4G LTEなら大丈夫といえるか
こんな時だからこそ気になる携帯電話のセキュリティ、安全性を高めるには?
4G LTEネットワークの進歩により、携帯電話でのデータ転送のセキュリティは強化されている。とはいえ、セキュリティは依然としてネットワークによって大きく異なるのが実情だ。
Wi-Fiのセキュリティについては多くの情報が耳に入ってくる。だが、知りたいのは携帯電話でのデータ伝送の安全性だ。3G/4G携帯通信事業者はどのようにセキュリティを実装しているのだろうか。
携帯電話テクノロジーは、音声とデータのトラフィックを保護するセキュリティ対策と共に長い年月をかけて進化してきた。第2世代(2G)GSM方式の暗号化はとうの昔に破られている。だが3GのUMTSとHSPAのテクノロジーは飛躍的に改善し、4G LTEではさらなる進化を遂げている。
GSMでSIMカードが導入されたことで、携帯電話事業者はユーザーデバイスを認証して、不正な電話を阻止できるようになった。また、無線で伝送されるユーザーの音声やデータを保護するA5/1暗号化もオプションとしてサポートされた。A5/1暗号化技術は、盗聴者がGSMトラフィックを使用してユーザーの位置を追跡するのを防ぐために設計されたものだ。残念ながら、GSMの暗号化されたトラフィックでさえ、エリック・ブロッサム氏が始めた「GnuRadio」やフランク・A・スティーブンソン氏が開発した「Kraken」のようなツールを使うことで記録および解読することが可能だった。
GSMは3Gテクノロジーの先駆けである。GSMの弱点を修正し、携帯電話のデータセキュリティに改良を加えることで強化されたのが3Gテクノロジーだ。詳しく説明しよう。3GPPセキュリティ標準では、相互認証を強化するためにユニバーサルSIMカードと認証および鍵共有(AKA)プロトコルを採用した。それにより、利用者は信頼できる安全な携帯電話ネットワークに確実に接続できるようになった。さらに3GPPでは信号メッセージに強制完全性保護を追加することで接続の乗っ取りを阻止している。無線経由で送られる信号やユーザーメッセージの傍受を防ぐために、新しい暗号化アルゴリズム「f8」やさらに長い鍵も導入されている。
3GPP TS 33.401標準で規定の通り、4G LTE方式による携帯電話のデータ伝送セキュリティは更に進化している。LTEでは、UICC(ユニバーサルICカード:Universal Integrated Circuit Card)による証明が追加された。このUICCは、鍵やIMSI(移動加入者識別コード:International Mobile Subscriber Identity)といった機密情報を保存するハードウェアストレージになる。また、LTEでは機密性と完全性を保護するための相互認証と鍵の生成にAKAが使用されており、LTE全体を通してさまざまなレベルで機密を保護し、完全性を確保できるようになっている。例えば、現在、LTEでは無線暗号化に「AES」「SNOW 3G」「ZUC」という3つのアルゴリズムを使用している。それに加え、通信事業者のネットワークにあるノード間でLTEのバックホールトラフィックが伝送されるときには、IPsecトンネルを使用して機密性を保護することもできる。
LTEでさえ、ユーザーデータの機密性は依然として通信事業者の手中にある。また、携帯電話側でLTEを強く要求していなければ、再ネゴシエーション攻撃によって暗号化のレベルをLTEからGSMに下げることができる。4G携帯電話データ伝送に関するセキュリティプロトコルの技術的な詳細情報については、米国のNIST(アメリカ国立標準技術研究所:National Institute of Standards and Technology)の「LTE Security - How Good Is It?」(LTEセキュリティはどれほど優れているのか)で確認していただきたい。
結局のところ、ネットワークの利用者は携帯電話のデータセキュリティをほとんど制御できない。とはいえ、どの世代の携帯電話テクノロジーを使用するかについては、ある程度自分で決められる。古いスマートフォンをLTE機能を搭載した新しいスマートフォンと交換することが、携帯電話のデータセキュリティを強化する最初の一歩となるだろう。だが、無線暗号化のような極めて重大なセキュリティ対策のレベルがダウングレードされたり、そうした対策が施されていない場合があることには注意が必要だ。ローミングを利用する際は特に留意されたい。そのため、携帯電話ネットワーク経由で機密データを伝送するときには、HTTPSやVPNのようなエンドツーエンドのセキュリティ方式を必ず追加することお勧めする。
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