無料で通話が可能なSkype。近年、Skypeをビジネスシーンに利用するケースも増えているという。Skypeがどのような場面で役立つのか? 基本的な用途を解説する。
Skypeは、従来の電話の常識を覆すサービスといわれている。それは「同じSkypeの利用者同士であれば無料で通話できる」ことが大きいだろう。IP電話にも無料になる通話があるが、基本的に同じプロバイダー同士の通話のみだ。ほかのプロバイダーとの相互接続はあるものの、通話不可能なところがあったり、通話可能であっても有料であったり無料であったりと、とても複雑になっている。その点、Skypeはインターネットに接続されていれば全世界どこであっても無料通話が可能だ。
また、Skypeは複数の人が同時に会話できる機能もある。IP電話の場合、プロバイダーによっては同時に会話できるサービスを提供しているが、「電話会議サービス」などのオプションを追加する必要がある。Skypeは誰でもそのまま会話に参加できるため、会議や複数の担当者間の打ち合わせでの利用価値は高いだろう。さらに、部品単価やURLなど音声よりも文字で伝えるのに向いている情報は「チャット機能」を利用すれば確認しやすくなる。会話を続けながらテキストを送受信することが可能だ。
Skypeは、Webカメラを使えばテレビ電話のように相手の顔を見ながら会話をすることもできる(ビデオ機能)。例えば、ビジネスシーンにおいて、製品の形状を見せながら商談するといった利用も考えられる。ただし、ビデオ機能は1対1の会話のみとなっており、複数人がいる会議では利用できない。資料や写真などのファイル送信であれば、複数人の通話でも利用可能だ。Excelで作成した見積書ファイル、商品のカタログを撮影した画像ファイルなどを全員に同時送信することで、よりスムーズに会議や商談を進めることもできるだろう。
ちなみに、Skypeから一般の固定電話や携帯電話に電話をかけたり、逆に固定電話や携帯電話からSkypeに電話をかけるといったことも可能だ。これらのサービスは無料ではないが、後述するようにほかの通話手段より費用は断然安く済む。
Skypeの登録利用者数は、2005年末の7500万人から229%成長し、2006年末の時点で1億7100万人に達した。2008年1月には、同時オンラインユーザー数が1100万人を突破したという。実際にSkypeを利用してみると、個人の趣味で利用している人はもちろん、ビジネスで利用しているユーザーも多いようだ。Skypeは、会話を「非公開」に設定すれば会話に参加するメンバーを限定できる。海外の顧客とSkypeを使って商談をしているビジネスマンもいるようだ。Skype社もビジネスシーンでの活用に力を入れており、Skype公式サイトにアクセスすると、「ダウンロード」「Skypeの使い方」というタブに続き、「ビジネス」というタブが並んでいる。
Skypeは多くのプラットフォームに対応しているが、プラットフォームによってSkypeの機能は若干異なる。すべての機能を装備しているのはWindows版である。本稿ではWindows版のSkypeを前提としている。Skypeを始めるに当たって必要なものはそう多くはない。
<Skypeのシステム要件>
インターネット接続環境は一般のブロードバンド回線であれば問題ない。会話だけであれば1Mbps程度の回線でも十分だ。既存環境ですぐ使用できるため、どこの企業でも簡単にSkypeを導入可能だ。ただし高画質ビデオ通話を利用するのであれば、より高画質なWebカメラや十分な帯域が求められる。
Windows版のSkypeは公式サイトのダウンロードページからダウンロードできる。
Skypeを初めて使用する際は「氏名」「Skype名」「パスワード」を設定する。これらは慎重に決めた方がよいだろう。「氏名」はSkypeに表示される名前、「Skype名」はログインする際のIDとなる。ビジネスシーンで利用する場合には、「氏名」を本名だけにするのか「名古屋支社営業部長○○」といった役職名+名前にするのか、書式をあらかじめ統一しておくとよい。例えば、本社/支社間の会議をSkypeで行う場合には、名前の書式が統一されていた方が分かりやすいためだ。いうまでもなく、セキュリティ面を考慮してパスワードの管理は徹底すべきである。
インストールしてユーザー設定が終了したら、すぐに使用を開始できる。では、実際の通話音質はどうだろうか。
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