iPhone、iPadに必要な3大ビジネス機能を紹介
「iOS」はいまだ“最強モバイルOS”ではない Appleが追加すべき機能とは?
モバイルOSの中でも、比較的多くの企業が利用しているAppleの「iOS」。だがIT部門にとって、iOSがモバイルOSの“頂点”に到達するためには、あと幾つかの機能が必要だ。
米Appleがあと幾つかIT部門のニーズに対処すれば、さらに多くのIT部門が「iOS」を採用する気になるかもしれない。
Appleは意図的に、競合他社と比べて制約が多く、より管理を強くした環境でiOSを運用している。こうした方針については、幅広い機能性を求めるIT部門との間で盛んに論議されてきた。
IT部門の多くは、もしあれば使いたいと考えるiOSのエンタープライズ機能をリストアップしている。前述のような競合の観点からみて、Appleもこうした機能リストに注意を向ける必要がある。
IT部門がiOSに望むエンタープライズ機能
IT部門がiOSを評価する際は、主に
- セキュリティ
- 完全性(Integrity)
- コスト
- 管理
という4点に着目する。さらにIT部門はモバイルOSに対し、1つのOSのバージョン間で一貫性が保たれていることを求める。一貫性があれば、サポートコストを最低限に抑える一助となり、既存のエンタープライズモバイル管理(EMM)ツールとの互換性に問題が生じる可能性は小さくなる。
業務に適したカスタマイズ性や利用可能なアプリケーションの幅広さにも、IT部門は目を向ける。iOSは、少なくともこうした条件を満たしているものの、私のコンサルティング会社にはiOSの機能強化を求める共通した要望が数多く寄せられる。こうした声を基に、IT部門が最も強く望むiOSの3つのエンタープライズ機能についてウィッシュリストをまとめた。Appleがぜひかなえてくれることを願う。
機能1: Apple製OSの一本化
iOSや「OS X」といったApple製OSの一本化が実現すれば、IT部門の仕事はずっと容易になるだろう。企業のコスト削減につながる可能性もある。Appleは、少なくとも公にはこのアイデアにあまり関心を示していない。だがiOSとOS Xは、いずれも「UNIX」から派生しており、統合は実現できるはずだ。Appleはユーザーインタフェースの機能的バリエーションさえ考慮すれば済む。ファイルやタスクなど他の内部管理動作は、既に単一OSの概念に対応しているはずだ。
iOSとOS Xが融合すれば機能の共通化が進み、Apple製端末のサポートや管理はずっと単純になる。恩恵を受けるのはIT部門にとどまらない。従業員にとってもデバイス横断的な機能性が高まり、「Siri」「iBeacon」といった便利なツールをどこででも利用できるようになる。同じくらい大切なこととして、2つよりも1つのApple製OSを管理してサポートする方がコストも掛からない。米Microsoftが「Windows 10」で同じような方向性を追求する中、Appleにも希望はあるだろうか。
機能2:真のファイルシステム
iOSのクラウド同期やストレージサービスへの依存度を低くするには、ファイルへの自由なアクセスが可能なファイルシステムが必要だ。Appleが初めてiOSをリリースして以来、私自身(そして他の多くのユーザー)も個人的に、こうしたファイルシステムがないことにいら立ちを感じていた。
クラウドサービスを使えば、この溝を埋めることができるのは確かだ。だがシステムの完全性やデータ保護に関して新たな問題も呼び込むことになる。iOSの閉ざされた性質を考えると、複数のサービスやそれらに付随するアプリ間でのデータ共有は難しい場合があるかもしれない。
端末内のファイルへ自由にアクセスできるファイルマネジャーが利用できるようにすれば、うまくいくだろうか。「Android」を含む他の主要OSは既にそうしている。iOSには多様なサードパーティーアプリも存在しているが、いずれもどこか使いにくい。
機能3:EMMの統合
サードパーティーサービスへの依存を低減できるもう1つの機能が、EMMだ。Apple自身の管理ツール「Apple Configurator」は、同社が端末管理の重要性を認識している証だといえる。だが多くの企業はApple Configuratorを使わず、代わりにサードパーティーのEMM製品に投資している。これはセキュリティと運用双方の課題を招く可能性がある。
EMMの基本機能は、本来はモバイルOSの一部でなければならない。サードパーティー製EMM製品の潜在的な弱点の悪用を防ぐために、攻撃者の手の届かない所に設けるべきだ。AppleはEMM機能の統合に前向きな姿勢を見せている。特に「iOS 7」で導入したセキュリティ機能の「Managed Open In」では、IT部門がアプリ間に“仕切り”を設けて、会社のデータの共有を制限できる。「iOS 8」では4000種以上の新しいAPIを導入し、アプリのカスタマイズ機能も強化した。
