帯域幅利用の強化、SMB 3.0経由のレプリケーション
管理者が思わず喜ぶ、次期Windows Serverのストレージ2大機能
2015年に登場予定であるMicrosoftのサーバOSの次期バージョンでは、ストレージ機能の強化が盛り込まれる。この技術は、Hyper-Vの管理・運用を大幅に改善させる可能性がある。
2015年に登場予定であるMicrosoftのサーバOSの次期バージョンは、ストレージ機能としてHyper-VのためのQoS(Quality of Service)とレプリケーションが盛り込まれる。
あと数カ月でエンタープライズ向けのWindows Server次期バージョンが登場する。Microsoftは2大ストレージ機能となる「Windows Server Storage QoS」(Storage QoS)と「Windows Server Storage Replica」(Storage Replica)のプレビューを披露した。
帯域幅利用を強化するStorage QoS
Storage QoSは新しいストレージ機能で、管理者はHyper-V仮想マシン(VM)のストレージ性能を一元管理できるようになる。どこかで聞いたことがあるような気がするのは、「Windows Server 2012 R2」に「Quality of Service Management」という似たようなツールがあり、仮想マシンについて管理者がIOPSの最小値と最大値を設定できていたためだろう。
Quality of Service ManagementはHyper-Vにとって歓迎すべき機能だったが、適さない場面もあった。この機能はホストレベルで動作するため、複数のホストサーバが1台の物理ストレージデバイスを共有している場合、QoSポリシーを適用してもホストサーバの境界を越えて行き渡らせることはできなかった。
新しいStorage QoS機能では、Quality of Service Managementのこの欠点を克服し、帯域幅利用ポリシーがHyper-Vのホスト全体に行き渡るようになった。Storage QoS機能を利用するには、Hyper-VのVMをスケールアウトファイルサーバクラスタ上に保存する必要があり、このクラスタはWindowsを搭載していなければならない。現在、Hyper-VではSMB 3.0のファイル共有上にVMを保存でき、これによってHyper-Vクラスタがスケールアウトファイルサーバクラスタ上にVMを保存できるようになっている。スケールアウトファイルサーバクラスタでは、SMB 3.0経由でファイルを共有できる。
SMB 3.0ファイル共有自体は、ホストサーバにストレージを提供する以外、単独では何もできない。Storage QoSを機能させているコンポーネントは3つある。1つ目の「Policy Manager」はスケールアウトファイルサーバクラスタ上で実行される。中央でストレージ性能をモニタリングする仕組みだ。スケールアウトファイルサーバクラスタを構成する各サーバは、ディスクI/Oを調整する「I/Oスケジューラ」も備える。2つ目のI/Oスケジューラはファイルサーバクラスタ内のノードレベルで存在しているが、I/Oスケジューラ同士の相互通信もできる。
3番目の「rate limiter」はHyper-Vコンポーネントで、個々のHyper-Vサーバがそれぞれ個別のrate limiterを備える。名称の通り、rate limiterはHyper-V VMによる過剰な帯域幅の消費を防止する。Policy Managerはrate limiterと通信して、仮想マシンのパフォーマンスが設定されたポリシーに沿っていることを確認する。
SMB 3.0を使ったStorage Replica
Windows Server 2012の2番目のストレージ機能となる「Storage Replica」では、1台のWindowsサーバから別のWindowsサーバへのブロック単位でのデータレプリケーションができ、1台のサーバから全く同じ内容の2つのコピーが作成できる。レプリケーションプロセスはSMB 3.0ベースで、ハードウェアの種類は問わない。
Storage Replicaは同期でも非同期でも利用できる。同期的利用では、オリジナルのサーバとレプリカサーバが常に完全に同期されることを保証できる。非同期レプリケーションでは、障害が発生した場合にある程度のデータが失われる可能性があるが、2台のサーバ間の接続が遅い場合や不安定な状況での利用に適している。
Storage Replicaを使用したレプリケーションはブロックレベルで行われる。つまりファイルが開かれたりロックされたりする心配がない。また、レプリケーションプロセスによってファイルシステム暗号化やネイティブ重複排除などの機能に支障が出ることもない。
Storage Replicaに関するMicrosoftの公式ガイドラインの内容はまだ不明だが、一見すると、ワークロードを問わず、事実上あらゆる新規のWindowsサーバに対応するようだ。この技術はHyper-Vを大きく改善させる可能性がある。Hyper-Vのこれまでのバージョンにもレプリケーション機能は搭載されていたが、VMレベルでレプリケーションを有効にする必要があり、現在のレプリケーションの仕組みを使って大量の仮想マシンのレプリケーションを行うことは単純に現実的ではなかった。サーバレベルのレプリケーション機能では、Hyper-Vホスト全体のレプリケーションが可能になり、管理者が個々の仮想マシンでレプリケーションを有効にする必要がなくなる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
事例
[フォーティネットジャパン合同会社] 複雑化しがちな「SASE運用」 IT・医療・金融などの事例に見る導入成功の秘訣 -
製品資料
[フォーティネットジャパン合同会社] 「SD-WAN」導入で失敗しないための5つの重要事項 -
技術文書・技術解説
[フォーティネットジャパン合同会社] VPNの代替候補「ZTNA」を理解できるようになる“3大要素”とは? -
事例
[フォーティネットジャパン合同会社] すぐ分かる「SD-WAN」選定のポイント 成功企業はどんな成果を出した? -
製品資料
[SCSK株式会社] 「Dropbox」管理・運用の困りごと解決ガイド
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
半数がブルーカラー転向を視野に? ベテランエンジニアを追い込む“54歳の壁”
-
2
PHP脆弱性「PHP2Shell」で2260万件に影響 情シスの緊急チェックリスト
-
3
みずほ証券が「液冷サーバ」を採用 1日3.6億件の計算を支えるための要件
-
4
Microsoft月例パッチ1400件超で過去最多 「限界点」を迎えたパッチ管理
-
5
SAP導入後も残る“Excel依存” 京急電鉄は「kintone」でどう解消した?
-
6
「Microsoft 365」が乗っ取られる MFAを破る“本物の画面”の恐怖
-
7
いまIBM iエンジニアが直面する「5つの技術的課題」とその解決策
-
8
被害額は過去最高額 それでも「サイバー犯罪者が捕まらない」3つの理由
-
9
「Windows」の不要なファイルを安全に消して容量を空ける方法
-
10
Microsoft 365の「テナント統合・分離」問題 手戻りのない道を選ぶ秘訣とは?
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
2026年のサイバーセキュリティには何が必要か? 最新データに学ぶ傾向と対策
-
3
経験豊富な即戦力人材に直接アプローチできる、「攻めの採用」への転換術
-
4
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
5
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
6
10G回線の真価をフルに享受するには? 導入前にチェックしたいポイント
-
7
AI駆動開発のスピードと安全性を両立 「品質・セキュリティ管理」の実践ガイド
-
8
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
-
9
「標的型攻撃メール」事例・サンプル集
-
10
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー