確実なコミュニケーションのために
豊島区が実現した「情報共有における脱メール」 UCが変えたワークスタイルとは(2/2 ページ)
複数手段の組み合わせで、確実なコミュニケーションを実現
メールに過度に依存していた情報共有にも変化が起こった。Lyncに備わる、プレゼンス(在席状況)の表示機能を活用し、コミュニケーションの内容によって連絡手段を使い分けるようになったと高橋氏は語る。
全職員または組織の大勢向けの連絡には、メールや掲示板を使用するのは以前と変わらない。だが、職員同士の1対1の連絡についてはメールだけではなく、インスタントメッセージ(IM)や通話も使うといったように、連絡方法を使い分けるようになったという。職員はプレゼンスを確認してから、退席や会議中の場合はIM、在席の場合は通話といった具合にコミュニケーション手段を使い分け、連絡を取りたい相手と確実にコミュニケーションが取れるようになった。
使い慣れたOutlookを新システム導入の“緩衝材”に
豊島区は、Lyncとメールクライアントの「Microsoft Outlook」を連係させ、IMや電話の着信があった際にOutlookの受信ボックスに通知メールが届くようにしている。万が一IMや電話を見逃しても、IMや通話の連絡が来ていたことをメールで確認できるようにするための工夫だ。
LyncとOutlookを連係させた理由はこれだけではない。職員は、以前からOutlookで業務関連のメールやスケジュールを確認していた。Lyncという新しいツールを導入したものの、職員が慣れているツールをそのまま生かし、根本的な働き方を変える必要がないように配慮したという。
Lyncの画面を気にしつつ、Outlookでメールチェックをしながら、さらに別の作業のためにWebブラウザの画面も確認する――。こうした状況下では、職員はコミュニケーションのためにどこを見ればいいか分からなくなる。「庁舎内では、Outlookを開いていない職員はいない。職員が使い慣れたOutlookと新しいシステムを可能な限り連係させて、従来通りOutlookさえ見ていれば仕事ができる環境にした」と高橋氏は話す。
今後について
現在、ディレクトリサービス「Active Directory」のユーザー数で約3000件ものLyncアカウントを運用している豊島区。今後は、ボトムアップ、トップダウンの2つのアプローチで活用方法を探っていきたいという。
まず、ボトムアップでのアプローチでは、2015年夏ごろに職員にヒアリングをして、Lyncをどの程度使用しているか、どういう使い方をしているか、どのような問題点があるかを探る。「良い使い方がたくさん出てくると考えられるので、それを区庁内で共有し、ボトムアップでLync活用の裾野を広げていきたい」と高橋氏は語る。
豊島区は今後、Lyncの機能のうち、あまり使われていない機能の活用を促進する考えだ。例えば、導入当初は手話対応などで活発に利用されると想定していたWeb会議機能が、現状ではなかなか使われていないという。そのため、Web会議の場を設けたり、あえて外出先から会議に参加してもらう仕組みを作ったりと、Web会議が使いやすい環境作りをしていくという。もちろんWeb会議の利用促進自体を目的化しているわけではなく、職員が働きやすいワークスタイルに変えていきたいという考えだ。
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