SDN技術がキーになる
僕らが考える次世代Wi-Fiの理想型――大手ベンダーが語る未来とは(2/2 ページ)
Extreme Networks
米Extreme Networksは、無線LANを含む自社の全製品ラインをカバーする“SDNプラットフォーム”を提供しているとしている。SDNに対する同社の取り組みの中核となる「OneController」をはじめ、主要な全てのハードウェア製品で単一のOS「ExtremeXOS」を採用していることを強調している。管理プラットフォーム「NetSight」とアナリティクスソフトウェア「Purview」に特に重点を置いており、SDNを使用するときは全てのネットワークコンポーネントを考慮する必要があるとも訴えている。ソフトウェア開発者キット「SDN SDK」も提供している。
HP
HPは、SDNの価値を示すアプリケーションに力を入れている。同社の新しいSDNアプリケーション「HP Network Visualizer」は、ネットワークの可視化、診断、トラブルシューティング、プロアクティブなパフォーマンス監視を支援する。同じくSDNアプリケーションである「HP Network Protector」はセキュリティを保護し、「HP Network Optimizer」は教育環境向けのQoS(Quality of Service)エンジンとして機能する。HPは“モバイル中心のネットワーク”を推進しており、こうしたネットワークによるコラボレーションと一元化されたコンテンツ共有に重点を置いている。
Meru Networks
米Meru Networks(米Fortinetによる買収が決まっている)は、SDNの推進団体Open Networking Foundation(ONF)から、無線LANベンダーとしては初めて、SDNプロトコル「OpenFlow」の適合性認証を受けたことを2014年6月に発表した。ONFのOpenFlow適合性テストプログラムに合格し、認証を取得したという。シームレスな相互運用性の確保が同社の大きな目標だとしている。さらに、SDNを利用する次世代Wi-Fiアプリケーションの開発も進めている。例えば、「Meru Collaborator」は、Skype for Businessがコントローラーとやりとりし、UCセッションに対するQoSポリシーの優先順位を高めることを可能にする。「Meru Personal Bonjour」では、米Apple製端末のユーザーが有線および無線ネットワークに対する既存QoSポリシーの強制を維持しながら、無線PAN(Personal Area Network)をセットアップできる。またMeruは、SDNを無線ネットワークエッジに拡張することで、TCO(総所有コスト)の削減という大きなメリットも得られるとしている。
これらのベンダーは皆、OpenFlowとオープンソースのSDNオーケストレーター「OpenDaylight」を、自社の全体的なSDN戦略の(従って、Wi-Fi戦略の)重要な要素として挙げている。しかし、こうしたベンダーがこれらのプロトコルをサポートしていても、マルチベンダーの完全かつ透過的な相互運用性の実現を期待するのは時期尚早だ。OpenFlowとOpenDaylightはまだ発展途上にあることや、ネットワーキング業界は競争が激しいことなどがその理由だ。
実際、将来的にOpenFlow以外のプロトコルが重要な役割を果たすようになる可能性もある。また、多くの実装がオープンソースであるため、拡張が活発に行われることになるが、それらがプロプライエタリ(独占的)なものになってしまうこともあり得る。ただし、SDNを拡張してコントローラーベースの無線LAN実装を実現するには、アクセスポイントに変更を加える必要はなく、コントローラー自体にソフトウェアを追加するだけでよい。このため、どのようなSDN技術をサポートしている場合でも、SDNを無線LAN分野に拡張するのは比較的簡単だ。ベンダーが次世代Wi-Fiに向けてSDNを導入する動きがかなり進んでいる大きな理由はそこにある。
SDNの取り組みが既に大規模に行われていることから、歴史の長いエンタープライズクラスのWi-Fiベンダーは今後、SDNでも有力な地位を占めると予想される。SDNをどう定義するにせよ、適切に実装されれば、SDNがネットワークを、エッジからコアまで一変させることは既に明らかになっている。現在の企業ネットワークのエッジには主に無線LANがあるため、SDNは、無線LANの実装において中心的な役割を果たさなければならない。SDNのこうした役割の拡大は既に進んでいる。意欲的なベンダーコミュニティーが、SDNのさらなる進化と歩調を合わせて次世代Wi-Fiを進化させていくことはほぼ確実だろう。
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