リモートデスクトップソフトが両者を仲介
茗台中学校が「iPad Air」×「Windows端末」でかなえた“電子黒板に振り回されない授業”とは?(2/3 ページ)
操作性と安定性がリモートデスクトップソフト選定の決め手に
茗台中学校が選定したリモートデスクトップソフトウェアは、スプラッシュトップの「Splashtop Business」(以下、Splashtop)だ。戸部校長はSplashtopを選択した理由として、「直感的に利用できるほど操作性に優れている。システムの安定性が高く、容量の大きな動画を利用した授業でも、途中で中断してしまう恐れが少ない」と語る。画面転送のフレームレートは、無線LAN経由でリモート操作する場合、平均30fps(1秒間に再生するフレーム数)。教育機関で利用が多い動画もストレスなく再生できる。
加えて、QRコードを利用した画面転送を可能にするスプラッシュトップの「Classroom」も導入。電子黒板にQRコードを表示し、生徒のWindowsタブレットでそのQRコードを撮影することで、電子黒板の画像を生徒側のタブレットへ簡単に一斉配信できる環境を整備した。さらに同社の「Mirroring360」も導入して、教員用iPad Airの画面を生徒のWindowsタブレットへ無線経由で転送できるようにした(表)。
| 種類 | 内訳 |
|---|---|
| クライアント端末 | ・Windows 8.1タブレット(キーボード分離型): 110台 ・iPad Air(32GBモデル): 10台(教員用) ・MacBook Pro(iPad管理用): 1台 |
| セットトップボックス | ・Apple TV: 6台 |
| アプリケーション/システム | ・Splashtop Business ・Classroom ・Mirroring360 ・Microsoft Office ・ジャストジャンプ5 /R.2(学習・授業支援アプリケーション) |
| インフラ | ・無線LAN(アクセス可能教室数22室) |
こうした仕組みにより、教員は教室内を歩き回りながら、手元のiPad Airを使って電子黒板の画面を操作できるようになった。戸部校長は「教室内を自由に歩けることで、実際に生徒が黒板を見ている視点に合わせて電子黒板を操作できる」と、そのメリットを語る。写真や動画の見せ方を工夫する余裕が生まれるといった副次的な効果もあったという。
WindowsをiPad Airでリモート操作 実際の授業とは
タブレットとリモートデスクトップソフトウェアを使った授業とはどのようなものか。茗台中学校が2015年12月開催の研究発表会で披露した授業の様子を紹介しよう。
北米の農業をテーマにした中学1年の教科「社会」の授業では、米国内陸部で見られる「センターピボット」というかんがい農法について、実際の様子をオンライン地図サービス「Googleマップ」の航空写真を用いて確認した(写真2)。電子黒板には、接続しているWindowsノートPCで開いたGoogleマップの画面を表示。教員は手元のiPad Airで同じ画面を見ながら、スムーズに地図を拡大・縮小していた。
一方、中学3年の教科「音楽」の授業では、「歌詞のイメージ作り」をテーマに協働学習(生徒同士で教え合い、学び合う学習法)を実施した。生徒は3人で1台のWindowsタブレットを共有。プレゼンテーションソフトウェア「Microsoft PowerPoint」を使い、歌詞に合う画像を付けていった。歌詞のイメージを画像で捉えることで、より豊かな表現力を育成するのが目的だ。
授業では協働作業に取り組む前に、歌詞の中で特に注意すべき言葉について教員が生徒に個別に説明する場面もあった。茗台中学校の音楽室は広いものの、教員は電子黒板の操作に張り付くことなく、iPad Airを片手に生徒の近くまで移動して話しかけていた(写真3)。
Classroomの機能を生かし、教員が操作するiPad Airと同じ画面を生徒側のWindowsタブレットに一斉配信する様子も披露した。iPad Airに表示した歌詞カードの中で注意すべき言葉に教員がアンダーラインを書き込むと、その内容が生徒側のWindowsタブレットにもリアルタイムに反映された(写真4)。もちろん、教室前方の電子黒板にも同じ画面が表示された。
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