企業向けに複数あるアップグレード方式
「Windows 10」の複雑な更新プロセス、悩めるユーザーはどのようにアップグレードすべき?(2/2 ページ)
Windows 10の「ブランチ」とは
Windows 10の更新におけるブランチの1つであるWindows Insider Programは、Windows Insider Program参加者が、Windows 10の開発中の新機能をプレビューとしていち早く入手できる。企業の観点から見ると、このブランチはWindows 10の最新機能がどのようなものになるかを調べ、アップグレードの展開を計画しようとするIT管理者向けの設計になっている。
Microsoftは他の3つのブランチについては、それぞれ特定の端末タイプを想定して設計した。CBでは、インターネットに接続され、Windows Updateが有効にされているWindows 10端末用だ。アップグレードがリリースと同時に自動的に提供され、インストールされる。このブランチはコンシューマー端末向けで、ユーザーはアップグレードが適用されるタイミングを選択できない。
CBBは、企業端末に適している。コンピュータにこのブランチを設定すれば、IT管理者はアップグレードの適用を少なくとも4カ月延期できる。また、「Windows Server Update Services(WSUS)」や「System Center Configuration Manager」といったツールでWindowsの更新処理を管理している企業では、さらに8カ月延期できる。この間、アップグレードが適用されていないコンピュータで引き続き月例の更新プログラムを使用することが可能だ。こうした延期によって企業は、アップグレードをテストし、自社のアプリケーションとWindows 10の新機能の互換性を確認する猶予期間ができる。また、Microsoftもこうした延期によって、もしアップグレードにバグが残っていても、多くの企業でアップグレードが導入される前に、修正に取り組める。
このように猶予期間を利用できるのは望ましいが、テストを経て互換性がないことが判明した場合に、IT管理者はどうすればよいのかについて、Microsoftは情報を提供していない。遅くともリリース後12カ月以内にアップデートを導入しなければ、Microsoftのサポートが受けられなくなってしまう。CBBは、「Windows 10 Pro」「Windows 10 Enterprise」「Windows 10 Education」のエディションで利用できる。
LTSBは、緊急治療室などの特殊なシステムを対象としている。このブランチは、新機能を受け付けないエディションのWindows 10である「Windows 10 Enterprise LTSB」で提供される。Windows 10 Enterprise LTSBは、Windows 10の他のエディションとは異なり、アップグレードは9~18カ月以内に適応する必要がある。一方、更新プログラムは、10年間のアップデート猶予がある。セキュリティ更新のプログラムは、更新プログラムより頻繁に更新される。これらの更新プログラムの提供を受けるために、アップグレードを継続的にインストールする必要はない。なお、Windows 10 Enterprise LTSBはボリュームライセンス契約で提供される。Windows 10 Enterprise LTSBに更新プログラムを適用して最新に保つには、WSUSを利用する必要がある。
Windows 10の更新における「リング」とは
Windows 10の更新における「リング」は、Windows Insider Programブランチの対象となるコンピュータのグループを表す。Insider Program参加者は、開発中のビルドを早いタイミングで入手する「ファストリング」と、遅いタイミングで入手する「スローリング」のいずれかを選べる。Insider Programで提供されるビルドは十分にテストされておらず、一般的に、広く公開できる準備が整っていない。スローリングと比較して、ファストリングで提供されるビルドの方が、テストが不十分で、バグが多い傾向がある。いずれにしても、どちらのビルドも不具合が起こりやすいので、ユーザーに配布すべきではない。
「Windows Update for Business」と「バンド」とは
「Windows Update for Business(WUB)」は、IT管理者がWindows 10の更新方法の制御に利用できるクラウドベースのWindows 10サービスだ。「バンド」はWUBの設定に使用される。WUBは、利用できる帯域幅が限られている端末をサポートするためのピアツーピア配信などの機能を提供し、System Center Configuration Managerなどの類似ツールと統合されている。IT管理者はバンドを利用して、Windows 10のアップグレードや更新プログラムをどの端末がいつ受け取るかを選択できる。メンテナンス期間を設けてアップグレードや更新プログラムをユーザーに配布することが可能だ。
実のところ、MicrosoftはWUBにおけるバンドについてあまり情報を明らかにしていない。バンドの具体的な仕組みや提供時期はまだ不明だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
4
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
5
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
6
「Salesforceのテスト自動化ツール」に関するアンケート
-
7
IT製品の導入に関するアンケート「サーバ&ストレージ」編
-
8
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
9
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
10
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー