移行前にチェックしたい懸念点
固定電話を「Skype for Business」に置き換えると起きる“予想外”なこと(2/2 ページ)
Skype for Businessを音声システムとして利用する際の注意は?
音声システムとしてSkype for Businessへの移行を考えているのなら、企業は移行前に多くの要因を考慮しなければならないとファッシャーニ氏は忠告する。
統合されたクラウドビジネスアプリケーションスイートが市場で大きなシェアを占めていても、他の製品・サービスや機能から最善の組み合わせを選ぶために、特定分野のサービスと機能を受け入れない可能性がある。
数ある検討事項の中でも、コールセンターでCiscoやMitelなどのベンダーの機器を大々的に導入しており、Skype for Businessの音声システムでプラグアンドプレイが選択肢とならない場合、企業はコールセンターの戦略を見直す必要がある。「Skype for Businessを統合するにはサードパーティーとの契約が必要になるだろう」(ファッシャーニ氏)
IT部門は、音声システムを変えるときには、経営幹部レベルの問題についても慎重になる必要がある。「経営幹部が電話を受けることができなかったら、管理スタッフは新しいシステムが従来の電話通信システムのように機能しないことにいら立ちを覚えるだろう。そして、この問題に対処しなければならないのはIT部門だ」とフィッシャー氏は述べている。
この問題を裏付けるように、1人の参加者が次のような発言している。彼女が勤める会社のCEOは、いつもMicrosoftのサービス導入を支持してきた。だが、現在、CEOの管理スタッフから聞くのは、CEOの電話が機能しない話ばかりだという。
Skype for Businessの音声システムには、他にもアナログデバイスや共有エリアの電話、E911サービス(※)などをどう管理するかといった懸念事項がある。こうした問題を緩和するために、Skype for BusinessのホスティングをAT&T、Verizon Communications、Bell Canadaなどの通信事業者に依頼することができる。ファッシャーニ氏によると、プロバイダーは「Skype for Business Server」エディションを入手し、独自の付加価値を加えてシステムを強化し、音声システムに関わる問題を解決することができるという。
※緊急通報ダイヤルへ連絡するときに通話者の位置といった情報を自動的に伝えるサービス。
どのような場合でも、企業がSkype for Businessに移行するときは、シングルベンダーソリューションにならない可能性が高い。そのため、慎重にパートナーを選ばなくてはならない。
「Skype for Businessは、もともとUCコラボレーションプラットフォームである。そのため、顧客からはサービスの品質に関する問題が寄せられている。音声システムの質を高めるには、ネットワークで起こり得る全ての状況を経験して熟知することが必要だ」とファッシャーニ氏は語る。
「音声システムとしてSkype for Businessへの移行を考えていて、エラーを許容できない場合はネットワークの信頼性を確保することが不可欠だ」(ファッシャーニ氏)
Skype for Businessの音声システムは、企業にとって魅力的な選択肢だが、問題もはらんでいる。企業には、信頼できる従来の電話システムの利用を停止して、自社の音声システムを本当にMicrosoftに託せるのか、といった信頼性に関わる問題にも向き合わなければならない可能性があるのだ。
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