OpenStack環境のストレージ選定ポイント【最終回】
【徹底比較】OpenStackで利用するストレージ、主要9製品を比べた(2/3 ページ)
ストレージの選定ポイント
前項ではOpenStackの用途と求められるシステム要件について説明した。本項では下記の具体的な選定ポイントについて説明する。
- 信頼性、可用性
- 性能、拡張性
- 容量効率化、性能保証
- 圧縮、重複排除
- シンプロビジョニング
- QoS(Quality of Service)
- コピーオフロード
- サポート
- 相互接続性と市場実績
- 運用、保守
信頼性、可用性:単一障害点の排除
可用性、信頼性は最も重要な製品選定のポイントとなる。特にPOCの環境を除いては、基本的には単一障害点の排除が必要だ。OpenStackのデフォルトストレージのLVM(Logical Volume Manager)では、ストレージを提供するLVMサーバは単一障害点となる。ストレージベンダーが提供するハードウェアベースのストレージの場合は、内部コントローラーが冗長化されている。Cephなどのソフトウェアベースの分散ストレージは複数のサーバ間でデータの複製やパリティを持つことで、サーバ間の冗長性を排除している。
ストレージベンダーが提供するハードウェアベースのストレージとCephなどのソフトウェアベースの分散ストレージの信頼性は一概に比較することができない。なぜなら、ストレージベンダーのハードウェアの中にはファイブナイン(99.999%)を実現する可用性の高いモデルが存在するからだ。対して、Cephなどのソフトウェアベースの製品はハードウェアが壊れることを前提としたアーキテクチャであり、複数ノード間でデータを持ち合うことで信頼性を確保しており、両者は全く別のアプローチをとっている。ソフトウェアベースの製品は、ソフトウェアの不具合も懸念事項だ。保守体制が充実しているかどうかも重要な選定ポイントだ。
性能、拡張性:スケールアップ/スケールアウト
ストレージの拡張方式には、スケールアップ/スケールアウトの2方式が存在する。スケールアップ方式はハードウェアベースのストレージ、スケールアウト方式はCephなどのソフトウェアと一部ハードウェアベースのストレージが対応している。スケールアウト方式のメリットは、スモールスタート(性能、容量、コスト)が可能な点と大規模まで拡張が可能な点だ。
OpenStackの設計思想はどちらかといえば、スケールアウト方式にマッチしているだろう。しかしながら、全ての用途がスケールアウトを求めているとは限らない。開発システム、社内システムなどは必要とされる性能や容量などの要件が、システム導入時に決まっているケースが多い。特に日本のIT環境では、システムの利用期間を5年間などとし、初期導入時に一括してハードウェア/ソフトウェアを購入するケースが多いだろう。スケールアウト方式にもデメリットは存在する。ノード数が増えた場合の運用負荷、設置スペースなどが考えられる。
容量効率化、性能保証:ストレージ容量の削減、I/Oの制御
商用ベンダーのストレージは、多様なエンタープライズ環境を想定して開発されてきた背景がある。従って、OSS(オープンソフトソフトウェア)などと異なり、商用ベンダーが提供するストレージは容量と性能を効率的に利用するための機能を多く備えている。
・圧縮、重複排除
ストレージに保管されたデータを可変長、固定長などのブロック単位で圧縮したり重複排除したりする技術も重要だ。重複するブロックが排除されるため、ストレージ容量を削減することが可能である。サイトをまたいだDR(災害対策)などの構成では、ネットワーク帯域を大幅に削減することもできる。
・シンプロビジョニング
シンプロビジョニングとは、仮想的なストレージ容量を割り当ることで、実容量を超える容量の割り当てを可能にする技術だ。本機能はCephなどのOSSも備えている。多くのユーザーがインスタンスをセルフデプロイする環境において、シンプロビジョニングがない場合は多大なストレージ容量が消費されてしまうだろう。
・QoS(Quality of Service)
QoS(Quality of Service)は、インスタンスやボリュームなどの単位で処理要求に優先付けを行う機能である。インスタンスの性能保証を実現する。具体的には、スループットやIOPS単位で制御を行う。QoSを使うことによって、複数のインスタンスでストレージを共有する場合に安定したパフォーマンスを割り当てることが可能だ。
・コピーオフロード
コピーオフロードは、OpenStackのコンポーネント間のデータ移動の処理をストレージ内部で完結する技術だ。例えば、GlanceからNovaやCinderへ、インスタンスのデプロイの処理などをオフロードできるストレージも存在する。
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OpenStack環境のストレージ選定ポイント
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