iOSアプリ10種類をリリース
米Appleと米IBMの「iOS提携」第1弾、業界特化アプリができることとは?
米Appleと米IBMの協業の成果として、10種類の「IBM MobileFirst for iOS」アプリケーションがリリースされた。エンタープライズ市場への進出を狙うAppleにとって、これは非常に重要な1歩だ。
米Appleと米IBMは、両社の提携に基づく「IBM MobileFirst for iOS」ソリューションの第1弾として、一連の業種別ビジネスアプリケーションを発表した。IBMが企業向けに提供する。
両社の協業の成果である企業向けiOSアプリケーションは10種類。銀行、金融サービス、運輸・旅行、小売、保険、通信、行政分野に特化したものとなっている。
IBMが顧客にアプリケーションを販売し、企業のニーズに合わせたカスタマイズや運用管理を請け負う。
第1弾としてリリースされた各アプリケーションは、エンドユーザーの生産性の向上を目的としている。「Advise & Grow」と「Trusted Advice」の2つのiPadアプリは銀行・金融マーケット向けで、いつどこからでも顧客情報にアクセスできる。「Passenger+」は運輸・旅行業向けのiPadアプリで、機内の乗務員が端末から顧客情報を迅速に引き出せる。「Retention」は保険業向けのアプリで、エージェントがiPhoneとiPadから顧客の契約内容や履歴を確認することができるようになる。「Incident Aware」は行政向けのiPhoneアプリで、事件・事故といった情報を警察などからリアルタイムに提供可能になる。
IBMによると、現在、米Citi、カナダのAir Canadaなどの大規模企業が、IBM MobileFirst for iOSソリューションへの支援を表明しているという。
エンタープライズ市場では、Appleの動静に注目が集まっている。同社は今後、ビジネス向けにサポートを提供する計画はあるのだろうか。だが、今回発表されたアプリケーションに関していえば、エンタープライズ市場で長い歴史を持つIBMが、サポートと管理で主な役割を担うことになる。
「コンシューマー市場で非常に強いAppleだが、エンタープライズ市場で成功するとは限らない。それを成し遂げるには、こうした取り組みが必要だ」と米調査コンサルティング会社TECHnalysis Researchの創設者でチーフアナリストのボブ・オドネル氏は話す。
エンタープライズでの導入が進展することで、業界内外に大きな影響を与える可能性がある。例えば、通信業向けアプリの「Expert Tech」を使って、現場技術者が専門情報にアクセスしたり、地図や交通情報を組み合わせた位置情報サービスを利用したりといったことが考えられる。製品詳細や診断結果、ビデオチュートリアルを見せながら顧客と話をすることも可能だ。
また、「米FedExや米UPSといった運輸企業は独自のハードウェア端末を配送員に持たせているが、他社でもそれと同様のモバイルプラットフォームを開発可能になる」とITマネージドサービスプロバイダーでApple製品の再販業者でもある米Tech Superpowersの創業者、マイケル・オー氏は指摘する。
「このアプリケーションは非常に幅広い市場に影響を与える。根本的には配送サービスの調整業務に利用することができるプラットフォームだ」(同氏)
「企業がモバイルアプリケーションの独自開発を検討する中、Appleがこの激戦地に足を踏み入れたのは重要な1歩になるだろう」(オドネル氏)
「Appleがエンタープライズ市場での地歩を固めることは極めて大切だ。というのも、多くの人が独自のモバイルアプリを開発しようとしているからだ。アプリの開発には長い時間を要するし、さまざまな困難が待ち受けている」
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