拡張機能が移行の障害に
「S/4HANA」移行を考えるSAPユーザーが知るべき3つの“勘所”(2/2 ページ)
S/4HANAには事前準備が必要
S/4HANAには明らかに「HANA」が不可欠だ。このことに意味があるかどうかはさておき、SAPは同社のビジネススイート製品の将来をHANAプラットフォームに結び付けることを明確にしている。パブリッククラウドで提供されるS/4HANAの場合、ユーザーにはほとんど違いは生じない。だが、プライベートクラウドで提供されるS/4HANAまたはオンプレミスのS/4HANAの場合、ユーザーはHANAシステム管理の一部を負担することになる。
では、S/4HANAを導入するには、どのような準備が必要だろう。何事にも準備が必要なことは確かだが、S/4HANAでは以下のような領域で想像を超える準備が必要になる。
変更や独創的な構成はしない
サポート対象のアプリケーションに対して必要なアーキテクチャやインタフェースを正しく提供する。標準構成に移行するシステムの「ユーザーExit」(標準システムにユーザーが作成した追加したいプログラムを保存する場所)、ビジネスアドイン、変更のカタログが手元になければ、これを作成する。恐らく、驚くほど広い範囲の変更に対処しなければいけなくなくなるだろう。もしカタログが手元にあれば、これまでの拡張機能をできるだけ取り除く作業に着手する。こうした拡張機能の多くは不要で、ほとんどのビジネスニーズは標準構成で実現できる。
ビジネスプロセスと回帰テストをドキュメントにする
理想的には、回帰テストの大半を自動化すべきだが、SAPエコシステムではめったにしない。最低でも、ビジネスクリティカルなプロセスは、回帰テストと一緒にドキュメントにする必要がある。こうしたドキュメントはマイナーアップグレードの回帰テストに不可欠だ。メジャーアップグレードとなるとなおさら重要である。
現在運用中のアプリケーションを最新バージョンにする
SAPアプリケーションのサポートパッケージや拡張パックが古くなるとアップグレードのリスクが生じる。できる限り、小さなアップデートを小まめに適用してリスクを軽減し、年単位にアップデートを適用するようなリスクの高い方法は避ける。
拡張機能を設計する場合、S/4HANAのメリットを全て享受できない
拡張機能の設計をSAPの方向性にそろえることができない場合は、S/4HANAのアップデートで反映されるユーザーエクスペリエンスのメリットを全て受けることができない。
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