話題のITベンダーに学ぶIT製品選定のポイント【Sansan編】
「社内メールはほぼゼロ」――Sansanのちょっと不思議なコミュニケーション環境とは(2/2 ページ)
多種多様のビデオ会議アプリケーションを使い分け
Sansanでは他にも、V-CUBE セールス&サポートやappear.in、Skype、Google ハングアウト、WebExなどさまざまなWeb会議アプリケーションを活用している。それぞれどのように使い分けているのだろうか。
まずV-CUBE セールス&サポートは、「1対1のオンライン営業アプリケーションとして利用しています」と久永氏は話す。Sansanはオンラインで商談する際、なるべく相手側にアカウントの取得やアプリケーション導入といった手間をなくしたいと考えていた。それに対して、V-CUBE セールス&サポートは、Web会議室のURLさえ伝えれば、顧客にWeb会議アプリケーションへアクセスしてもらって商談できるので最適だった。「最初は地方のお客さまに営業するためのアプリケーションとして利用していました。今では商談数を増やし営業のやり方を変えるためにも、V-CUBE セールス&サポートを使って商談することが増えています」(久永氏)
ただし、あえて音声は電話を使い、資料のみV-CUBE セールス&サポートを介して見てもらうことが多いという。顧客のクライアントPCにマイクがなく音声を出すことができなかったり、クライアントPCにイヤフォンを接続していると商談中に見えないことを配慮してのことだ。「電話の方が音声の品質も良いですし、通常の仕事をしている感覚で商談を聞いてもらえます」と久永氏は述べる。
一方、appear.inは社内向けのWeb会議アプリケーションとして、地方など複数の拠点をつないで定期会議する際やリモート拠点との連絡などに利用しているという。「オンラインの固定の会議室として、定期会議用URLやリモート拠点との会議用URLなどを設定しています」と久永氏は説明する。また、リモート拠点や階層ごとに設置したクライアントPCでappear.inを常時稼働して自由に利用できる状態にしている。これにより、拠点やフロアなどに関係なく、気軽に従業員同士コミュニケーションできる環境を作っている。
Skypeは、長期接続の安定性が高いことを評価し、徳島県のサテライトオフィスである「神山ラボ」の定点カメラとして利用している。また地方在住者向けの採用面接にSkypeを使っていることが多いと久永氏は話す。
Google ハングアウトは、「Google Appsのカレンダーに打ち合わせの予定を入れると、Google ハングアウトが自動で設定されるので、スケジュールされた社内限定会議で使うことが多いですね」と久永氏は言う。
WebExは、セミナーや全体会議のように1対複数のコミュニケーションのときに利用しているという。「Sansan導入後のサポートとして、お客さま向けの勉強会やWebセミナーをWebExですることが多いです。双方向の会話より、こちらの会話をライブ配信するイメージです」と久永氏は述べる。また社内でも、全社会議の映像を遠隔地の拠点に届ける際にWebExを利用しているという。「現在使っているWebExのライセンスは、1ライセンスにつき25デバイスの同時接続が可能です。複数ライセンスを所有し、活用することで多くのデバイスに同時配信できるのが便利です」と久永氏は説明する。
今後も増える選択肢
さまざまなコミュニケーションアプリケーションを用意し、その都度使いやすいものを自由に選択して使うのがSansanの方針だ。今後もそれらをどれか1種に統一する予定はなく、さらに便利なアプリケーションがあれば導入を検討したいという。「1つのアプリケーションで全部の用途がカバーできるとは考えていません。今後も選択肢を増やしつつ、用途によって使い分けていきたいと考えています」と久永氏は述べる。
ワークスタイル変革の手段としてWeb会議アプリケーションを選定しているものの、それぞれメリット・デメリットがあり、決めかねている企業も少なくない。また急激な事業の拡大や人数の拡大が見込まれる企業の中には、システムの適切なサイジングに悩むところもあるだろう。こうした企業は、導入や移行、拡張が容易なSaaSが有力な選択肢となるだろう。Sansanのように複数のアプリケーションのメリット・デメリットを理解し、用途に合わせて使い分けるのも有力な手段となるはずだ。
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