「Office 2016」の解体新書(2)
大容量ファイルの送付が可能に、「Outlook 2016」の新機能はビジネスで使える?(2/2 ページ)
Outlookのアドインと操作アシスト
Outlook 2013とOWAで使用できた拡張機能「Outlookアドイン」(旧Outlook用アプリ)は、Outlook 2016でも使用可能です。Outlook 2016のリボン(メニュー)一覧にある「ストア」をクリックすると、100種以上の有償/無償のアドインが提供されていることが確認できます。一例を挙げると、英語のメールを翻訳する「Email Translator」やメールの送信者や受信者、情報経路などの情報を含むヘッダ情報を参照できる「Message Header Analyzer」などがあります。エンドユーザーは、自由にこのようなアドオンをOutlook 2016に追加することができます。
図4ではEmail Translatorのアドインを入れて英語のメールを日本語に翻訳しています。また、Outlook 2016から直接ストアに接続してアドインを購入するためのリボンが追加されています。
グループ機能が利用可能に
Outlook 2016の「グループ」機能は、エンドユーザーが自ら作成したグループのメンバー間でコミュニケーションができる機能です。グループ内で使用できる主要な機能は次の4つです。
- スレッド形式の会話機能
- スケジュール機能
- メンバー管理
- OneDriveを使ったファイル共有機能
このグループ機能は以前、OutlookのWebアプリケーション版である「Outlook on the Web」(旧Outlook Web App)でのみ使用できましたが、Outlook 2016でも使用できるようになりました。
Outlook 2016は基本的に、グループ内での会話をスレッド方式で表示し、会話を蓄積します。エンドユーザーがグループメンバーを追加すると、その追加メンバーのナビゲーションウィンドウにグループが表示されます。グループに参加したエンドユーザーは、蓄積された過去の会話にアクセスできるので、途中からのグループ参加でも話の流れを追うことができます。
さらにグループごとにスケジュール表を作成することも可能です。それに伴いプロジェクトごとのスケジュール管理が便利になります。スケジュールはグループの誰もがアクセス可能で、更新もできます。
グループ機能は、使いこなせば、エンドユーザーにとって非常に便利な機能だといえるのではないでしょうか。しかしながら、Office 365を企業で使用するに当たってガバナンスを保つのが困難な場合があります。なぜならエンドユーザーが主体的にグループを作成できるので、IT管理者の知らないうちにとんでもない数のグループが作成される可能性があるからです。そのようなことから、このグループ機能を制限している企業も少なくはありません。グループ機能を停止するにはコマンドライン方式のスクリプト実行環境「Windows PowerShell」を使用する必要があります。
低優先メール
Outlook 2016に加えてOffice 365のサブスクリプション版を契約している企業だけが利用できる機能に、Office 365の機能である「Clutter機能(低優先メール)」があります。
低優先メールは、受信したメールを自動でフィルタリングし、エンドユーザーが重要なメールを見つけやすくする機能です。実際のフィルタリング処理はOffice 365が担い、下記の情報などを基に重要度が低いと判断したメールを「低優先メールフォルダ」へ移動します。
- 送信者のメールアドレス
- 受信者のメールアドレス
- 重要度(Outlookでは個別のメールに重要度を設定可能)
Outlook 2013でも低優先メールを使用できましたが、Outlook 2016では使い勝手の向上がなされています。例えば、この機能を使用するにはOffice 365を管理する「Office 365ポータルサイト」からOutlook on the Webを起動して、「設定」から低優先メールの機能をオンにする必要がありました。Outlook 2016では、Outlook 2016の低優先メールフォルダを右クリックして、「低優先メールの管理」をクリックすることで低優先メールの設定画面にアクセスでき、機能を有効にすることができます。
この低優先メール機能は、フィルタリング条件をOffice 365に搭載されている機械学習エンジンが自動的に学習し、メールをフィルタリングします。しかし、メールの重要度を正確に判断させるには、Office 365にフィルタリング条件を学習させる必要があり、これには数日かかる場合があります。このフィルタリング条件を手動で指定することで、Office 365に早く学習させることもできます。具体的な操作は、重要度の低いメールを受信トレイよりそのメールを選択し「低優先メールへ移動」を選択するだけです。
自動学習によって間違って必要なメールが低優先メールにフィルタリングされた場合、低優先メールフォルダから特定のメールを選択して「受信トレイへ移動」を選択すれば、間違いを自動的に学習します。これは、Outlook 2016から追加された機能です。
今回はOutlook 2016に着目して、新機能を中心に解説しました。他にも紹介しきれなかった機能は多数あります。機能によっては使用後に無効化することもできるので、まずはさまざまな機能を試してみてはいかがでしょうか。次回はOutlook以外のアプリケーションの新機能と、アプリケーション間の連係について解説します。
執筆者紹介
阿部直樹(あべ なおき)
三井物産セキュアディレクションに所属し、セキュリティコンサルタントとして活動。元マイクロソフト認定トレーナーで、 トレーナーアワード(2010年)およびMicrosoft MVP - Cloud and Datacenter Management(2010年4月~2016年3月)6年連続受賞。個人ブログ『MCTの憂鬱』でMicrosoft関連情報を発信中。
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