サーバストレージとの違い
ユーザーは常に斜め上を行く――IT部門がVDIストレージの管理に手を焼く理由
サーバとVDIではストレージの使い方が違う。その違いを理解しておくことは重要だ。サーバストレージはユーザー体験に直接の影響を及ぼさないが、VDIストレージは影響を与える。
VDI(仮想デスクトップインフラ)が広がり始めた当初、VDIプロジェクトが失速し頓挫するとしたら、その原因は多くの場合ストレージにあるといわれた。
それから数年の間に、VDIとストレージの問題に対処する革新的なアプローチが幾つか登場した。おかげで今ではVDI環境にストレージリソースを提供する上で、かつて多くの問題を引き起こしていた(そして相当のコストが掛かっていた)従来型ストレージがネックとなることはなくなった。
それでも依然としてストレージはVDIプロジェクトの失敗の原因として挙げられることが多い。理由の1つに、IT担当者がVDIストレージとサーバストレージの違いをしっかりと認識していないという問題がある。
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3つの違い
VDIがストレージに配置するワークロードは、サーバやデータベース、ファイル共有のストレージにおけるそれとは、大きく異なる。両者の主な違いは以下の3点だ。
I/Oの比率が予測不能
仮想デスクトップのI/O(読み出しと書き込み)の比率については、さまざまな見方がある。「半々」という意見もあれば、「3対7」あるいは「7対3」といった意見もある。よく調べれば、もっと違った数字も出てくるだろう。それはそれで構わない。実際のところ、この数字は重要ではないからだ。重要なのは、読み出しと書き込みの両方に備える必要があるという点だ。
サーバのワークロードは読み出し重視あるいは書き込み重視のストレージ領域に配置することもでき、そのワークロードに合わせて割り当てられるストレージが微調整される。だがVDIストレージの場合は、読み書きの両方に最適化されている必要がある。全体の7割が読み出しだとして、残り3割が書き出しである事実を無視して「多少の遅延を我慢する」わけにはいかない。
レイテンシがユーザーに与える影響
ファイルサーバやアプリケーションサーバの場合、過負荷が原因でストレージシステムが少しでも減速すると、ファイルの読み込みやリポートの作成、データの保存などの作業に少しだけ長く時間がかかることになる。どの程度の遅延にせよ、影響が及ぶのはそのアプリケーションだけだ。もっといえば、そのアプリケーション内の特定のオペレーションだけだ。
一方、ファイルのホスティングやアプリケーションのストレージではなく、VDIのストレージシステムが同じように若干過負荷な状態になった場合、遅くなるのはファイル1つやクエリ1つではなく、全てだ。全てのアプリケーションと機能が影響を受ける。キーボードとマウスクリックの反応まで遅くなる可能性もある。影響はユーザー体験全般に及ぶ。
ユーザーの存在が予測を困難に
私に言わせれば、ユーザーはわれわれIT担当者に常に仕事を保障してくれる存在だ。ユーザーがいなければ、私たちの仕事はあまりに簡単なものになってしまう(そもそも仕事が存在すればの話だが)。子猫のマウスカーソルを使ったり、孫の写真をデスクトップに表示したりしているユーザーの相手をし、特定の部署に広まっているウイルスに対処するといった必要もなくなる。だがユーザーは現に存在しており、その存在が全てを予測不能にしている。サーバストレージのような法則性は一切期待できないということだ。
デスクトップI/Oの比率が半々だといわれるゆえんはここにある。つまり、IT担当者は常にそうした状況に備えておく必要があるということだ。I/Oの比率は常に一定ではなく、予測不能に変動する。そこにユーザーが加わるとなれば、われわれが考え方を変えるしかない。IT部門はユーザーの傾向(想像を超える使い方も含め)に注意を払い、ユーザーが実際にデスクトップをどう使っているかに目を光らせ、ストレージシステムの一方(入力または出力)の容量に余裕があるときだけでなく、常にユーザーエクスペリエンスを調整し、確保できる適切なプラットフォームを構築する必要がある。
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