リモートデスクトップソフトが両者を仲介
茗台中学校が「iPad Air」×「Windows端末」でかなえた“電子黒板に振り回されない授業”とは?(3/3 ページ)
約2年の実証研究で見えてきた成果と今後の課題
茗台中学校は実証研究の前後に、タブレット導入の効果に関するアンケート調査を、生徒を対象に実施した。その結果によれば、タブレットの導入前後で最も大きな差が現れたのは、「自分の考えを発表することができるかどうか」という質問だったという。タブレット導入後の場合、この質問に「そう思う」または「どちらかといえばそう思う」と答えた生徒は全体の70%に上り、タブレット導入前の57%から13ポイント増加した。調べた内容をまとめて発表しやすかったり、発表する場面自体が増えたりしたことが、肯定的な回答が増加した要因ではないかと茗台中学校は分析する。
一方で、タブレット活用において生徒が感じる不安も明らかになった。「タブレットの起動や準備に時間がかかること」「作成したデータが壊れたり消えたりすること」「自分のデータの保存先が分からなくなってしまうこと」「機器のトラブルで時間の無駄が生じること」といった回答が多かったという。これを踏まえて茗台中学校は、「生徒の機器に対する操作のスキル向上」「機器の不具合に対する準備」「安定したネットワーク環境の構築」を今後の課題に挙げる。
戸部校長は、茗台中学校の全教員がほぼ全ての教科でタブレットの活用や研究に取り組んだことを評価した。「教員全員がITを活用することで、教科を超えた教員同士の教え合いや助け合いが多く見られ、学校全体の力や意識が高まった」と語る。今後については、「『何を教えるか』も重要だが、『どのように学ばせるか』に焦点を当てて研究を進めていきたい」と強調する。
茗台中学校の実証研究は2016年3月末で終わるものの、同校は今後もSplashtopをはじめとする既存システムを継続的に利用し、IT活用を積極的に進めるという。実証研究期間で得た手応えや成果を基に、今後も授業の狙いを具現化する手段として、ITの活用を発展させる考えだ。
執筆者紹介
神谷加代(かみや かよ)
教育ITライター。「教育×IT」をキーワードに教育機関で進むタブレット導入事例やIT活用、子ども向けプログラミング教育、EdTech関連の話題などを、Webメディア、書籍、雑誌などで執筆。著書に『iPad教育活用 7つの秘訣』(共著、ウイネット)、『こどもプログラミング読本――「未来をつくる力」を育てる』(共著、技術評論社)、『子どもにプログラミングを学ばせるべき6つの理由 「21世紀型スキル」で社会を生き抜く』(共著、インプレス)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
2
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
3
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
4
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
-
5
本当に安いPCで十分か? “すぐ重くなる”を防ぐノートPC選びの絶対条件
-
6
Claudeの不可視透かしに批判殺到 著作権消失や誤判定に潜む企業リスク
-
7
100億円の「Linux更新」を回避 みずほ銀行が選んだ“おきて破り”のRHEL延命策
-
8
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
9
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
10
レガシー基幹システムをSAPに統合 山善が突き止めた「標準化と個別最適」の境界線
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー