情シス主導が成功要因
Excelからの脱却 シダックスがメニュー管理システムを「kintone」へ、その効果は?(2/2 ページ)
そうした中で、同社のニーズを満たすソリューションとして有力候補に挙がったのがサイボウズのビジネスアプリ作成プラットフォーム「kintone」だった。「以前から社内のグループウェアとして『サイボウズ ガルーン』を活用していたこともあり、kintoneにも注目していた。kintoneは30日間無料でお試し利用ができるので、実際にExcelで行っていたメニュー管理を再現できるかどうかを検証し、これがベストプラクティスであると考えた」と、シダックス 情報システム開発部 開発課の古園井 保明氏はkintoneを採用決定した経緯を話す。伊達氏もkintoneの採用に当たって、「当社では、“ITは経営の武器になる”という意識が強く、社長からも単にパッケージソフトを入れるのではなく、他には真似できない日本一のシステムを目指せと檄(げき)を飛ばされていた。kintoneであれば、この期待に応えられると判断した」と述べている。
kintoneによるメニュー管理システムの開発がスタートしたのは2014年春頃。まずは、Excel時代のメニュー管理画面を再現したプロット画面を作成し、メニュー開発チームとの打ち合わせを繰り返しながら、約3カ月間をかけて要件定義を固めていったという。シダックス 情報システム開発部 開発課の河合 都志子氏は、「メニュー開発チームからは、最初のプロット画面の段階でExcelに比べて画面が美しくなり、見やすくなったと高い評価を得ることができた。そして、実際にシステムを使う立場からさまざまな要望を出してもらい、プロットに反映させながら要件定義に落とし込んでいった。特に、帳票をもっと詳細に作り込んでほしいというニーズに応え、帳票機能については日本オプロの帳票クラウドサービス『OPROARTS』を採用することにした」と話し、情シス部門とユーザー部門が密に連係して開発に当たったことを強調した。
一方、伊達氏は、「kintoneはユーザー部門主導で開発することもできるが、今回は情シス部門が中心となり、通常の開発プロセスで要件定義をまとめていった。属人化したシステム開発を行うと、開発担当者が異動したり辞めたりしたときにシステム自体がブラックボックス化してしまう恐れがある。そうならないためにも要件定義を標準化し、将来的に全社展開もできるようなシステムとして開発を進めた」と、情シス部門が主導で開発を行うことの重要性を指摘している。
kintoneで開発したメニュー管理システムの導入後は、Excel時代に比べて業務効率が大幅に向上したという。大山氏は導入効果についてこう語る。「管理画面が見やすくなり、メニューの情報や画像が登録しやすくなったことに加えて、検索機能がとても使いやすくなった。メニュー名だけでなく、食材や作り方などで素早く検索することも可能になったので、同じ食材を使っているメニューを検索して食材を有効活用したり、過去のメニューを検索してレシピや作り方を見直して再提供するといったことも容易に行えるようになった」。
「また、今までは各店舗に配布するメニューシートにアレルギー物質を記載していたが、kintoneの導入を機にWebサイトへと集約した。アレルギー物質の情報をメニュー開発チームが一元管理することで、店舗側がアレルギー問題の責任を負うリスクを軽減している。各店舗からアレルギー物質に関する問い合わせがあった場合にも、検索機能が向上したことによってメニュー情報を見ながらリアルタイムに対応できるようになった。さらに今回のシステムでは、食材1つ1つに付属している商品規格書も一元管理しており、食材レベルでのリスク管理もさらに強化している」(大山氏)。メニュー管理の効率化だけでなく、食の安全性の面からもkintoneの導入効果は大きかったという。
今後の展開について大山氏は、「現在は、私が主にメニュー管理システムを活用しているが、これからはメニュー開発チームの誰もが便利に使えるよう、さらに操作性を向上していきたい。将来的には、各店舗にタブレット端末を導入して画面から各メニューの情報を確認できる環境を実現したい」としている。
また、伊達氏は、「カラオケ店舗のメニュー管理システムだけにとどまらず、当社が展開するさまざまなビジネスシーンでkintoneを応用していくことも考えている。今回のレストランカラオケ事業での導入事例をベースにして、給食事業など各事業での潜在ニーズを掘り起こしていく」と、シダックスの事業全体でkintoneの活用範囲をさらに広げていく考えを示した。
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