Microsoftは2つのユースケースを想定
次期Windows Serverの超スリム版「Nano Server」が気になる
2016年にリリースされる「Windows Server」の次期バージョンでは、機能を最小限に絞り込んだ新しいインストールオプションが提供される。その使い所とは?
サーバとしての役割に必要な機能だけをインストールする「Server Core」から、さらに機能を削った「Nano Server」。次期「Windows Server」で新たに用意されるこのインストールオプションは、「Windows PowerShell」(PowerShell)で管理される。コンテナやクラウドインフラへの利用が想定されている。これを機にPowerShellが一段と重要な管理フレームワークになりそうだ。
新インストールオプションであるNano Serverは、PowerShellを使ってリモートのみで管理される。ローカルログオンやリモートデスクトップ、GUI、32ビットサポートといった機能は省かれている。搭載機能はごく限られているものの、Windows Serverのリファクタリングバージョンであるため、サポートするコンポーネントについては、Windows Serverの他のバージョンとAPI互換性がある。
Microsoftが想定する2つのユースケース
例えば、米Microsoftは公式ブログで「Nano Serverでは『Visual Studio』のリモートデバッグ機能および通知も含めて完全にサポートされている」と述べている。
Nano Serverは、従来のバージョンのPowerShellを導入済みのIT担当者向けに設計されていると、米コンサルティング会社Directions on Microsoftのリサーチ担当副社長、ウェス・ミラー氏は指摘する。「PowerShellを使っていない人にとっては、Nano Serverが導入のきっかけになるだろう」(ミラー氏)
MicrosoftはNano Serverについて、2つのユースケースを想定しているという。仮想マシンやコンテナなどで動作する“クラウド生まれ”のアプリケーションの運用と、コンピュートクラスタおよびストレージクラスタをサポートする「Microsoft Cloud Platform」インフラでの利用だ。
Nano Serverは「Windows Server 2012」で提供されている軽量のインストールオプション「Server Core」に似ていると、米コンサルティング会社82 Venturesのジョナサン・ハッセル社長は語る。「だが、Nano Serverは、Coreと同じ管理上の問題を抱えている。PowerShellやWMI(Windows Management Instrumentation)を使ってリモートで管理するしかない。私なら、特定用途向けの軽いマシンで使うようにし、常時に近い管理が必要なものには使わないだろう」(ハッセル氏)
Microsoftの社内テストによると、Nano ServerはWindows Serverと比べて、VHD(Virtual Hard Disk)サイズが93%小さく、緊急のセキュリティ情報の件数が92%少なく、再起動が80%少ないという。
Nano Serverは、同じくWindows Serverの次期バージョンで提供されるMicrosoftの新しい安全なコンテナ技術「Hyper-V Container」とともに発表された。次期Windows Serverでは、2014年に発表されたコンテナ技術「Windows Server Container」も提供されることになっている。Microsoftによると、Nano Serverは、Windows Server ContainerとHyper-V Containerを「理想的に補完する」という。
Nano Serverは、5月にリリースが予定されている次期Windows Serverの新Technical Previewでは提供されない。
「Nano自体は高い隔離性を確保できる。Hyper-VやWindows Azure Packを使用している場合は、それを踏まえてNanoを検討するとよいだろう」(ミラー氏)
また、Microsoftはブログで「Server Coreは、軽量オプションとしてNano Serverに似ているが、今後も展開オプションとして残る」と述べている。Nano ServerはServer Coreとは異なり、再インストールせずにGUI環境から最小構成環境に切り替えることはできないと、MicrosoftのWindows Server担当主席アーキテクト、ジェフリー・スノーバー氏はTwitterで説明している。
Windows Serverの次期バージョンは、Nano Serverをはじめ多くの新機能を搭載する。2014年に最初のTechnical Previewがリリースされたが、Windows ServerとクライアントOSの最新版の同時出荷という従来の慣例に反して、2016年に出荷されることが発表されている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社MatrixFlow] 「物流リソース最適化」ガイド:人員・配車・傭車を出庫依頼の確定前に決めきる -
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
なぜ「Gemini 4 Argon」は出遅れたのか? Googleが狙う“逆転のシナリオ”
-
4
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
5
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
6
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
7
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
8
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
9
「結局使わなくなる」Microsoft 365 Copilotを半年で定着 キリンの3施策
-
10
「中堅・中小企業のネットワーク・セキュリティ運用実態」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー