モバイルデータセキュリティ向上ガイド
「iPhone」にも「Android」にも役立つ、個人情報ダダ漏れを防ぐ5つの手段
モバイルデバイスにはセキュリティの懸念点が少なくない。従業員が使うモバイルデバイスのデータを保護するには、現状の脅威に関する正しい知識と、対策となる技術の理解が役に立つ。
従業員が「iPhone」や「Android」スマートフォンといったモバイルデバイスを業務に使う場合、企業のIT部門が各デバイスのセキュリティを確保するためには、知識が必要だ。
モバイルデバイスのデータは、多種多様な方法で悪用される可能性がある。パスコードを設定していないデバイスを紛失したり盗まれたりする単純な例もあれば、従業員のスマートフォンに入り込んだ不正アプリケーションから企業のネットワークに侵入されるといった複雑な例もある。
どこで発生する脅威であれ、少なくともそのリスクを小さく抑えることは可能だ。
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モバイルデータセキュリティの主要な手段
モバイルデバイスのデータセキュリティは、デバイスそのものにあるデータと、デバイスとアプリ間のデータの移動部分に大別できる。以下、モバイルデバイスのセキュリティ侵害に対する防衛策を強化するハードウェア暗号化、ソフトウェア暗号化、コンテナ化などについて解説する。
ハードウェア暗号化
ハードウェアの暗号化は、デバイスの紛失や盗難に備える第1の防御線だ。デバイス内のあらゆるデータ全体を暗号化し、キーがなければ解読できないようにする。
暗号化の仕組みはOSによって多少異なる。Appleの「iOS」はOS情報とユーザーデータをフラッシュメモリに書き込むファイルシステムを採用する。出荷時に割り当てられたデバイスの固有ID(UID)やデバイスのグループID(GID)、デバイス使用者が指定するパスコードも使われ、そのパスコードがなければデバイスのデータは解読できない。
Googleの「Android」も暗号化が可能だが、デバイスによってはハードウェアの制限で暗号化が利用できない場合がある。また従業員がうっかり、または故意にデバイスの設定をリセットして、暗号化を無効にしてしまう可能性もある。
ソフトウェア暗号化
ハードウェア暗号化が玄関の鍵だとすれば、ソフトウェア暗号化は室内の貴重品をしまって鍵を掛けておく金庫だ。攻撃者がデバイスのパスコードを破ったとしても、データやアプリにアクセスするにはもう1つ別のパスコードが必要になる。
ソフトウェア暗号化はハードウェア暗号化より細かく制御でき、IT管理者が保護する情報を選択できる。OSが提供するインタフェースやサードパーティーの機能を使い、デバイスのメールクライアントやWebブラウザなど個別のプログラムを暗号化する。
モバイルアプリに起こりやすい脆弱性
モバイルアプリにはセキュリティの問題が潜在的に多い。例えば経験の浅い開発者がクリアテキスト(平文)やXMLを使ってアプリのコードを書いた場合に、データ保存の脆弱(ぜいじゃく)性が起こりやすい。この場合、攻撃者はアプリに関連付けられたファイルを抽出して知りたい情報を検索するだけで、そのアプリに保存されるあらゆる情報を見ることができる。さらに悪いことに、そのアプリが会社のバックエンドシステムに接続していると、攻撃者はそこから容易にネットワークへ侵入できる。
Androidデバイスを使う場合は、特にマルウェアに注意が必要になる。Androidはアプリのサイドローディング(公式アプリストアを介さず、アプリを直接デバイスへインストールすること)が比較的簡単にできる。企業のIT管理者が、従業員が勝手にスマートフォンに入れたアプリを十分に管理するのは難しい。有名なアプリの名を装って危険なアプリを誘導的にダウンロードさせる悪質な手口も横行している。IT管理者は、Androidデバイスのマルウェア対策を必ずしなければならない。
モバイルセキュリティに関する従業員教育
信頼できないメールを開封しないよう従業員に周知するのと同様、信頼できないアプリの見分け方を指導することも重要だ。デバイスに対する不正アクセスを防ぐには、IT管理者が従業員に対し、アクセス権について教育しておく必要がある。アプリの用途に関係なさそうなアクセス権限を求めてくるアプリには、警戒しなければならない。
従業員に複数のパスワードを使うよう指導することも重要だ。そうしておけば、万が一デバイスが盗難にあった場合、攻撃の対象を一部のアプリやプロファイルだけにとどめることができる。
コンテナ化
モバイルアプリ管理手法の要であるコンテナ化では、デバイス内の業務アプリとそれ以外の部分とを分離できる。従業員がデバイスに不正アプリをダウンロードしたとしても、コンテナ化されている業務アプリは不正アプリの攻撃から保護される。
IT管理者は、コンテナ化したアプリの特定の機能(コピーや貼り付けなど)を制限することによって、安全でないアプリに機密データが移動するのを防ぐことができる。デバイス内の他の部分のデータを消してしまう心配なしに、コンテナ内のデータのみを管理者が消去することもできる。
ただし、コンテナが完全というわけではない。多くの場合、コンテナの利用にはモバイルデバイス管理(MDM)製品の導入が必要となる。またアプリ機能を制限すれば、対象アプリから連絡先にアクセスできなくなることがある。
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