企業は挑戦することを恐れるな
知らないと生き残れない“世界を変える3つの破壊的ITトレンド”
人々の働き方や生活を大きく変えるといわれる破壊的ITトレンド。ビジネスチャンスに生かすにはどうすればいいのだろうか。また、企業のイノベーションを阻害する要因とは何だろうか。
IoT(モノのインターネット)、3Dプリンタ、バイオ技術/ヘルスケアIT――この3分野のテクノロジーは、今後3年間で人々の働き方や生活を大きく変える破壊的なITトレンドである、とスイスのコンサルティング会社、KPMG Internationalは最新調査「2014 KPMG Global Technology Innovation」で指摘する。
企業変革を後押しするテクノロジーとしては、モバイル、クラウドコンピューティング、ビッグデータ分析、デジタル通貨、人工知能(AI)なども回答の上位に挙がった。
KPMGによると、上述の3分野(3Dプリンタ、バイオ技術/ヘルスケアIT)については、前年比で2倍以上の回答を集めたという。KPMGは今回、テクノロジーおよびビジネスリーダー(約7割がCレベルエグゼクティブ)を対象に、破壊的テクノロジーに対する意識、技術革新を阻む障害、新興技術が与えるビジネスへの影響についての調査を実施した。
米調査会社ABI Researchによると、アクティブなワイヤレス接続デバイスの台数は、2014年の16億台から、2020年には2倍以上の409億台に達する見込みだ。こうしたデバイスの爆発的な増加は、IoTによってもたらされるという。
一方で、米調査会社のGartnerは2013年、IoTを構成するデバイスの数は260億台に上ると試算している。
「テクノロジーはとても大きな可能性を秘めている。企業の成長を促進したり、変化を可能にしたりすることができる。世界中の企業は、テクノロジーを生かした新しいアイデアが利益を生み出すことに期待を寄せている。一方で、神経質な面も潜んでいる」と、KPMGでテクノロジー担当責任者を務めるテューダー・オウ氏は話す。
破壊的技術をビジネスチャンスに
「産業や企業が最大限の成功を収めるには、新しいものに挑戦する心構えが必要だ。だからといって、“次の注目技術”に社の命運を掛けるべきだというわけではない。そうではなく、挑戦することを恐れるなということだ」とオウ氏は指摘する。
KPMGの調査では、ビジネスリーダーの20%は、IoTが利益に結び付く技術であると考えていることが分かった。また、ホームオートメーション(14%)、監視/セキュリティ(12%)、ソーシャル(12%)も、今度3年間で利益拡大につながるテクノロジーだと回答した。
「Bitcoin」をはじめとしたデジタル通貨も、ビジネスに影響を及ぼす可能性のある新興技術の1つと認識されている。しかしながら、デジタル通貨が決済手段の1つとして普及するかどうかは、地域によって大きく認識が異なっている。例えば、欧州では32%の回答者が、デジタル通貨は今後3年間で銀行や決済業務に多大な影響を及ぼすと答えたのに対し、米国では15%にとどまった。中国は70%と両者を大きく引き離した。
企業ITにおけるイノベーションの挑戦
イノベーションを阻害あるいは制限する要因について、ビジネスリーダーはどのように考えているのだろうか。34%の回答者が抑圧的な規制政策を挙げ、27%がROI(投資対効果)をうまく示すことが障壁になっていると答えた。また、セキュリティ(27%)、テクノロジーの複雑化(22%)などもイノベーションを阻害する要因として上位に挙がった。
「家庭用コンピュータやスマートフォンなど、消費者は新たなテクノロジーを積極的に受け入れている。移動中のショッピングや銀行取引などは、15年前には誰も想像していなかったはずだ」(オウ氏)
「企業は、今が技術イノベーションの出発点でしかないことを早く理解するべきだ。そうした企業は、次の注目技術を発見し、市場の競争が激しくなっても耐え忍ぶことができるだろう」
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