は、「コラボレーションは大切だ」と話す。例えば発注時に、端末が会社のバックエンドの在庫システムと自動的に同期するような仕組みがあれば、エンドユーザー側の処理を簡略化可能だ。
Appianの共同創設者でCTOのマイケル・ベックリー氏は、「位置情報技術を搭載したタブレットは、技術者や保険査定員、さらにはスターバックスの店舗調査員など、現場で働く人々の生産性を向上できる」と語る。例えば、位置情報技術とタブレットがあれば、現場にいるスターバックスの店舗調査員は、他のスタッフが何をしているかをリアルタイムで確認でき、各調査を基にどのような問題が起きる可能性があるかを把握できる。
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