仮想デスクトップに活路
政府も企業も悩むモバイルとセキュリティ 解決策は?
米国共通役務庁(GSA)はIT運用の再編成を行い、米国各地に分散していたGSAのIT業務を一元管理するとともに、1万4000台のデスクトップPCの多くをVMwareのVDI環境に移行したという。
政府機関のIT部門の中には、全てのIT部門と同じジレンマを抱えているところがある。具体的には、セキュリティと自由を確保しながら、モバイルユーザーをサポートする柔軟性を提供するという課題だ。
米国政府機関のIT部門は、セキュリティのバランスを取りながらエンドユーザーに選択肢を与えるという難題に直面している。そして、多くのIT部門が両者を実現するために使用しているのが仮想デスクトップインフラ(VDI)だ。
政府機関のIT部門は、一般的に企業が対応する必要のない非常に多くの規制とコンプライアンスの制約に直面している。エンドユーザーが求めているのは、どこにいても、自分が選んだデバイスで仕事を行える柔軟性だ。それは勤務先が政府機関でも中小企業でも変わらない。
複数の政府機関のIT部門によれば、エンドユーザーのモバイル活用やニーズに対応することに関しては、米サンフランシスコで2015年8月30日から9月5日に開催された「VMworld 2015」のセッションで多数の総合的な成功事例を確認できたという。
米国エネルギー省の情報部でチーフアーキテクトとオペレーションプログラムマネジャーを兼任するアクラム・アル・マダラル氏は次のように話す。「米国エネルギー省の情報部は、3年前に“”アプリケーションの合理化”への取り組みを通じてエンドユーザーにより多くの手段を提供するプロセスを始めた。アプリケーションの合理化では、包括的なインベントリによってネットワーク上で使用中のアプリケーションを特定している」
「情報部では、ユーザーが好きなアプリケーションを調査し、他のアプリよりコストが高いアプリについて考察した。そのためには、IT部門の意思決定者と事業部門の責任者に集まってもらう必要があった」(マダラル氏)
情報部は米国全土に多数の研究所を抱えている。アル・マダラル氏にとっての課題は、各研究所がテクノロジーに関して独自のやり方を望んでいることだ。情報部は米VMwareの「VMware Horizon View」をゼロクライアントの仮想デスクトップインフラ(VDI)として使用している。また、VDIのワークロードには米NetAppと米Atlantis Computingのストレージを使用している。
VDIのセキュリティ
VDIなどの仮想化ソフトウェアも、ある機関で情報漏えいの問題を阻止する一助となっている。そう述べるのは米Imperatisのサイバーソリューショングループでチーフアーキテクトを務めるクリス・オスターガード氏だ。Imperatisは米バージニア州のアーリントンに拠点を置き、米軍や民間機関にITサービスを提供している。
Imperatisは最近ある政府機関に手を差し伸べた。オスターガード氏は、その政府機関を明示することは避けたが、その政府機関は何度か情報漏えいの被害に遭っており、その結果としてITインフラを変更した。そして、VMwareのテクノロジー製品を大量に購入した。Horizon ViewをVDIに使用し、「VMware NSX」を仮想ネットワークに、「VMware vSphere」をサーバ仮想化にそれぞれ使用している。
この変更により、エンドユーザーから見えるデータとデータセンターに存在するデータをある程度分離でき、重要な情報をエンドユーザーのデバイスから遠ざけることが可能になった。
「この形ならユーザーの居場所やアクセス手段は問題にならない。ユーザーのPCはインフラ内部にある仮想デスクトップから分離される」とオスターガード氏は語る。
その一方で、最近、米国共通役務庁(GSA)はIT運用の再編成を行い、米国各地に分散していたGSAのIT業務を一元管理することにした。GSAでモバイルテクノロジー部門の支部長を務めるロベルト・ロサレス氏によると、この再編成の一環として、GSAで使用している1万4000台のデスクトップPCの多くをVMwareのVDI環境に移行したという。
「My View」という任意参加のプログラムを通じて、GSAのユーザーは自分のノートPC上でVDIを導入し、VDIが好きかどうかを確認できるとロサレス氏は述べる。
「当庁ではこのような体制を取っており、新しいテクノロジーを導入したから使うようにと命じるようなことはしていない。この方法はユーザーコミュニティーからの反応が良いようだ」(ロサレス氏)
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