あなたの全てが世界とつながる
IoTのセキュリティ守護神「ブロックチェーン」を信じてよいのか(2/2 ページ)
ブロックチェーンの本格テストは2016年中に開始予定
ブロックチェーンは新しい技術であり、試験段階を経て日常生活に入るまでにはしばらく時間がかかるだろう。業界大手および、政府機関は2016年のうちにテストを始める予定だ。この技術が使い物になるかどうかは別として、多くのステークホルダーがこの動きに加わる必要があるだろう。ブロックチェーンの仕様に関しては、業界団体の合意を形成することが望ましい。また、全てのIoTデバイスが同一のソースに書き込むか、相互運用性のあるシステムを備えることが不可欠となるだろう。ただし、全てのIoTデバイスメーカーあるいは、IoTソフトウェア開発者が同一のブロックチェーン向けにデータを記述するとは限らない。それよりも、さらに上流段階において、認証プロセスで使用する基本コンポーネントのOEMメーカー間で合意が形成される可能性がある。
ブロックチェーンは、ベースライン認証(デバイス型式、製造番号など)に加え、デバイスが生成するあらゆるデータの記録を作成できる。例えば、玄関ドアのスマートロックであれば、人が家に出入りしたり、リモートでロックを解除したときのビデオ録画の起動の処理履歴を記録するといった具合だ。履歴内の各項目は、それぞれのIDチェーンに新たな履歴リンクを作成し、これにより認証マッチング用に使える新たなデータを提供できる。悪意のある人が正しい認証情報を持たずにドアロックのプロトコルの変更を試みたり、構成に変化があったりした場合には、ブロックチェーンの認証モデルにより、ドアロックの状態を変更できなくなる。
併せて読みたいお勧め記事
IoTとセキュリティをめぐる問題
ブロックチェーンの重要な利点の1つは、全てのユーザーノードが同じ記録を監査するパブリック記録方式によるものだ。もちろん、パブリック記録方式には機密データをめぐるプライバシーの懸念が付きまとうが、ブロックチェーンは、1方向ハッシュを採用することによって、この問題に対処している。ブロックチェーンの世界では、暗号学的ハッシュ関数を使用する。これはデータをマッピングして、そのサイズをビット列に縮める数学的アルゴリズムだ。ハッシュ関数は、一方向にのみ機能するように設計されており、逆方向の変換は実行できない。すなわち、ソースデータがなければハッシュの中身を知るのは実質的に不可能だということだ。
IoTはまだ新しい業界分野だが、技術革新が進んでSFの世界が日常生活になるのに伴って、この分野は人々の生活に浸透し、重要性を増すだろう。現在の初期段階では、接続されたデバイスの数が幾何級数的に増加するのに合わせて、拡張可能なソリューションを確立することが不可欠になる。その意味で、ブロックチェーンは、ユニークなソリューションだといえる。金融データを保護するセキュアな手段として開発された技術でありながら、機密を要する記録を保管する手段として応用できる柔軟性を備えているのだから。IoT時代が個人の生活のほぼあらゆる側面を接続する能力を示しつつある中、安全な記録保管の重要性はかつてなく高まっている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
2
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
3
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
4
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
5
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
6
「Salesforceのテスト自動化ツール」に関するアンケート
-
7
IT製品の導入に関するアンケート「サーバ&ストレージ」編
-
8
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
9
「AI時代の統合基盤・エンタープライズAI管理」に関するアンケート
-
10
自宅のWi-Fiが「遅い」「途切れる」本当の原因は? Dellが推奨する鉄則
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー