移行前にチェックしたい懸念点
固定電話を「Skype for Business」に置き換えると起きる“予想外”なこと(1/2 ページ)
企業は、社内の音声システムを「Skype for Business」に移行する前に、従来の音声システムから切り替えるメリットとデメリットを検討する必要性に迫られている。
Microsoftは増加するエンタープライズVoIP(インターネット/イントラネットを使った音声の送受信技術)のユーザーを獲得するために、同社の統合コミュニケーション(UC)プラットフォームである「Skype for Business」をさまざまな標準サービスプランとカスタムサービスプランで売り出している。Skype for Businessの価格は魅力的に映るかもしれない。だが、GartnerのUCC研究部長のマイケル・ファッシャーニ氏によると、「月額プランの契約に踏み切る前に、企業のIT部門はSkype for Businessに切り替えるメリットとリスクを精査する必要がある」という。
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できる「ユニファイドコミュニケーション」
ファッシャーニ氏は、2016年5月上旬に開催された「Gartner IT Operations Strategies & Solutions Summit」で、2015年12月に導入されたSkype for Businessの一連のサービスの使い方を、会場を埋め尽くした企業のIT担当者に対して実演した。音声システムやIM(インスタントメッセージ)、Web会議、ボイスメール、電子メールなどの機能が盛り込まれたSkype for Businessの価格は、1ユーザーにつき540円からとなっている。2015年12月の発表によると、北米で公衆交換電話網(PSTN)を使って電話をかけることができる「PSTN通話」と高度な通話コントロール機能を提供するクラウド構内交換機(PBX)オプションがSkype for Businessに追加されている。なお、「Skype for Business Server」は、オンプレミスのUCプラットフォームだ。
エンタープライズテレフォニー市場において、Microsoftは古株ではない。だが、Skype for Businessは、急速な成長を遂げているクラウドビジネスアプリケーションスイートである「Office 365」の一部だとファッシャーニ氏は語る。Microsoftは、Skype for BusinessをOffice 365のエンタープライズテレフォニーオプションとして位置付けている。特に、Skype for BusinessユーザーがPSTNを通じて電話できるようになったこともあり、Microsoftは企業がUCを購入する方法に変化を促す一因を作っている。
人々が求めるコミュニケーション方法が変化したため、固定電話やPBXの回線はあまり使われなくなっているのが実情だ。その結果、構内交換機の利用率と価値は時間とともに低下している。そして、新しい「IP-PBX」や「VoIPサーバ」もいずれは時代に合わないものになるだろうとファッシャーニ氏は指摘する。
Office 365は、全てのサービスを利用する権利を企業に付与できる。そのため、企業は、マルチベンダーアプローチではなく、音声システムを含む全ての組み込み機能を活用して、統合コミュニケーションアプローチを採用するのかを決めることになる。
通信エンジニアは、Cisco Systemsといったベンダーが提供する従来のサービスの代わりに、企業の音声システムとしてSkype for Businessを使うことを必ずしも良く思っているわけではない。だが、企業のIT担当者のほとんどは「Windows Server」ベースのアプリケーションの取り扱いに慣れている。そのため、Skype for Businessは移行しやすい選択肢となっている。
ファッシャーニ氏がセッションの参加者にその場でアンケートを取ったところ、半数以上の参加者がSkype for Businessを導入済みか導入中であることが判明した。これはUC市場における企業の実際の姿を映し出す結果といえるだろう。
「Microsoftは、市場で高いシェアを獲得している。市場におけるOffice 365の存在感が大きいため、これからもシェアは伸びるだろう」とファッシャーニ氏は語る。
ライセンスオプションにより、MicrosoftはSkype for Businessに移行しやすくしているとファッシャーニ氏は見ている。「ライセンスオプションは、一部の従業員がクラウドベースのサービスを使用しながら、他の従業員がより多くの機能を備えたオンプレミスのオプションも使用できるハイブリッドな戦略を取れることを意味する。多くの大企業や公共機関、高等教育機関などでは、引き続き最善のサービスと機能を組み合わせるUCアプローチが取られるだろう。一方、その他の企業では、全ての機能がまとまったUCが好まれるようになるだろう」と同氏は語る。
現在、ユーザーがCisco Systems、Microsoft、Google、IBMなどの大手ベンダーから購入するUCスイートはわずか20%だ。だが、その割合は2015年までに50%になると同氏は予想している。
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