セキュリティを高めたWebブラウザ/メールアプリを紹介
iPhone/iPad使いの“秘密主義者”必携、「匿名ブラウザ」「暗号化メール」のお勧めは?
Webでの行動ぐらい秘密のベールに包みたいと考える人も少なくないだろう。そんな人にお勧めの匿名性を高めた「iPhone」「iPad」用Webブラウザとメールアプリを紹介する。
私たちは毎日、タブレットやスマートフォンを使用してメールを送受信したり、Webページを閲覧している。この状況について注意深く考えたことがある人は多くないだろう。例えば、米Appleの「iPad」を使用して1億円規模のビジネス取引をしたり、機密情報を扱ったりしている場合は、通信を非公開にすることを望むだろう。また単純に、妻や夫に送ったプライベートなメッセージを他の人に見られたくない場合もあるかもしれない。
理由が何であれ、本稿で紹介するアプリケーションと手法を使用すると、インターネットに接続しているときもセキュリティを確保できるようになる。
まずはセキュリティの基本「暗号化」をおさらい
アプリを紹介する前に、「暗号化」という基本的な要素について説明する。暗号化は「送信前のメッセージの暗号化」と「指定の受信者による送信後の暗号化解除」の両方で構成される。第2次世界大戦中に送信された暗号文は分かりやすい例だろう。受信者が暗号文を解除する方法を知らなければ、何の意味も成さないメッセージだった。
現代の暗号化は、かなり複雑な数学アルゴリズムと詳細なコンピュータ科学を使用しており、さらに複雑になっている。だがメールで送信するメッセージや閲覧するWebページが、他の人に読み取られないようにするという原理は同じだ。通信を非公開にするために「悪事」を働く必要はない。本稿で紹介するアプリやサービスを使用することで、通信を非公開の状態で維持できる。
お勧めのセキュアメールアプリ
メールを非公開にしたい潜入捜査員だけでなく、IDの盗難を懸念するユーザーも、メールの暗号化を検討してほしい。メールを暗号化するアプリやiPadのメールアプリのセキュリティを強化する手順を以下に示す。なお、紹介するアプリは全て、iPhoneでもiPadでも利用可能なユニバーサルアプリだ。
iPGMail
| 名称 | 価格(税込) |
|---|---|
| iPGMail | 200円 |
ウィリス・インガーソル氏が開発した「iPGMail」は、PGPの公開鍵/暗号鍵のいずれかで暗号化されるメールを使用したい場合にお勧めする2つの選択肢の1つである。iPGMailは見た目が優れたアプリではない。だが問題なく機能し、使い勝手を良くするための便利な機能を備える。
iPGMailは、PGP鍵のインポート方法を複数用意する。例えば、メール、米Dropboxの「Dropbox」、Apple「iTunes」のファイル共有機能、「AirDrop」(「Mac」のみ)などを経由してインポートできる。また、公開鍵をメッセージに添付することもできる。
ただし、ユーザーからは最新版で鍵が削除されることが報告されている。そのため、解決策が公開されるまでは、鍵をバックアップしてから最新版にアップグレードすることを開発者であるインガーソル氏は推奨している。
oPenGP
| 名称 | 価格(税込) |
|---|---|
| oPenGP | 500円 |
グレゴリー・デカン氏が開発した「oPenGP」は、添付ファイルに関する堅牢なサポートを用意している点で、iPGMailよりも機能が豊富だといえる。例えば、RAR、TAR、ZIPファイルに対応した自動アーカイブ抽出機能、端末にインストールされている別のアプリに添付ファイルを送信する前に暗号化を解除した添付ファイルをプレビューできる機能などがある。また、セキュリティが確保された暗号化フォルダ「My Files」も用意する。
PGP鍵生成機能は、oPenGPにはないが、iPGMailにはある機能の1つだ。ただしこの機能は、oPenGPの開発ロードマップに掲載されている。現時点では、クライアントPCでPGP鍵を生成した後に、DropboxやiTunesのファイル共有機能、端末のクリップボードを使って鍵を転送する必要がある。
標準メールも「S/MIME」で安全性向上
専用アプリを使わなくても、iOSの標準メールアプリに備わるメール暗号化の標準技術「S/MIME」を使用すれば、メールのセキュリティを確保できる。まず、S/MIME証明書を取得して、端末にインストールする必要がある。個人で使用する場合は、米Comodo GroupやイスラエルStartSSLが提供する無償の証明書がよいだろう。取得した証明書をインストールするには、メール添付で証明書を自分宛てに送信し、メールを受信したら証明書をタップする。
証明書の発行元から指定されたパスワードを入力したら、メールのオプションを設定して、デフォルトで送信する全てのメールメッセージを自動的に署名、暗号化するように設定できる。これは、どちらかというと「設定して忘れる」アプローチを好むユーザーにお勧めの解決策である。
お勧めの匿名Webブラウザ
