台頭する3Dプリンタとスマートマシン
もはやSFではない――2014年に流行る技術を占う
普及が進む3Dプリンティングとスマートマシンは人々の生活や仕事にどのような影響を与えるのか。Googleやディズニーの最新の技術成果が示されたITイベントのリポートから2014年の技術動向を占う。
ついさっきオーランドから飛んで帰ってきたばかりだけど、もう耳が疲れた。いやいや、ディズニーのダンボになぞらえたジョークではない(オーランドにはウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートがある)。ここ数日、筆者はGartner社のITイベント「Gartner Symposium/ITxpo 2013」を取材していた。そこで、多くのCIO(最高情報責任者)たちから今後の方針や2014年、あるいはその先の計画について聞いてきたのだ。それらの話は今後数週間以内に同僚と共同で、カンファレンスの情報や参加者たちの動向などとともに記事にまとめる予定だ。ここではその一部を一足早くお伝えしよう。
テクノロジートレンドはSFの趣き
3Dプリンティングとスマートマシン(自律的に動き、学習する機械)の台頭は、人々が考えている以上に大きな影響を企業に及ぼすだろう。例えば、誰もが何でも作れるようになったら、あるいは何でもコピーできるようになったら、著作権法はどうなるだろう? 自分の製品をどのように認証するだろう? 生体組織や臓器のようなものをコピーするようになったら、政府のどのような規制に乗り出すか? まあ、確かに今のところ3Dプリンティングの作業には苦痛が伴う。が、もう少し待て。一方、スマートマシンに関する限り、既にわれわれは「処理するコンピュータ」から「学ぶコンピュータ」への変化を目にしつつある。Gartnerは、2017年までにコンピュータの10%が“学習者”になると予測している。
過大評価されるデータプライバシー
米Googleの会長、エリック・シュミット氏は、米国の企業は米国の法律を守らなければならないことを強調したいようだ。シュミット氏はGartnerのアナリストたちとのキーノートチャットで、法的に強制されない限り、ユーザーの情報を政府に渡すことはないと繰り返した(これに対して、後日、別のパネルでRackspaceやAmazonのやり手弁護士たちから批判の声が上がった)。さらに、他のセッションでもしばしば取り上げられた議論だが、「世間に溢れ返る大量のデータはあまり役に立たない」とシュミット氏は付け加えた。確かに、自ら公開することで利益になるなら、誰がデータプライバシーを必要とするだろう? Gartnerでは、2017年までに消費者の80%はコスト削減や利便性、カスタム化のために、自分たちの個人データを収集、追跡、交換するようになると予測している。
クラウド化は続く
驚くべきことではないが(実際、混雑するエキスポ会場を歩き回ればすぐ分かる)、想像でき得るあらゆることにクラウドソリューションが提供されている。コピーデータ管理について聞いたことがあるだろうか? 筆者はなかった。もし読者もなかったとすれば、間もなく嫌というほど目にするようになるだろう。大混雑のエキスポ会場といえば、そこで筆者はMetroPCS(米無線サービスプロバイダー)のCIO、ケビン・ブロードウェイ氏と遭遇し、同氏が今クラウドで手掛けていることを聞くことができた。長い話を要約すると、“エブリシング”(全てのもの)である。近く、この話を詳しく紹介したい。
イノベーション、イノベーション、イノベーション
この太陽の下に新しいものなど何もないという人に、恐らくCIOは務まらない。では、イノベーションへの最も一般的なアプローチは何だろう? Googleのエリック・シュミット氏にとって、それはボトムアップ方式だ。覚えているだろうか。Gmailを生み出したのは、同社の有名な“20%タイム”(勤務時間の20%を自分が担当する業務以外の分野に使うことを義務付けているルール)である。
IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)のCIO、アレクサンダー・パシック氏は、もちろんそれに同意する。パシック氏は、人々をイノベーションへ導こうとして何度か失敗を重ねた後、フォーカスグループとコンサルタントのことを忘れた。そして自分の野性的本能に従い、何となくすごいアイデアを1つ2つ持っていそうな男を抜てきし、彼に1つの仕事を与えた。その男に命じたことは、“問題を1つ発見し、それを解決せよ”というものだった。そして、彼はそれを実行し、今やIEEEは大きく変ぼうしようとしている。この話についても、いずれ近いうちに詳しく紹介したい。
米TechTargetでは今後、今回のエキスポで注目された話題を取り上げる。まずは、まさにディズニーのマジカルイマジネーションともいえるイノベーションからスタートする。
- もし、タッチスクリーンがあなたに触れ返したらどうなるだろう。米Disney Labsの研究者たちは、その答えを用意している。
- スマートマシンはどのようにしてよりスマートに(賢く)なるか? 米Qualcommは先頃、ヒトの脳に見られるニューラル構造と処理メソッドを模倣したチップを製造すると発表した。
- イノベーションは必ずしも新しいものというわけではない。ときには必要とされるアイテムを進化させることでもある。元Appleエンジニアが、より優れた、そしてより魅力的な火災報知器を開発中だ。
- Ars Technicaはテクノロジー専門サイト開設15周年を記念して、テクノロジーイノベーションを先導する企業トップ15社を発表した。
- 米国経済がこれ以上混迷することがなければ、数百の米国企業がデータプライバシー問題で欧州と貿易摩擦を引き起こす可能性がある。欧州連合(EU)にとってデータプライバシーが大きな問題ではないという話を聞いたことがあるだろうか?
- 富士通は農業ビジネスに参入しようとしている。雨は必要ないが、雲(クラウド)が需要な役割を果たす。
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