IT部長さんのための技術トレンド【第1回】
1回で分かる:モバイルアプリ開発を楽にする「BaaS」って何?
IaaS、PaaSといったクラウド用語とともに最近よく聞く「BaaS」という言葉。モバイルアプリ開発に役立つサービスらしいが、PaaSとは何が違うのか。
スマートフォンをはじめとしたモバイルアプリケーション開発のためのクラウドサービスとして、2012年ごろから「BaaS」(Backend as a Service)(※1)が注目されています。
※1 モバイル主体のため“MBaaS”(Mobile Backend as a Service)といわれる場合もあります。
連載インデックス
モバイルアプリ開発のための部品をサービスとして提供
これまでクラウドといえば、アプリケーションから仮想環境まで、サーバのどのレイヤーのサービスを提供するかで、SaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、IaaS(Infrastructure as a Service)と分類されてきました。BaaSは、こうしたサーバ側の考え方から離れて、モバイルアプリケーション開発者がサーバ側(=バックエンド)のことを気にせず、認証サービスやさまざまなデータベースへの読み書き、サーバ側からのプッシュ通知などの機能を簡単に利用できるようにするという考えが出発点となっています。また、モバイルの特性を生かし、データの同期を含めたオフライン機能、位置情報の取り扱いを容易にする仕掛けもあります。さらにB2C向けのアプリケーションを強く意識したものでは、ソーシャル連携や決済処理連携などを搭載するサービスもあります。
BaaSの仕組み、PaaSとの違い
BaaSには、これら各種サービスへのアクセスを容易にできるRESTなどのAPIに加え、各種フレームワークやライブラリーなどが開発ツールキット(SDK)として提供されているものが多数あります。つまり、開発者がモバイルアプリケーション開発に専念できるように、PaaSに即時利用が可能なモバイル特性の機能を追加し、開発生産性を高めるSDKとともに提供されているサービスがBaaSです。
次々生まれるBaaSベンダー
BaaS興隆の背景には、急激なスマートフォン市場の立ち上がりと、特にそこでのB2Cアプリケーションの普及があると言えます。グローバルにおける代表的なベンダーは、米Kinvey、米Parse、米Appceleratorなどです。また、B2Cということもあり、マーケティングやゲームといった特定分野のアプリケーション開発向けの機能を備えたBaaSのサービスも多数生まれてきています。
XaaSのBaaS化が起こっている
一方、当初はモバイルへの意識が強くなかったものの、「開発生産性を高める」という意味で同じ目標を持ったPaaS、さらなるモバイル化を進めるSaaSやIaaSも急速にBaaS的な方向に進み始めています。米Facebookがモバイル開発環境を強化するためにParseを買収したのは記憶に新しいところです。米Salesforce.comは、PaaSである「Force.com」にMobile SDKを、「Heroku」にHeliosというフレームワークを組み合わせることでBaaS化しています。米Googleも「Google App Engine」をモバイルで拡張しつつ、Kinveyとも提携をしています。さらにIaaSである米Rackspaceもモバイル機能を拡張しています。
モバイルアプリケーションは、クライアント端末にインストールするネイティブアプリから、HTML5などによってWebブラウザ(PC含む)で稼働するものまで種類が広がっています。モバイル開発者の視点で急激に成長したBaaSは、特に汎用性のある機能を中心に、PaaSなど他のクラウドサービスとの境目がどんどんなくなっていくようです。BaaS選択の際には、そういった全体の方向性を視野に入れておく必要があるでしょう。
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IT部長さんのための技術トレンド
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