理想としては、Appleが業界標準に押される形でEMM機能を組み込む方向へ向かうことが望ましい。だがAppleが業界のプレッシャーで動いたことはこれまでほとんどなく、製品の定義については我が道を行く姿勢を貫いてきた。
他にIT部門が望むこと
iOSの企業利用向けに、Appleが改善できる点はまだたくさんある。例えば、設定確認機能を追加すれば無許可のアプリやマルウェアを検出できるだろうし、開発者はiOSソフトウェア開発環境が改善されれば歓迎するだろう。
企業は常に、投資を最大限に回収することに力を入れている。Appleがもっと分析に注目すれば、その点に対処することもできる。ユーザーがiOSをどう使っているかについてIT部門がもっと深く理解できれば、運用コスト削減と同時に生産性向上も実現できるかもしれない。
iOSが近い将来に衰退する兆しはどこにもない。AppleはiOS 8に新たなイノベーションを幾つも盛り込んだ。IT部門のニーズやAndroidとの競争圧力も、引き続きiOSを前進させるだろう。IT部門はいずれ、iOSに望んできたエンタープライズ機能の少なくとも一部は手にできるだろう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品レビュー
[ヴィーム・ソフトウェア株式会社] SCS評価制度を導入するだけで十分? 組織の防御力を高める活用方法とは -
技術文書・技術解説
[フォーティネットジャパン合同会社] AIランサムウェアに勝つ 自律型エンドポイント管理導入で確認すべき条件4つ -
技術文書・技術解説
[フォーティネットジャパン合同会社] LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント -
製品レビュー
[ネットアップ合同会社] 研究分野でAI活用が進まない? 真の成果につなげるデータ管理の在り方とは -
製品レビュー
[ヴィーム・ソフトウェア株式会社] SCS評価制度を導入するだけで十分? 組織の防御力を高める活用方法とは
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
2
デンソークリエイト、Excelからの移行も簡単に行えるプロジェクト管理ツールを発表
-
3
VMware離れの決め手は“機能”以外だった 情シス109人が選んだ新基準と死角は
-
4
IBM iのブラックボックス化を打破 資産継承と進化を実現する「IBM Bob」の実力
-
5
二極化する生成AI活用 「一部の社員しか使いこなせない」をどう解消すべきか
-
6
「Apple Watch」、読者の95%は「仕事で使える」、5%は何に不満?
-
7
「クラウドDR」4大基礎用語 クラウドバックアップやDRaaSとの違いは?
-
8
Claude Opus 5.5、GPT-6 Sol/Luna登場 情シスが迫られるモデル使い分け
-
9
高機能化が進む“タブレット型電子カルテ”は次の段階へ
-
10
なぜ情シスは評価されにくい? 読者調査で見えた「成果が見えない仕事」第1位は
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
登録セキスぺが語る「SCS評価制度」の舞台裏 星を取得すべき理由と対応のコツ
-
2
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
3
OSSでは困難 100超のサービスを持つマネーフォワードが実践した統合監視術
-
4
「改正物流効率化法対策」徹底解説 総物流費を抑制するサプライチェーン戦略
-
5
月1000枚の紙を削減 9年動けなかった組織が、業務改革のその先に得たもの
-
6
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
7
ドラマで分かる、標的型攻撃メールの被害を受ける企業と回避できる企業の分岐点
-
8
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
9
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
10
ソフトウェア開発の属人化と手戻りをどう防ぐ? 速さと品質を両立させる方法
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー