仮想化の理想形に向かうNutanix
北銀ソフトウエアの挑戦、“意識しないインフラ”はこうして作られた(2/3 ページ)
Nutanixでシステム全レイヤーを仮想化する北銀ソフトウエア
北銀ソフトウエアからは、Nutanixの導入事例の発表があった。北銀ソフトウエアは、北陸銀行のシステム部門が独立して誕生したシステム企業で、銀行システムや地方自治体向けシステムなど、セキュリティと可用性が求められる開発を得意とする。同社が抱えていた課題について、開発部の堀 洋人氏は次のように説明した。
「社内システムのインフラと銀行システムの開発環境の『効率化』、金融システムの共同化による『マルチベンダー化』が課題でした。中でもシステムの効率化は大きな課題で、機器更新を含めると金額ベースで50%、人的リソースも30%ほどがシステムを維持管理するためだけに費やされていたのです」(堀氏)
システムを効率化して維持管理コストを軽減できれば、その分の金銭的コストや人的リソースを経営戦略向けのシステム開発に回すことができる。そうできなかった理由は、ITインフラが複雑で自らコントロールできる状況になかったためだという。柔軟性の向上、スピードアップ、管理コストの削減を求めてたどり着いたのがNutanixだった。
Nutanixの活用実績としては、デスクトップ仮想化の事例が多く伝えられている。北銀ソフトウエアも開発環境で必要なデスクトップ環境をスピーディに提供する仕組みを導入しているが、それだけがNutanix活用のゴールではないと同社開発部の山崎竜司氏は語った。
「ストレージ、デスクトップ、サーバなど、さまざまなレイヤーの仮想化があります。北銀ソフトウエアがNutanixの導入で目指したのはいずれか1つではなく、全てを仮想化することでした。Nutanix導入のきっかけは、社内システムの老朽化に伴うシステムの全面更改です。合わせて銀行システムの開発環境も見直すことになりました」(山崎氏)
システム開発に必要なハードウェアとソフトウェアは増加の一途をたどっている。開発のために必要なものを用意せざるを得ないが、システムライフサイクルとハードウェア寿命が一致しない場合が多いという。例えばキャンペーン的に展開する期間限定の金融商品では、それを管理するシステムも数カ月しか使われない。一方で長期の定期預金のように10年以上使われるシステムもある。こうした効率の悪さを、仮想化によって改善するのがシステムを更改する目的の1つとして盛り込まれたのだ。
- 従来通り、サーバ、ファイバーチャネル(FC)スイッチ、共有ストレージの「3-Tier」(スリーティア)で構築する方法
- コンバージド環境への移行
- 「VMware Virtual SAN」(VSAN)の導入
と、3つの選択肢を考えたが、1つ目の3-Tierに関しては、かつて実際に導入したことがあり、大きな課題を感じていたと山崎氏は言う。
「3-Tierではレイヤーごとに個別の管理ツールが必要になるなど管理が煩雑になります。他にもスタートコストや拡張時に思わぬ高コストになる場合があるのも問題です。この先どれだけのリソースが必要になるか読めないのが開発環境です。低コストで柔軟に拡張できるシステムが必要でした」
3つ目のVSANは柔軟性という観点からは期待できたが、実績不足や価格面での課題が残ったという。それらに対してNutanixはコンバージド環境なので管理負荷が低く、実績も十分だった。拡張時のコスト予測もしやすいなどのメリットもあり、新しい基盤として選ばれた。
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