既存のVMware環境をどうするか
徹底比較:OpenStack vs. VMware プライベートクラウドにベストな技術は?(2/2 ページ)
OpenStack vs. VMware:プライベートクラウド用に優れているのはどちらか
OpenStackはクラウド技術として生まれたが、VMwareはデータセンター向けの仮想化スイートとして生まれた。両者は2つの異なる世代のアーキテクチャに基づいているため、直接比較するのは難しい。OpenStackの一部サービスはVMwareのものと似ているが、その数は少ない。OpenStackのプロジェクトリストを構成する30以上のモジュールのうち、VMware製品と直接比較できるものは4つしかない。すなわち「Nova」(コンピュートモジュール)、「Glance」(イメージ管理モジュール)、「Neutron」(ネットワーキングモジュール)、「Horizon」(ダッシュボードモジュール)だ。
VMwareの「VMware vCloud」戦略も、VMwareとOpenStackの比較を難しくしている。vCloudはOpenStackと競合するが、機能の範囲はOpenStackに及ばない。多くの人が、「これはVMwareが、企業における主流技術としてクラウドを受け入れるのが遅れたことを反映している。同社は巻き返しが課題となっている」と見ている。
プライベートクラウド用途でのOpenStackとVMwareの比較検討では、コストも重要なポイントになる。VMwareのESXiハイパーバイザーは無料だが、同社の他の製品はライセンス料が掛かる。今後10年間にサーバファームの急速な拡張が必要になると見込まれるため、多くのCIO(最高情報責任者)が低コストの選択肢を探している。そこで多くの企業が白羽の矢を立てているのがOpenStackだ。OpenStackではサポートコストが高くつく恐れがあるが、それはVMwareにもいえる。いずれにしても、一般的には、OpenStackを採用する方が結局は安上がりだろう。
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一方、一部の大企業は、“ホワイトボックス”と呼ばれるコモディティハードウェアを使ったコスト削減に目を向けている。こうした企業にとってもOpenStackの方が良い選択肢かもしれない。VMwareは、特定のハードウェア構成を認証してサポート対象としているからだ。それらのハードウェア構成は、ハードウェア互換性リスト(VMware Compatibility Guide)として公開されている。
OpenStackとVMwareを比較検討する上では、これら以外にも考慮すべき点がある。OpenStackはまだ3年の歴史しかなく、進化の途上にある。コア部分は安定しているが、VMwareが保証している品質基準に匹敵する成熟度はない。OpenStackの新しい機能の多くは、まだ開発の初期段階にある。だが、ここでOpenStackのモジュールアプローチが真価を発揮する。OpenStackでは、クラウドをレゴのように組み立てて作っていける。つまり、新しい要素やモジュールを時間をかけて追加していくことができ、そのプロセスは今から30年ものスパンで進めることもできそうだ。
他方、VMwareのvCloudも新しく、多くの点で他の技術よりも成熟度が低い。VMwareがOpenStackに追い付くには、多くの機能を追加する必要がある。またVMwareは、米AT&Tおよび米Terremarkと組んでハイブリッドクラウド機能の提供に乗り出したが、「VMwareは一気に完成度を上げる必要がある。市場に出遅れたからだ」との見方もある。また、vCloudでは、オンプレミスにハイパーバイザーをインストールするとともに、VMwareのパブリッククラウドを利用することになる。これは、真にオープンで特定のプロバイダーに依存しないVMwareソリューションが提供されるのは、遠い先であることを意味する。
VMwareは最近、独自のOpenStackディストリビューション「VMware Integrated OpenStack」をリリースした。vCenterおよびvSphere環境でOpenStackをサポートするこのソフトウェアは、2015年3月に提供が開始された。このアプローチの有効性を判断するのは時期尚早だが、このディストリビューションでは間接レイヤーが加わるため、パフォーマンスに影響が出る恐れがある。また、このレイヤーのせいで複雑である他、高価なライセンスが依然として必要だ。
OpenStackは企業で導入が進んでおり、導入企業にはVMwareを長年使ってきた企業も含まれる。多くの企業がOpenStackを使い始めており、VMwareの方が優れた選択肢だとはもはや言い切れない。
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