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10大ITトレンド、あなたは幾つご存じですか?
ソフトウェア定義技術、統合システム、IoT(モノのインターネット)など、次々と登場する新しい技術。大きな変革をもたらす主要なトレンドをリストアップしてみた。
ソフトウェア定義技術、統合システム、IoT(モノのインターネット)など、新しい技術が次々と登場する中にあって、データセンターも絶えず変化の波にさらされている。この変化を促している主要なトレンドをリストアップしてみよう。
データセンターは新技術のトレンドへの対応を求められ、時にはそれが大きな混乱を招くこともある。
新たなトレンドに対応して自社の競争力を維持し、従業員の業務効率を改善するために、新しいシステムやツール、プロセス、手順の導入が必要になるかもしれない。2014年10月初めに開催されたシンポジウム「Gartner Symposium/ITxpo 2014」において、米調査会社Gartnerのデビッド・J・カップチオ調査担当副社長は、近い将来にデータセンターのインフラとオペレーション(I&O)に変化をもたらす10大ITトレンドについて説明した。
1. 「ソフトウェア定義化」が進むインフラ
ソフトウェア定義型(Software-Defined)のネットワーキングやストレージ、データセンターなど、ソフトウェアベースのツールを使ってコンピューティング用リソースやコンポーネントに接続する方式は、データセンター内で物理的に接続して手作業で設定する従来型の物理的機器を不要にする。ソフトウェア定義技術は、オンプレミスであれ、オフプレミスであれ、一元的な集中管理を可能にする。これらの技術が共通に目指しているのは、論理ルールに基づいてワークロードの移動性とトラフィックの流れを改善し、ワークロードが最も効果的、効率的な場所で動作するようにプロビジョニングできるようにすることである。
クラウドコンピューティングおよびアジャイルアプリケーション開発を目指した動きに伴い、ソフトウェア定義型インフラが不可欠になる。これらのワークロードをプロビジョニングしたり移動したりするのに、ITスタッフが手作業で対応していたのでは間に合わなくなるからだ。このため企業は、ソフトウェア定義型インフラの構成要素をサポートするためのシステムとツールを配備し、これらのツールを使用するためのプロセスや手順を導入しなければならない。
2. リカバリよりも継続
従来のバックアップ/リカバリ計画は、リカバリ時間とリカバリポイントの目標に照らして妥当なコスト/パフォーマンスのトレードオフとビジネスニーズがベースとなっていた。ITの進化ペースが加速する一方で、常にサービスを利用できる状態をユーザーが求める中、現在のトレンドは事業継続とディザスタリカバリのシームレスな統合に向かっている。
この分野では、データセンターからワークロードに焦点が移行しつつある。ITスタッフはリスクを軽減し、リカバリを迅速化するためにワークロードを保護し、移動する必要がある。多くの場合、これは地理的に分散したプライベートバックボーンによって複数のデータセンター施設を接続して使用することを意味する。例えば、米国の中南部テキサス州ダラス近郊でネットワーク障害が発生した場合、重要なワークロードは北西部のワシントン州シアトルにある、同等のパフォーマンスを備えた別のデータセンター施設に移すということだ。
3. さらなるシステム統合化
統合インフラ(CI:Converged Infrastructure)は数年前から進行中のトレンドであり、次第に注目が高まっている。CIが目標とするのは、異なるベンダーから調達したコンポーネントで構成される異種システムから、特定のベンダーが既に統合・最適化・検証を行った総合インフラ(サーバ、ネットワーク、ストレージシステムで構成)への移行である。このような総合インフラの例としては米Cisco Systemsの「Cisco UCS」がある。
CIは配備とサービスの簡素化を実現し、社内で組み合わせた異種混在システムよりも優れた拡張性とパフォーマンスを提供する。CIはある意味で極めて破壊的な技術である。データセンターの既存のハードウェアを全て取り換える必要が生じることもあるからだ。新規に建設した施設や遠隔地のデータセンターでは、こうした統合インフラが導入されるケースが多くなりそうだ。
4. 分散システム
分散システム(Disaggregated System)は、統合システムとは逆に従来のパッケージ型サーバアーキテクチャを基本機能コンポーネントに分解し、これらを光インターコネクト(米Intelのシリコンフォトニクス技術など)で結び付けるというアプローチだ。その狙いは、プロセッサ、ストレージ、ネットワーク、メモリの各モジュールを独立させ、データセンターのワークロードの要求に応じて拡張できるようにすることにある。アップグレードの際には必要なモジュールを交換するだけでよい。システム全体を廃棄処分にしなくても済むので、投資が無駄にならない。
分散化のトレンドを最初に具現化したのが、米Facebookの「Open Compute Project」だ。「オープンなソフトウェアは既に十分に確立している。今日、オープンソースソフトウェアは企業で広く利用されている」とカップチオ氏は語った。オープンハードウェアも同じような道をたどるという。
5. バイモーダルソフトウェア開発