Webで閲覧しているもの全てが、世間に知られても本当に問題ないか自問自答してみてほしい。プライバシーの保護に役立つ幾つかのWebブラウザを以下に示す。
Covert Browser
| 名称 | 価格(税込) |
|---|---|
| Covert Browser | 300円 |
ステファン・ホフマン氏が開発した「Covert Browser」は、多くの機能を備える。これらの機能は全て、128ビットAES暗号化の使用や3台のサーバを経由してからオンラインの目的地に到達するWebブラウジングのルーティング方法に関連するものだ。この仕組みにより、匿名通信ソフト「Tor」を使ったネットワークでプライバシーと匿名性を兼ね備えたネットサーフィンが可能になる。また、ランダムなIPアドレスを使うように指定することも可能で、その場合はCovert Browserが5分ごとに新しいIPアドレスを生成する。
FREE Full Screen Private Browsing
| 名称 | 価格(税込) |
|---|---|
| FREE Full Screen Private Browsing | 無料 |
豪SavySodaの「FREE Full Screen Private Browsing」のユーザーインタフェース(UI)は、Appleの「Safari」と似ているが、コントロール部分を非表示にしてフルスクリーンでの閲覧を可能にしている。
閲覧履歴は、各セッション終了後に自動で削除される。アプリによってcookieが格納されることもない。本稿で紹介した他の一部のセキュアなWebブラウザとは異なり、このアプリは実に高速である。メイン画面に広告が表示されない代わりに、シャットダウンして他のアプリを紹介することがある。だがその他の点については、適切に機能するのでお勧めだ。
Mobicip
| 名称 | 価格(税込) |
|---|---|
| Mobicip | BASICプランは無料 |
米Mobicipの「Mobicip」は、匿名のWebブラウジングを約束するものではないが、全てのオンライン活動を暗号化する。公衆無線LANに接続して端末を使用するユーザーにとって非常に便利なWebブラウザだ。Mobicipには、Webブラウジング、検索、YouTubeのビデオタイトルや説明に対するペアレンタルコントロール機能やフィルタリング機能といった追加機能も用意しているので、子どものいる人には必携のWebブラウザだといえる。
Mobicipを使用するには、専用アカウントが必要になる。料金プランは、無料の「BASIC」から有料の「PREMIUM」「ENTERPRISE」まである。PREMIUMプランでは年額39.99ドルの使用料が発生し、アプリ監視機能、時間制限機能、Webブラウジング履歴のリポート機能が利用できる。ENTERPRISEプランは、1つのアカウントで20台以上の端末を保護したい管理者に適する。
Onion Browser
| 名称 | 価格(税別) |
|---|---|
| Onion Browser | 100円 |
Webブラウジングを全面的に匿名化することを望む場合は、マイケル・ティガス氏が開発した「Onion Browser」は検討すべき優れたWebブラウザである。全てのWebブラウジングをTorネットワーク経由で実行し、実際のIPアドレスは秘匿する。そのため、端末を追跡することは不可能だ。全てのcookieをブロックしたり、サードパーティーのcookieだけをブロックするといった制御も可能。何らかの方法でオンライン活動が追跡される可能性を下げることができる。
ただし、デメリットもある。最も顕著なのは、速度が大幅に低下することと、動画が自動でブロックされることだ。またOnion Browserは、イランや韓国など使用が禁止されている一部の国では機能しない。今後の更新では、機能のアップグレードが予定されており、開発者はタブ機能の追加や「iOS 8」のサポートを計画している。
SurfEasy
| 名称 | 価格(税込) |
|---|---|
| SurfEasy | 無料 |
カナダSurfEasyの「SurfEasy」はWebブラウザではなく、全てのWebブラウジングトラフィックをVPNネットワークにルーティングするアプリだ。その際、IPアドレスや位置情報を隠したり、トラフィックを暗号化したり、匿名での閲覧を可能にしたりできる。米国、カナダ、英国、ドイツ、ブラジル、シンガポールなどから位置情報を選択可能。カフェでネットサーフィンをする場合に便利な無線LANセキュリティも用意されている。
無料版は、毎月最大500Mバイトのデータ保護が利用可能だ。この容量は、Dropboxなどと同様に、米Twitterの「Twitter」で開発者をフォローしたり、友人を紹介したりすることで増やすことができる。有料サブスクリプションのオプションを使用すると、毎月の帯域幅の制限がなくなり、広告追跡に対する保護によってオンラインプライバシーを強化できる。
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