30年でゼロから72億台に
モバイル端末の台数、ついに世界人口を超える セキュリティも新次元へ
地球上に存在するモバイル端末の台数が、ついに人間の数を超えたとみられる。これからの企業には、将来を先取りするモバイルセキュリティの考え方が求められてくる。
サイバーセキュリティは通常、テクノロジーの問題だと見なされる。他の多くの問題と同じように、業界は高度なテクノロジーや製品/サービスを次々に提供して、サイバーセキュリティに対処している。
モバイル分野のサイバーセキュリティでは、「エンタープライズモバイル管理(EMM)」「モバイルアプリケーション管理(MAM)」「次世代暗号化(NGE)」などの新しい統制概念が生まれ、これらは企業のIT予算に組み込まれるようになってきた。急成長を遂げる重要な分野にふさわしく、各種ツールや方法論、標準、手続きが必要になる。
モバイルセキュリティ投資額は約2億ドルに
2014年にモバイルセキュリティに投資された総額は約2億ドルに上る。にもかかわらずセキュリティを確保するには、これよりもずっと高額の投資が必要になると今でも多くの人々が信じている。だがモバイルセキュリティに対する投資増加の必要性を高めるのは、波止場を離れて海岸線が見えなくなってから、ボートが浸水しているのを発見した後に、より大きくて優れた「浮き」を購入するようなものだ。
英紙Independentの2015年2月16日号の記事を一部引用する。「英調査会社GSMA Intelligenceのデジタルアナリストが発表したデータによると、別のマシンとの通信にしか使用されないものを含め、地球上に存在するガジェットの台数が人間の数を初めて上回った。アクティブなモバイル端末の台数が71.9億前後に達したとき、人間の数を超えた」(※1)
※1 出典:「There are officially more mobile devices than people in the world」(世界のモバイルデバイスの数が人間の数を上回ったという事実が認められる)、ザカリー・デイビス・ボレン、Independent、2014年10月7日
同紙は、私たちが検討すべき以下のような興味深い幾つかの事実を提示している。
- GSMAのリアルタイムトラッカーは、全世界で使用されているデバイスが約72.2億台になると見積もっている
- 米国国勢調査局は地球上の全人口が71.9億~72億人になると見積もっている
- タブレット、スマートフォン、携帯電話は、人口が増える速度(1秒に2人程度)の5倍の速度で増加している
「携帯電話ほど人類に大きな影響を与えたテクノロジーはない。携帯電話の台数は30年でゼロから72億台まで増加している。これほど素早く普及した人為的現象は今までなかった」。こう語るのは、米国の先端テクノロジー開発企業Spencer Traskの会長、ケビン・キンバーリン氏だ。
私たち置かれている現状と、それよりももっと重要であろう私たちの行く末について考えてみよう。
現状のモバイルセキュリティ対策
EMM
「エンタープライズモバイル管理(EMM)とは、従業員がスマートフォンやタブレットを使用できるようにして、端末のセキュリティを強化する包括的なアプローチである。強力なEMM戦略は、セキュリティの懸念に対処するだけではなく、モバイル端末で仕事を遂行するのに必要なツールを提供して従業員の生産性を向上するのにも役立つ」(※2)
※2 出典:「What is enterprise mobility management(EMM)」(エンタープライズモバイル管理(EMM)とは)、SearchConsumerization.com
ネットワークに接続した従業員が自由に活動できるようにすると、ビジネス上のメリットが得られる。実際、こうした仕組みを採用する企業が続々と増えている。ほとんどの場合、コンシューマライゼーションや私物端末の業務利用(BYOD)などのトレンドは、企業がモバイル端末のセキュリティ対策を講じる後押しとなった。
現代の企業は、ビジネスの目標とプロセスに沿ってモバイル戦略を作成し、維持するという課題に直面している。そのモバイル戦略は職場のモバイルワーカーをサポートするインフラや、サイバーセキュリティアーキテクチャ全体との整合性を取る必要がある。
モバイルワーカーは、営業時間中にどこかの建物や施設にいる場合もあれば、企業のファイアウォールの外側で作業をしている場合もある。端的にいうと、モバイルワーカーがどのような端末やネットワークを使用している場合でも、場所や時間を問わず作業できるようにしなくてはならない。この管理が難しそうな混沌とした状態を整理するのに役立つのがEMMだ。
MAM
「モバイルアプリケーション管理(MAM)とは、エンドユーザーが使用する会社所有または私物のスマートフォンやタブレットに、エンタープライズソフトウェアを配信して管理することである」(※3)
※3 出典:「What is mobile application management(MAM)」(モバイルアプリケーション管理(MAM)とは)、SearchConsumerization.com
NGE
NGEは国境を越えて作成・レビューされ、一般に公開されている一連のアルゴリズムや標準、プロセスだ。これは30年以上の歳月をかけて世界中で行われた暗号化に関する取り組みのたまものである。その各コンポーネントは、業界、政府、学会を代表するグループの共同作業により自主的に開発、テストされてきた。
例えば暗号化方式「AES」は、米国国立標準技術研究所(NIST)で採用、承認されている(AESは2人のベルギー人の暗号学者が開発したもので、当初は「Rijndael」と呼ばれていた)。一方、デジタル署名アルゴリズムのDigital Signature Algorithm(DSA)を楕円曲線上で実現する「ECDSA(Elliptic Curve DSA)」や、安全な鍵共有法であるDiffie-Hellman(DH)鍵共有を楕円曲線上で実行する「ECDH(Elliptic Curve DH)」は、日本、カナダ、米国の暗号学を専門とするコンピュータ科学者による多大な貢献によって誕生した。
ハッシュ関数の「SHA-2」は、米国国家安全保障局(NSA)が設計した。既知のハッシュ値と、ハッシュ関数の計算結果として算出するハッシュ値とを比較すると、データの整合性を確認できる。例えば、ダウンロードしたファイルのハッシュ値を計算して、その結果を以前に発行されたハッシュ値と比較すれば、ダウンロードしたファイルが変更、改ざんされていないことを確認できる。ハッシュ関数には「一方通行」という重要な特質があり、計算したハッシュ値から元のデータを導くのは基本的に不可能だからだ。
NSAは、AES、ECDSA、ECDH、SHA-2といった技術を組み合わせて導入すれば、機密データの情報保証を十分に確保できることを証明している(※4)。
※4 出典:「Next-Generation Encryption」(次世代暗号化)、Cisco。「Suite B Cryptography」(Suite B暗号化)、NSA。「What is elliptical curve cryptography(ECC)?」(楕円曲線暗号(ECC)とは)、SearchSecurity.com
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