DevOpsとアジャイルソフトウェア開発が注目を集める中、ミッションクリティカルなエンタープライズアプリケーションはアジャイル開発に向いていないという事実を忘れがちだ。アジャイル開発チームはスピードを重視するのに対し、運用チームは安定性を重視する。その結果、ソフトウェアへの要件が2つに分かれることになる。カップチオ氏によると、どちらか一方を選ぶべきというものではなく、生産性を犠牲にすることなく2つの異なるソフトウェアモデルを共存させることが可能だという。
従来型のデータセンターで運用されるミッションクリティカルなレガシーアプリケーションを支えているのは、時間をかけて洗練度を高める開発方式だ。一方、アジャイル手法やDevOps手法では、アプリケーションの段階的アップグレードを短期間で繰り返し、安定性はさほど重視されない。これは、重要なワークロードを危険にさらすことなく、新しいコンピューティングプラットフォーム(パブリッククラウドなど)を試すのに便利な方式である。
6. IoTの拡大
カップチオ氏によると、2012年には170億台のインターネットデバイスが存在した。2020年までにインターネットデバイスは500億台になる見込みだという。インターネットデバイスの未来は、自己発見機能によって自身のピアネットワークを形成し、位置情報を処理し、バッテリーなしで動作する自律型の小型センサーが中心になるだろう。このIoT(モノのインターネット)の最終的な目標は、リアルタイムサポートと機械学習機能を提供することにある。
IoTの拡大に伴い、膨大な数のインターネットデバイスが生成するデータを収集、保存、処理および分析するデータセンターのインフラに対する考え方を根本的に改める必要がある。
7. “ハイパーコネクト”されたユーザー
コンピューティング機能に対するユーザーの要求は以前よりもはるかに高くなっており、ソーシャルメディアやマスコラボレーション、パーソナルネットワーク、集合的情報(口コミサイト「Yelp」でのレビューなど)、場所非依存型機能の利用が拡大している。カップチオ氏は、このトレンドを「ハイパーコネクティビティ」と呼んでいる。
“ハイパーコネクト”されたユーザーは、さらに充実したメディアとより高い通信速度を求めるようになる。ITプロフェッショナルは、感動的な結果を即座に得たいというニーズを満たすために、提供するサービスの範囲を考慮するとともに、サービスを確実にプロビジョニングし、配布する方法を考えなければならない。
8. 分散データセンター
IT業界はデータセンター拠点の分散化と集約化の間で揺れ動いている。「より分散型のモデルを目指すデータセンターもある。特に、大手小売りチェーンのような分散型のビジネスではその傾向が強い」とカップチオ氏は語った。分散型モデルでは、単一の集約型データセンターとは異なり、企業の主要なコンピューティングタスクは、各拠点に配備された数台のサーバを使って処理される。これは電力と冷却の負荷の分散につながるだけでなく、企業の全般的なレジリエンス(障害復元性)も改善する。1カ所の拠点での障害が企業全体(全ての拠点)の機能をダウンさせることがないからだ。分散した小規模データセンターは通常、1人の現地スタッフがサポートし、高度なIT知識も必要とされない。
9. 際限なき要求
ユーザーはかつてなく多くのアプリケーションおよびコンテンツにアクセスできるようになった。現在、144億のWebページ、130万本のiPhoneアプリ、110万本のAndroidアプリ、そして1ユーザー当たり平均4台のコンピューティングデバイスが存在する。
より多くのコンテンツとアプリケーションに対する欲望は、サーバの処理量、ネットワーク帯域、ストレージの利用、電力消費を増大させており、この傾向は間違いなくデータセンターの容量とレジリエンスに影響するだろう。「だが、IT投資の平均成長率は1%にすぎない」とカップチオ氏は指摘する。これは、コンピューティングサービスに対するユーザーの今後の需要に対応するには、新しい技術、容量の増加および自動化の改良が不可欠であることを意味する。
10. ITスキルの高度化
カップチオ氏によると、予算の削減、クラウドサービスの普及、ITの複雑化、24時間サポートへの要求、変更サイクルの高速化、開発時間の短縮といった要因が、今日のワークロードに対応する能力を持ったITプロフェッショナルの人材プールを侵食しているという。企業は新たなプロジェクト要件に対応できるスキルを求めるだけでなく、健全で生産的なIT環境を醸成すべきであり、そのためには幅広い分野にまたがるトレーニング、ITスタッフの意欲向上、そして従来のITサイロ(縦割り業務)の枠にとらわれないような意識改革が必要だ。「奇抜な考え方をしてもいいのだ」とカップチオ氏は語る。「IT系の人は勉強が好きだ。彼らが知識を広げれば、ビジネスへの貢献を高めることができる」
「こうした新たな課題に対処するには、ITプロフェッショナルは自身のスキルをアップデートするとともに、テスト環境あるいは限定規模の業務環境でソフトウェア定義技術を検証する必要がある」とカップチオ氏はアドバイスする。
「IoTによって引き起こされるIPアドレスの爆発的増加を軽視してはならない。IT部門は高速かつ高度な自動化機能を備えた膨大な数のデバイスをサポートする準備をしなければならない。ハイブリッド型クラウドのようなクラウド技術を導入するに当たっては、ニーズ、価格、価値、将来性といった要素に基づいて製品を評価すること。今後ますます複雑化が進むITに対処するには、こうしたアプローチが必要だ」(同氏)
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