クラウドで変わる電話サービス
会社の電話は全て「Skype for Business Online」、そんな未来が2年以内にやってくる
Skype for Business Onlineに企業向け電話機能を追加すると発表した米Microsoft。電話機能追加の前に、企業が準備できることとして何があるのか、紹介する。
米Microsoftは最近の「Lync」から「Skype for Business」へのブランド再構築を進めている。その一部として、オフィススイートである「Office 365」のサービスで、オンプレミスのサーバ無しで企業向け電話サービスをサポートする計画を発表した。それでは、Skype for Businessをクラウドで使用する場合、どのようなオプションがあるだろうか。
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初めてのOffice 365
Lyncのためのクラウド戦略は、エンタープライズITアーキテクチャに対して常に難題を提示してきた。これまでMicrosoftは、下記のような分割案を提案してきた。
- 音声、ビデオチャット、Web会議向けのOffice 365の一部としてのLync Online
- 企業向け電話機能と一般の電話回線としてのオンプレミスのLync サーバ
もしLyncを企業の電話システムとして使用したい場合、電子メール、カレンダー、文書共有のためのOffice 365サービスとMicrosoftのソーシャルコンピューティング「Yammer」をオンプレミスサーバで稼働している必要がある。
全ての電話サービスをLyncに委ねる準備ができていない企業にとって、状況は暗くなっている。電話サービスにLyncを使用しているユーザーは、電話サービスだけでなくインスタントメッセージやWeb会議、音声、ビデオチャットサービスなどもオンプレミスサーバから受けられる。一方で、IP電話をLyncで使用していないエンドユーザーでも、Office365のサービスを利用することでインスタントメッセージやWeb会議、音声、ビデオチャットなどを使用できる。これは、オンプレミスなLyncサーバに頼るユーザーもいれば、クラウドサービスに頼るユーザーもいるということになり、アカウントの供給における潜在的な分割を意味する。
完全にオンプレミスで稼働する電話サービスを避けたい企業は、LyncとOffice 365サービスを組み合わせた統合ホスティングサービスとして提供する米AT&T、英British Telecom、米Hewlett-Packard、米Orange Business Service、米Verizon WirelessなどといったMicrosoftの提携先に頼っている。これにより、自社のLyncサーバでオンプレミスの電話サービスを稼働させるという複雑な手間とコストを省くことができる。
企業向け電話機能と公衆回線アクセス
2013年2月、当時、米Skypeの社長であったトニー・ベイト氏は、Microsoftが18カ月以内にPSTN(公衆回線)アクセスをLync Onlineに追加すると初開催のLync会議で宣言した。ベイト氏は2014年にMicrosoftを去った。
それから2年後に話をすすめると、クラウドのコミュニケーションツール「Lync Online(現Skype for Business Online)」は、企業向けIP-PBX機能とPSTNアクセスをいまだに備えていない。Microsoftの幹部は、2015年3月に米フロリダで開催された「Enterprise Connect」と2015年5月に米シカゴで開催された「Microsoft Ignite Conference」において、Skype for Business Onlineにこれらの機能を加えることを再度約束した。今回は段階的に行われる予定で、2つの段階が発表された。
第1段階
第1段階は、Skype for Business Onlineへの企業向け電話機能の追加だ。これはSkype for Business Onlineが、現在のところオンプレミスのSkype for Business Serverを介してのみ利用可能なIP-PBX機能を提供することを意味する。
しかし企業は、まだ自社所有のPSTNアクセスの提供を必要としている。Microsoftの提携企業であるイスラエルのAudioCodesや米Oracle、米Sonusなどからセッションボーダーコントローラー(※)を、Skype for Business OnlineからオンプレミスのPSTNにつなげるために導入する必要がありそうだ。このセッションボーダーコントローラー設備は、複雑性と音声品質を担保する必要があるという理由では、広く採用されることはないと思われる。しかしサービスプロバイダーにとって、Office 365とPSTNを連携し、パッケージとして販売することは、セッションボーダーコントローラーの導入を簡単にするはずだ。Microsoftは2015年の夏、Skype for Business Onlineにおける企業向け電話のテクニカルプレビューの公開を計画している。
※IP電話ネットワークと別のネットワークを連係するゲートウェイ装置。
第2段階
第2段階でSkype for Business Onlineは、オンプレミスのPSTNを所有する必要のない、PSTNアクセスのサービスを提供するだろう。Microsoftは、クラウドプラットフォームである「Microsoft Azure」に入るPSTNアクセスを提供するグローバルサービスプロバイダーと協力する。このサービスは2015年後半に米国で利用可能になり、その後グローバルに利用できるようになる予定だ。
Microsoftが最終的に企業向け電話機能とPSTNアクセスを提供するとすれば、顧客は全てのSkype for Business OnlineとOffice 365のホスティングオプションを有するだろう。しかし、企業がMicrosoftと直接取引すること避けるため、サービスプロバイダーの提携先に、
- Office 365の管理
- オンプレミス連係
- セキュリティ
- コンプライアンス
- クラウドとクラウドの連係
を提供し続けることを求める。
もしあなたの組織がSkype for Business Onlineの導入を選択するなら、現在のオンプレミスの電話とPSTNアクセスの機能をクラウドに移行する企業努力に細心の注意を払う必要がある。そして、グローバルな提供は1年か2年後になると心に留めておこう。その間にも、ベンダーがどのようにサポートしてくれるのかを理解するために彼らと一緒に働くことは、Microsoft製品で完全に固めてしまう前に企業向け電話機能を運用するというあなたのゴールを実現する。
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