BoxのファイルをWatsonで分析
もはや“禁制ツール”ではないクラウドストレージ、IBMとBox提携の意味は(2/2 ページ)
アナリティクスが提携の核心
「BoxのAPIは、開発者がBox内のユーザーファイルと連係するカスタムコラボレーションアプリケーションを迅速に構築できるように、Bluemixに緊密に統合される」と、IBM Analytics戦略および事業開発担当副社長を務めるインヒ・チョー・スー氏は説明する。
IBMとBoxは、開発者を支援するハブ(中核拠点)「IBM Box Hub」を共同で立ち上げ、運営に当たるという。IBM Box Hubは、各地のさまざまな開発者が両社の技術を利用した開発実務の集中教育を受け、仮想トレーニングを行える場として設計されている。
「このハブで、開発者は自社のために最大限の学習効果を得られると考えている」(スー氏)
IBMは、Appleとの提携の一環として既に提供されている30程度の業界別アプリケーションから3つを選び、それらにBoxの技術を取り入れると、スー氏は語る。同氏はそれらのアプリケーションがどれかは明らかにしなかったが、それらは3カ月以内に改訂版がリリースされるだろうとの見通しを示す。
さらにスー氏は、IBMのBoxとの提携には、米Twitterや米The Weather Companyとの最近の提携と同様に、IBMの「新たな成長軌道の構築」につなげたいという狙いがあるとしている。だが、これら3社のパートナーにも、IBMのアナリティクスソフトウェアにアクセスしたいという狙いがあるという。
「これらの企業がわれわれと組んでいるのは、われわれがアナリティクス事業を展開しており、われわれのアナリティクスソフトウェアを多様かつユニークなコンテンツに適用することで、これらの企業が顧客に付加価値を提供することが可能になるからだ」とスー氏は説明する。
「Boxとの提携では、利用パターンの分析研究を踏まえて新サービスが開発される見込みだ。この研究のポイントは、データの内容を把握することよりも、Boxプラットフォームをコラボレーションに利用する場合、その操作体系はどのようなものであるべきかを把握することにある」(同氏)
提携によってBoxユーザーが利用できるようになる機能の1つとして、Watson Analyticsの予測分析機能がある。例えば、ユーザーがBox内のスプレッドシートをWatson Analyticsにアップロードしたい場合、自動的にそのデータに予測ビューと予測モデルのレイヤーが挿入される。
「多くのユーザー向けにこのユニークなサービスが追加されるだろう」(スー氏)
IBMの製品やサービスを利用する企業の間では、IBMとBoxの提携に期待する声が上がっている。ソーシャルメディアに保存されるデータが急速に増えている中、それらにハイエンドのアナリティクスソフトウェアを適用できるからだ。
「最近では、アナリティクスを組み合わせずにソーシャル分野に取り組むことはない」と、カナダの通関業者GHY InternationalのIT担当副社長兼ソーシャルビジネス責任者、ナイジェル・フォートラーゲ氏は語る。「IT業務においては、実施しているプロジェクトや取引に関連する大量のデータを検証することが必要な時代になっている。そこでアナリティクスの出番となる」
GHYはIBM Connectionsの導入を進めている。このソーシャルコラボレーションプラットフォームには、米Microsoftの「SharePoint」と競合するドキュメント管理ツール「IBM Connections Content Manager」が含まれている。
「われわれの見方では、従来のファイル共有から、強力なバックエンドエンジンを使ってソーシャルな方法で行うファイル共有および配布に移行することが望ましい」(フォートラーゲ氏)
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