互換性はいかほど?
現実は複雑、AWSとOpenStackで作るハイブリッドクラウド(2/2 ページ)
ストレージとパフォーマンスの考慮事項
OpenStackのストレージは「Swift」と「Cinder」が基礎となる。AWSでは、ブロックストレージにはAWSの「Amazon Elastic Block Storage」(Amazon EBS)、オブジェクトストレージには「Amazon Simple Storage Service」(Amazon S3)を使用できる。OpenStackとAWSのストレージを連係させるのは比較的容易だが、パブリッククラウドとプライベートクラウドで同じデータを維持する場合は連係は複雑になる。
例えば、同期がその1つだ。OpenStackとAWSをつなぐインタフェースは比較的低速で帯域幅は狭い。両方のクラウドにデータを書き込むという単純なアプローチはあまりに低速でさまざまな操作に対応することはできない。そこで、非同期状態を防ぐための代替策が必須になるのだ。
低速なWANで、AWSとOpenStackのハイブリッドクラウドのパフォーマンスを維持するためには、AWSとOpenStackの両方に重複データをできる限り多く配置しなければならない。この方法は、バッチ更新可能なデータや揮発性の低いデータに対しては簡単に適用できる。それから、クラウドバースティング後にパブリッククラウドを終了する際には、ベストプラクティスのストレージシステムは休止させないことだ。
ほぼリアルタイムの同期が必要なデータは、また別の問題になる。ほとんどの場合、このようなデータは社内で保持しており、パブリッククラウドがデータにアクセスする際は、データストリームを暗号化するのがよいだろう。
もう1つの選択肢は、パブリッククラウドへの接続がより高速になる通信会社のデータセンターのストレージスペースを借りることだ。ただし、この方法だと、通信会社への接続速度によっては社内での運用が低速になる可能性がある。そのため、このモデルが最も効果的なのは、通信会社のデータセンターが近くにあるときとなる。
OpenStackのハイブリッドクラウドの管理に役立つツール
OpenStackのハイブリッドクラウドを展開して管理する際に役立つツールがある。例えば、Red Hatは同社の管理ツールである「ManageIQ」を拡張して、ハイブリッドクラウドに対応させている。このツールによって、パブリッククラウドとプライベートクラウドの構成とセットアップが1つの画面で確認できるようになる。それと同じくRed Hatの「CloudForms」は、あらゆる主要なパブリッククラウドとOpenStackの統合を目指している。
大手クラウドプロバイダーもハイブリッド市場には興味を示している。Microsoftは現在「Azure Stack」を提供し、AWSはCIAなどの大口顧客に対して同様の“PCの中のクラウド”を提供することに前向きだ。このようなプロバイダーは、統合に役立つ自社製のツールも備えている。また、他のサービスやソフトウェアパッケージによって、2017年ごろにはハイブリッド化はより簡単になるだろう。
やるべきことはたくさんある。Gartnerによると、クラウド管理ツールは、クラウド市場の他ものと比べて後れているというのだ。だが、進歩はしている。OpenStackに関するものも含め、ハイブリッドの導入は今後2年間で大きく成長することだろう。
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