ネットワーク、ストレージ、そしてセキュリティ
「IoTの世界へようこそ」なんて言っていられない現実的な課題とは(2/2 ページ)
IoTはストレージを限界まで追い込む
データセンターがIoTに対応できるようになったら、次はデスクトップユーザーが既に占有しているストレージ領域に加え、デバイスが生成する位置、方向、利用率などの全ての情報をどのように格納するかを検討することになる。
IoTの利点(あるいは見方によっては欠点)の1つは、コールホーム(※)サポートである。これにより製品の利用に関してストレージベンダーと親密な関係が維持される。コールホームサポートのプラス面は、ベンダーがユーザーのストレージプラットフォームで発生した事象を全て把握できるため、ベンダー側からより先を見越したサポートが可能になることである。
※ハードウェアに発生した障害を自動的にベンダーに知らせる仕組み
例えば、ストレージが不足しそうだと予想できたときは、直ちにベンダーの営業担当者が飛んで来て、事前にその旨を警告し、ストレージの増量を提案してくれるだろう。ベンダーはまた、ストレージの情報を他のユーザー企業と比較して、パフォーマンスを評価し、改善点を提案してくれるかもしれない。さらに、コールホームサポートを通して、さまざまなOEMパーツがどの程度の性能を発揮しているかを詳しく調べることもできる。
一部には、ベンダーがコールホームサポートを通して、ユーザーの社内を隅から隅まで監視してしまうことに懸念を示す声もある。しかし通常、ベンダーが知ることのできる情報はファイル単位できめ細かく指定することが可能だ。
IoTの世界のセキュリティ
結局のところ、IoTに関する現実的な問題はセキュリティだ。その他のもの(ストレージ、データセンターの再構築など)は、IoTデバイスの安全性が確保できなければ、ほとんど無意味である。
IoTを機能させるため、セキュリティについては全体的アプローチを取らなければならない。それは、転送の暗号化やWebインタフェースの強化、認証、ソフトウェアの保護など、デスクトップやノートPC、スマートフォンに適用されるものにとどまらず、フォークリフト、自動車、乳牛(そう、家畜もまたIoTの一部になるはずだ)に至るまで、あらゆるセキュリティ対策に総合的に取り組むことを意味する。IoTでは、あらゆるものがネットワークに入るためのドアとなるため、攻撃を受ける可能性がある表面も広大だ。ネットワークに接続する膨大な数のデバイスは、さまざまなマルウェアやDDoS攻撃の標的となる。IoTデータはまた、人々の日常的な行動も追跡できるため、誰のコンピュータが脆弱(ぜいじゃく)か、あるいは店舗はいつ無人になるかといったことなどをハッカーが容易に割り出すことを可能にする。
もっとも、暗い話ばかりではない。まず、IoT向けのセキュリティ戦略を一から構築する必要はない。既存のセキュリティ対策、特にBYOD戦略を用いてIoTセキュリティのフレームワークを構築することができる。例えば、既存のパスワードやパッチ適用、監視システムは、IoTにスムーズに移行できるだろう。また、ネットワークのセグメンテーションやアクセス制御ポリシーを変更し、VPNを強化して、IoTデバイスからのデータ量の増大によってリモートワーカーが接続問題に悩むことがないようにしなければならない。
これら全てのIoT対策とともに、特定のデバイスから得るデータが果たしてそのリスクや困難に見合う価値があるかどうかを評価することこそ、恐らく最も重要だろう。そのデバイスが作業効率を改善し、従業員の仕事をしやすくするのであれば、IoTは挑戦する価値がある。もしそうでなければ、わざわざ自分の会社に難題と危険を呼び込むことはないだろう。
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