提携の成果が披露される次のタイミングはいつか
AppleとIBMは“都合のいい関係”? 「iOS提携」の今後が気になる
米IBMの「InterConnect 2015」カンファレンスおいて、Appleとの協業に関する話題は限定的だった。AppleとIBMの提携が発表されて久しいが、両社の関係と今後の行方はどうなるのだろうか。
米IBMは2015年2月22~26日(米国時間)にかけて、クラウドとモバイルを中心としたカンファレンス「InterConnect 2015」を開催した。昨今大きな注目を集めている米Appleと米IBMの協業について、より多くの成果が大々的に発表されるのでないかと期待されたが、Appleに関する話題は限定的だった。
InterConnect 2015にAppleの姿はなかった。2万1000人が参加するこのカンファレンスにおいて、IBMもパートナー戦略についてあまり多くの時間を費やさなかった。実際、モバイルOS「iOS」に関連した発表が1つあったのみで、数百あるモバイル向けセッションの中でもiOSに関するものはほんの一握りだけだった。
「IBMとAppleの協業は小規模なものではないし、InterConnect 2015も決して小さなイベントではない。これは重大なことを意味している」とITコンサルティング企業の米J. Gold Associatesでプリンシパルアナリストを務めるジャック・ゴールド氏は指摘する。
IBM Enterprise Mobileの副社長であるフィル・バカルー氏によると、同社は対象とするターゲットが異なる今後のイベントにおいて、Appleとの協業関係をアピールしていくという。
「Appleとの取り組みの多くは、事業部門がビジネス価値を高め、目標達成できるように支援することを目的としている。その幅広い成果については、事業部門を対象とした今後のイベントで披露することを計画している」(同氏)
AppleとIBMの協業の行方
IBMとAppleは2014年7月、業界に特化した100種類以上にも及ぶiOS向けエンタープライズアプリを共同開発すると発表した。IBMは、自社の直販営業チームやパートナーネットワークを通じて「iPhone」や「iPad」を再販することも計画している。これには、iOSデバイスおよびアプリの管理とセキュリティに関する新たなサービスも含まれる。
同年12月には、両社の提携に基づく「IBM MobileFirst for iOS」ソリューションの第1弾として、10種類の業種別ビジネスアプリケーションを提供開始した。現在は50社以上の顧客と試験運用を進めている、とバカルー氏は話す。InterConnect 2015では、iOSに特化したモバイル基盤「IBM MobileFirst Platform」を発表している。iOS向けのネイティブアプリ、Webアプリ、あるいは両方を組み合わせたハイブリッドアプリの開発、展開が可能になる。
バカルー氏によると、同社では規模や業種を問わず、あらゆる企業からiOS向けのアプリやサービスを求める声が高まっているという。
AppleとIBMは“都合のいい関係”?
この提携は両者にとって重要である。
「お互いを必要としている。AppleはIBMを必要としている(彼らはそれを認めないだろうが)し、IBMはそれ以上にAppleを必要としている」とゴールド氏は推察する。
Appleはコンシューマー技術を開発、販売することで世界で最も成功した企業になった。同社はIBMとの提携によって、その巨大な既存顧客に加えて、企業向けの販売戦略を強化することができる。一方で、IBMはiOS向けのアプリとデバイスを管理、展開するパートナーベンダーとなることで、企業が同社を選択する際の強力な説得材料を手に入れることができる。
「この提携によって、AppleとIBMは各社単独でこれまでリーチできなかった領域をカバーすることが可能になる。都合のいい関係だといえる」とモバイルコンサルティング企業の米Paladorの共同創業者であるベンジャミン・ロビンズ氏は語った。
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