OpenStack環境のストレージ選定ポイント【最終回】
【徹底比較】OpenStackで利用するストレージ、主要9製品を比べた(3/3 ページ)
サポート:サポート、運用面の考慮
・相互接続性と市場実績
現在は、OpenStackに多くの商用ディストリビューションが存在し、有償のサポートを受けることが可能だ。ただし、ディストリビューションによっては、ベンダーがサポート可能なストレージを制限している。OpenStackはオープンなアーキテクチャとはいえ、ディストリビューションを利用する際はサポートされているストレージを確認する必要がある。
市場実績に関しては、「OpenStack User Survey」などの情報を参考にするとよいだろう。OpenStackは活発なコミュニティー活動が行われているため、ユーザー事例やアンケート結果も多く公開されている。ストレージに関しての現状の実績では、デフォルトのLVMやCephなどの利用が多いが、商用ベンダーのストレージ利用も増えている。
・運用・保守
OSSを運用・保守するには担当者のスキルが不可欠だ。またコミュニティーベースのサポートとなるため、トラブルが発生した際は、ソースコードから原因を究明し、修正や解決が必要なケースも考えられる。商用製品を利用することで、トラブル時の運用負荷を大幅に軽減できる。特にエンタープライズ環境で提供されている有償のサポートサービスでは迅速な対応が期待できる。既存のストレージを利用する場合は、既存の運用体制を有効活用することができる。OSSの利用可否は運用担当者のスキルや人数などによって決定できるだろう。
以上の選定ポイントなどを踏まえて、OpenStackに対応する主要ストレージ9製品の機能比較をまとめたものが下記となる。
比較表のダウンロードはこちら(会員限定、無料)
- OpenStackに対応する主要ストレージ9製品の機能比較をPDFで提供しています。「比較表:OpenStackストレージ、主要9製品の機能比較」からダウンロードしていただけます。
最適なストレージの選び方
最適なストレージの選び方は、前項で解説した用途、規模、システム要件を考慮した上で選定をするとよいだろう。
POC
OpenStackの一般的な動作を確認したい場合は、デフォルトのLVMや既存で利用しているストレージを利用すればよいだろう。Cinderのサポートマトリクスなどからも確認ができるが、基本的な機能はどのストレージも持ち合わせている。
開発環境、社内システム
開発環境、社内システムには、信頼性や可用性、堅牢性、そして保守性が重視されるだろう。また、現状は商用ストレージが利用されている背景もあるため、同等の機能が利用可能な商用ハードウェアベースのストレージの選択がよいだろう。特にサポートが付属するOpenStackディストリビューションと商用ストレージを合わせて利用することで、運用・保守の負担を大きく軽減できる。
ホスティング(プロバイダー)
ホスティング(プロバイダー)では、初期投資や拡張性が重視されるだろう。この場合は、スモールスタートが可能なソフトウェアベースのストレージ、スケールアウトやQoSなどの機能を備えたハードウェアベースのストレージなどがマッチするだろう。CephなどのOSSも候補として挙がってくるが、設計・運用面では難易度が高い。利用の際には、構築後の運用面では十分な体制をとっておく必要がある。
本連載では、OpenStack環境のストレージに着目して、ストレージコンポーネントの概要、ベンダーの取り組み、ストレージ選定のポイントに関して紹介した。OpenStackは今後も一層開発が進み、一般企業のITシステムでも使いやすい機能が拡充されていくだろう。また、オープンなAPIのため、自社独自の機能追加なども容易に可能であり、導入する企業も増えていくことが予想される。ベンダー製品のOpenStack対応も増えており、OpenStackの導入障壁は下がっている。読者の皆さんには、このような機会を利用して、ぜひOpenStack環境に飛び込んでいただきたい。
野中正喬(のなか まさたか)
伊藤忠テクノソリューションズ
ITサービス事業グループ 製品・保守事業推進本部 ITインフラ技術推進第1部 ストレージ技術推進課
2002年、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)入社。ストレージ/データ保護の担当として、技術検証、設計支援、製品販促活動などを担当。近年はバックアップ分野で独自のサービス開発なども行い、顧客への課題解決を提案している。趣味はドラムの演奏。
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OpenStack環境のストレージ選定ポイント
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