モバイルデバイスより長い歴史を持つマイクロチップ
iPhoneの次の飛躍は? マイクロチップから見る技術革新の予想図
私たちが生活やビジネスで使っているモバイルデバイスは強力なマイクロチップなくして存在しない。今後マイクロチップはどのように進化して、モバイルデバイスに影響を与えるのか?
20世紀中ごろに生まれた半導体とマイクロチップは、今日、多くの人が使用しているモバイルデバイスよりも、はるかに長い歴史を持つ。企業の連携や技術改革、方向性の大転換など、さまざまな出来事があった。半導体技術者向けのウェブサイト「SemiWiki.com」の創立者であるダニエル・ネンニ氏は、同氏の最近の著書「Mobile Unleashed: The Origin and Evolution of ARM Processors in Our Devices」でその歴史を解説している。
モバイルデバイス市場における主要プレーヤーの役割、そしてチップシステムとモバイルデバイスがどのように手を取り合って進展し、未来のプロセッサパワーがどのような姿になるのか、ネンニ氏に聞いた。
――今日のモバイルは、あなたにとってどのような意味を持つか?
ネンニ氏:今や常時接続している状況だ。私には4人の子供がいて、4人ともいわゆるミレニアル世代だが、彼らのモバイルデバイスを見ていると、24時間年中無休であり、もはや生活の重要な一部になっている。
――この本を書いた理由は?
ネンニ氏:モバイルデバイスがいつ始まったかということを明らかにしたかった。モバイルデバイスは今日の半導体産業をけん引しており、ビジネスと改革の大部分がそこに集中している。モバイルデバイス産業は、非常に速いスピードで技術革新が進んでいる。テレビやクライアントPCの買い替えは、恐らく5年、10年に1回くらいだろうが、Appleは毎年新しいモバイルデバイス「iPhone」を発表している。半導体技術もその早いリズムについていかなければならない。それは容易なことではない。
――これまで市場をリードしてきたモバイルデバイス企業は? そしてこの先リードしていく企業は?
ネンニ氏:Qualcommは、スマートフォンに組み込まれる「SoC」(systems-on-a-chip)産業を創出した。一方、Appleは独自のチップを開発した。その後、さまざまなシステムカンパニーが独自チップの開発を進めている。Samsung Electronicsは自前のSOCを開発しており、Huawei Technologiesも独自に開発している。これらの企業が独自開発に進む理由は、競合が非常に激しく、他社に先駆けて新しい価値を追加していく必要があるからだ。
――米国市場への進出を目指すHuaweiのようなデバイスメーカーは他にあるか?
ネンニ氏:もちろんだ。まずは独自のスマートフォンを開発するためにコンポーネントを組み立てるところからスタートし、いずれ独自のサプライチェーンを構築する必要性を認識するだろう。Appleはコンピュータメーカーからスタートし、モバイルデバイスカンパニーに変化した。それだけでなく、小さな会社を次々に買収しながら、最大かつ最も影響力のあるファブレス半導体メーカーの1社へと成長した。Googleもまた、そのような道を歩み、Amazonも同様だ。
――次のスマートフォンの技術革新はどのようなものになるか?
ネンニ氏:次のスマートフォンは充電がワイヤレスになり、ヘッドセットに組み込まれるだろう。また、よりスマートなスマートフォンも登場するはずだ。搭載されるチップはさらにパワフルになり、プロセッサパワーも5倍、10倍、20倍、100倍と強力になっていくだろう。今日のスマートフォンは、NASA(アメリカ航空宇宙局)が人々を月に送り込んだときのコンピュータよりも強力だ。モバイルデバイスがスマートになればなるほど、利用できるソフトウェアの能力も向上する。パフォーマンスの改善はスマートフォン内部のチップの進化であり、今後も大きな飛躍が可能だ。
――ウェアラブルデバイスが最適な分野とは?
ネンニ氏:ウェアラブルデバイスの鍵となるのは、ヘルスとウェルネスだ。ウェアラブルデバイスに搭載されるヘルスおよびウェルネス機能が強化されることで、より広範囲に普及するだろう。Fitbitのウェアラブルデバイス「Fitbit」はその一例だが、それほど多くのヘルス、ウェルネス情報を提供してくれるわけでない。だが今後、ウェアラブルデバイスが進化すれば、もっと多くの情報が得られるようになるはずだ。以前カンファレンスで聞いたが、ある会社は心臓発作を事前に検知することができると考えているという。そうしたことが可能になれば、私もウェアラブルデバイスを買うだろう。
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