仮想PC、SBC、DaaSを比べる
混在環境が続くデスクトップ仮想化市場、どの方式を選ぶべき?(2/2 ページ)
当面は混在環境が続く
では、デスクトップ仮想化において、仮想PC方式とSBC方式では実際、どちらの比率が高いのだろうか。
「正確な数値ではなく私の感覚的なものだが、当社の事例としてはピュアな仮想PC方式は約15~20%で、SBC方式の比率が圧倒的に高い」とララン氏は話す。
これに対しアセンテック 佐藤氏は、「日本はちょっと状況が異なる。日本では仮想PC方式とSBC方式がほぼ半々。欧米でSBC方式が普及しているのはSBC方式がうまく使われている歴史があったからではないか」と指摘する。
純粋に比較すれば、「SBC方式はサーバ上でアプリケーションを共有するので、サーバが落ちれば利用している人、全てに影響を及ぼす。それに対し仮想PC方式は、仮想デスクトップ1台当たりのユーザーは1人だけなので、トラブルが起こったとしても影響が少ない。このシンプルさは大きなメリット」とララン氏は仮想PC方式を評価。SBC方式に比べコストは高くなるが、「新規にデスクトップ仮想化を導入するという企業は、まず仮想PC方式を選択するユーザーが多い」という。
実際に、Norskaleが手掛けたフランスの事例でも、5万ユーザーがいる郵便事業を展開する事業者が、物理PCから仮想PC方式へ移行したという。
「SBC方式ではなく仮想PC方式を選択したのは、物理PCの管理ノウハウを仮想PC方式であれば生かすことができるから。仮想PC方式では物理PCの管理ツールをそのまま利用できる。それに対しSBC方式は別の管理ツールを導入しなければならないので、スタッフのスキルセットを変更する必要がある。これは企業にとっては追加コストとなるため、この事例ではSBC方式が選ばれなかった」
今後、同様の要因から、新規に導入するユーザーに関しては、SBC方式よりも仮想PC方式の方が多いだろうというのがララン氏の見方だ。
では、DaaS(Desktop as a Service)はどうだろうか。
「DaaSの顧客も存在するが、小規模企業にとどまっている。中規模以上の顧客は運用管理、アプリケーションなどに決まったプロセスを持っている。それをそのままDaaSに反映することができないので、中規模以上の企業にはDaaS導入は難しいだろうと見ている。大企業は過去の歴史全てを捨ててDaaSに踏み切ることはなかなか決断できないだろう」(ララン氏)
こうした実情を踏まえ、ララン氏は「ユーザーのクライアント環境は、物理PC、仮想デスクトップが混在する状況が当面続いていくのではないか。もっとも、ユーザーにとって一番重要なのはアプリケーションだ。快適にアプリケーションを利用できる環境を提供することが、企業のIT部門にとっては重要なのではないか」と指摘している。
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