SDN技術がキーになる
僕らが考える次世代Wi-Fiの理想型――大手ベンダーが語る未来とは(1/2 ページ)
未来は既に始まっている。SDN技術は、次世代Wi-Fi製品・サービスの要として急速に採用が進んでいる。その役割は増すばかりだ。
SDN(Software Defined Networking)が将来のネットワーク機器やIT運用において大きな役割を果たすことは間違いない。
SDNは2つの重要な特徴から、既にネットワーク計画に影響を与えている。その特徴の1つは、SDNではネットワークの設計方法が根本的に変わることだ。ネットワーク機器のコントロールプレーンとデータプレーンの分離により、ネットワークがアプリケーションの要求の増大に、より柔軟に、適切に、動的に対応することが可能になる。
もう1つの特徴はもっと重要かもしれない。
それは、SDNではネットワークの設定や制御の起点がレイヤー2および3からレイヤー4-7に移り、ネットワーク機能が管理コンソールでの定量的な設定ではなく、ポリシーに基づいて実現されることだ。「単にネットワークのオーバープロビジョニング(予備のキャパシティーを確保したプロビジョニング)を行い、トラフィック要求が増大してもうまく対応できるように願う」という従来の(通常、高コストな)やり方はもう通用しない。今はBYOD(私物端末の業務利用)が普及している時代だ。多くのユーザーが複数の端末を持ち、低遅延が厳しく求められるアプリケーションも含めて、基本的に全てのアプリケーションへのアクセスを要求するようになっている。
こうしたエンドユーザーのアプリケーションサービス要求の大部分は、Wi-Fiでネットワークに接続されたモバイル端末から行われる。そのため、SDNが無線LANにおいて今後果たす役割を考えることが重要だ。これは具体的には、以下に述べるような、SDNが既に現在の無線LANで果たしている役割を踏まえ、その役割が向こう数年間にどのように進化するかを見極めることになる。キーポイントは「次世代Wi-Fiでは、SDN中心の実装がどれだけ必要になるか。大掛かりなアップグレードを行うことになるか」だ。
簡単に言うと答えは「ノー」だ。無線LANに対するSDNの適用はまだ初期段階にあるが、既に多くのベンダーが長期的な視野に立って、既存の無線設備の継続稼働にほとんど支障がないような形で、この取り組みを進めている。
無線ベンダーはSDN技術をどのように使用しているか
筆者は最近、無線LAN業界の多くの幹部からSDNに関する計画について話を聞いた。その概要は以下の通り。
Aruba Networks
買収によって米Hewlett-Packard(HP)の傘下に入った米Aruba Networksにとって、 SDNはネットワークの構成と運用の簡素化に役立つ。Arubaは主にユニファイドコミュニケーション(以下、UC)の展開、特に、広く普及している米Microsoftの「Skype for Business」(旧称「Microsoft Lync Server」)のサポートという観点から、SDNに関心を持っている。Arubaのソリューションのユーザーは、Skype for Businessに付き物である時間要件の厳しいデータフローを手動で最適化しようとする代わりに、SDNのプログラマビリティを利用して、需要が高い今日の無線LANサービスが要求するネットワークの適応性と効率を実現できる。
Cisco Systems
米Cisco SystemsのSDNへの取り組みでは、「Cisco Catalyst 3850」シリーズスイッチを中心とした有線・無線の統合ネットワーキングに重点が置かれている。同社のSDNビジョン「Cisco Open Network Environment(ONE)」と次世代SDN製品「Cisco Application Centric Infrastructure(ACI)」は、3850シリーズの重要な機能であるプログラマビリティによって拡張できる(ACIは、「Cisco Nexus 9000」シリーズスイッチのプログラマビリティによる拡張も可能)。われわれは、SDN機能がCiscoの全エンタープライズ製品ラインに搭載されると予想している。企業にとって特に興味深いのは、Catalystスイッチ、「Ciscoアグリゲーションサービスルータ(ASR)」、無線LANコントローラーに対応する「Cisco Application Policy Infrastructure Controller(APIC)エンタープライズモジュール」だ。このコントローラーは、ネットワークの設定、プロビジョニング、管理を自動化して簡素化する。
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