Windows Server 2016が目指すDevOpsインフラ
DevOpsの成否は“運用”次第、「インフラ技術者」に期待する役割とは(2/2 ページ)
コンテナでシステムを止めずに展開
MicrosoftとDockerの協業によって実現したWindows Serverコンテナは、Linux向けコンテナ管理ソフト「Docker」の仕組みをそのまま踏襲する。Dockerエンジン搭載の次期Windows Serverは、アプリケーションとその実行環境(バイナリーライブラリー)をパッケージングした各コンテナを、OS上の1プロセスとして直接実行できる。ゲストOS上のプロセスとして処理するサーバ仮想化とはここが違う。操作もDockerコマンドで指示する。Windows向けの「PowerShell」も使えるが、「本気で使いこなすつもりならDockerコマンドを覚えてほしい」というメッセージも飛び出した。
Windows Serverコンテナを使うと、システムを止めることなくアプリケーションを更新し続けられ、DevOpsサイクルがスムーズになる。完全に動く状態でアプリケーションをコンテナ化、リポジトリーに格納し、コマンド1つでデプロイすれば即稼働する。更新する際も同じ手順で展開し、同時に旧版を停止、廃棄すればいい。稼働中のものをアップデートするのではないところがポイントだ。もし新版に問題が発生したら、リポジトリーにある旧版をデプロイし直し、ロールバックできる。
Windows Server 2016では「Hyper-Vコンテナ」も提供する。Hyper-Vの仮想マシンでコンテナが稼働するもので、各コンテナのプロセスが分離できる(対応ゲストOSは現状、後述するNano Server)。「1つのOSコアを複数の異なるアプリケーションで共有することを嫌がるユーザーを想定した仕組みだ。企業利用ではこれが重要になるだろう。Windows Server直接かHyper-Vをかますか、コンテナの実行環境はDockerコマンド1つで簡単に切り替えられる」(高添氏)
クラウド/オンプレを超えたインフラ
一方でNano Serverは、「Windows Serverは重すぎる」というユーザーの切実な声から生まれたものだ。機能を必要最低限(数百MB程度)に絞り込んだ形でWindows Serverをインストールできる。そのため、DevOpsで求められる軽量で機動的なサーバ環境となる。機能を絞り込んでいるのでセキュリティ対応やバグ修正のためのパッチ適用の頻度も少なくなり、インフラの安定性が期待できる。
Windows Serverコンテナ、Hyper-Vコンテナ、Nano Serverは前述したマイクロサービスのサーバ環境となり得るが、より上位のマイクロサービス対応プラットフォーム技術がService Fabricである。Microsoftは既にPaaSとして「Azure Service Fabric」を2015年春にリリースしているが、そのオンプレミス版が次期Windows Serverとともに登場するのだ。Service Fabricでは、マイクロサービスのパッケージング、デプロイ、クラスタ管理など一連の機能を提供する。高添氏は「SQL DBをはじめAzureのサービスの多くはマイクロサービスで成り立ち、Service Fabricで可用性と拡張性を担保してきた」と隠れた実績を訴えた。
Microsoftはクラウド/オンプレミスの垣根を超える製品戦略を推し進めており、Windows Server 2016ではそれがさらに深化する。「企業のIT環境はパブリッククラウドが普通になってくる。どこでも使えるテクノロジーが重要になる」(高添氏)。DevOpsの観点からも、展開先がクラウドかオンプレミスかに限定されないのは都合がよい。なお、Service FabricはLinux版も登場予定、OSの垣根も超える。
以上、セッション後半はWindows Serverの新機能中心に話が進んだが、「これを使わないとDevOpsができないということではない」と高添氏は強調した。ビジネスや開発の要求に応じて最適なインフラを実現するには幾つかの選択肢を持つ必要がある。これらの機能はその1つということだ。高いレベルでDevOpsを実践するなら、開発側ではマイクロサービス、運用側ではコンテナが要注目であるのは間違いないだろう。
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