2015年クラウド業界10大ニュース【前編】
クラウド業界の大型買収や統廃合を振り返る、あのサービスはどうなった?(2/3 ページ)
OracleがAWSに対抗してIaaS戦略を刷新
米Oracleは10月、エンタープライズ基幹アプリ用クラウドインフラプロバイダーの地位を確保すべく、新しいクラウド機能一式を発表した。そこにはAWSに対抗する機能も含まれている。
この新しいOracleの「IaaS」(Infrastructure as a Servics)には、ファイルストレージ、アーカイブストレージ、「SDN」(Software-Defined Networking)、「CaaS」(Containers as a Service)、エラスティックコンピュート(Elastic Compute)などがある。Oracleはこの約4カ月前、IaaSと「PaaS」(Platform as a Service)のクラウドサービスを新たに20種類以上追加することを発表していた。OracleのCTO兼取締役会経営執行役会長のラリー・エリソン氏によると、刷新されたOracleのIaaS戦略は、あらゆる階層のクラウドで戦う競争力を獲得し、AWSなどの競争相手に対抗するものだという。
そのためには山のような仕事が待ち受けているが、Oracleの強みはエンタープライズ市場での多数のインストールベースであり、Oracleのデータベースとアプリケーションを実行可能な、さらに堅牢性の高いOracleのIaaSプラットフォームを待ち望んでいる企業もある。Moor Insights and Strategyのワイルダー氏はこう話す。
「Oracleには非常に多くの企業顧客がおり、中にはアプリも何もかもOracle製という忠実なOracle支持者がいる。そしてそういう顧客がクラウドの推進を強く迫っている」(ワイルダー氏)
だが、AmazonはAWSにOracleアプリを移行して展開するサービスを提供しており、OracleがAmazonと対抗するのは難しそうだ。そう話すのは、Creative Solutionsのウィオーラ氏だ。
「Oracleは官公庁など一部の分野で成功するだろうが、かなりの努力を要するだろう」(ウィオーラ氏)
Rackspaceがパブリッククラウドからマネージドクラウドへ戦略を転換
米Rackspaceの2015年は、前年の苦難に続き、順風満帆とはいかない1年だった。
同社は2014年秋に身売り交渉を打ち切り、ハイパースケールクラウド市場を実質的にAmaoznやMicrosoft、Googleに明け渡した。それからは「Fanatical Support」を中心とする戦略に切り替え、2015年は事業転換に専念した。
マネージドサービスへの転換によって多くの新製品や新しいパートナーシップを進めてきたが、ウォール街の反応は良くなかった。Rackspaceの株価は5月の半値近くまで下がり、2015年の第1~第3の各四半期は対前年比収益成長率が減速した。
だが、Rackspaceは顧客の多様なクラウド環境の管理によって市場で勝ち残れると楽観している。そう話すのは米IDCのプログラム担当副社長、ロバート・マホウォルド氏だ。顧客がAWSを選ぶとしても、Rackspaceはコロケーションや専用プライベートクラウド、それにマルチクラウドの移行と管理を提供できる。
「規模の大きな顧客はプロバイダーの多様性を重視し、ロケーションやリソースの専用性を望み、包括的なマルチクラウド戦略を必要とする。Rackspaceは選択肢の1つとしてのクラウドマネジャーと受け入れられるだろう」(マホウォルド氏)
そこでRackspaceは2015年、「Microsoft Office 365」と「Google Apps for Work」の既存のサポートに加えて、AWSとAzureのマネージド版を提供した。また、パブリッククラウドを完全に放棄したわけではなく、プライベートクラウドサービスと新しいサーバレス開発コンテナ環境「Carina」の他に、OpenStackベースのパブリッククラウドも引き続き提供していく。
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2015年クラウド業界10大ニュース
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