仮想化の理想形に向かうNutanix
北銀ソフトウエアの挑戦、“意識しないインフラ”はこうして作られた(3/3 ページ)
インフラをインビジブルにしながらコストを最適化へ
Nutanixによる新しいシステムでは、物理的なセキュリティ機器を除くほぼ全ての社内システムと銀行システムの開発環境を統合して運用することになった。Nutanix上に集約することで社内のITリソースを最適化し、開発環境の準備期間を短縮するためだ。
「システム開発に必要なリソースは開発段階に応じて変化します。設計とコーディングの段階で求められるのは、ほぼPCのみ。テスト段階では、開発サーバと負荷を掛けるための大量のPCが必要になります。稼働し始めて保守フェーズに入ると一転して、PCはほとんど不要になります」(山崎氏)
これらを全て物理環境でまかなうと、テスト段階で準備したサーバやPCが用途を終えると余ってしまう。この課題に対し仮想環境を適用することで、社内のITリソースを効率的に活用していこうというのが北銀ソフトウエアの狙いだ。開発に必要な仮想PCやサーバ環境をテンプレートとして準備しておき、必要なときに短時間で提供、不要になれば解放することで別の開発案件にリソースを回せる。実際のシステムは現在構築中であり試算の段階でしかないがと前置きしつつ、山崎氏はNutanix導入の効果を次のように語った。
「仮想化によって、サーバ、PCの調達期間は1カ月から1週間まで短縮できる予定です。またNutanixが持つストレージの重複排除機能(クイッククローン)を生かすことで、Windows Server 2012 R2のテンプレートをコピーしたときに、クローン作成直後で約10KB、OS領域では仮想PC1台当たり約15GBの容量削減を見込んでいます。さらに筐体がコンパクトなのでラックスペースが2Uに抑えられるのもポイントです」(山崎氏)
実際の構成は、4ノード用意されたNutanix上でVMwareのvSphere ESXi、「Horizon View」が稼働する。ネットワークの仮想化にも取り組んでおり、「VMware NSX」を使いNutanixインフラ全体のネットワークをソフトウェア化、1クラスタとして運用する予定だ。クラスタを1つにしたことで、ワークロードのバランス調整が大変になるが、必要なリソースの需要と解放がうまく重なれば、これ以上ない効率的なリソース活用を実現できる。
「課題がないわけではありません。一部製品のライセンスはノード数分必要になるため、全てのコストを削減できるわけではないことが分かっています。特にCPU数で課金されるライセンス体系を持つソフトウェアなどは、Nutanixで稼働させることで大きな負担になる可能性があります」
それでもNutanixがもたらす効果は十分に大きいと山崎氏は言う。Nutanix導入に伴う棚卸しと可視化で、必要なリソースが分かりやすくなった。インフラの複雑な部分はインビジブルにしながら、必要なリソースを可視化することで、コストは最適化していくのが目標と展望を述べて、セミナーを締めくくった。
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