生産性向上ツールかセキュリティの脅威か
IMの職場への浸透で利用ポリシーが必須に
IMを導入する場合もしない場合も、それぞれに明確なポリシーの作成と、そのポリシーを強制する方策の整備が必要だ。
インスタントメッセージング(IM)は、企業が社員のための生産性向上ツールと位置付けているケースもあれば、セキュリティの脅威と見なしているケースもある。だがいずれにしても、IMは多くの社員が許可を得て、あるいは無断で、企業ネットワークで使っている人気のコミュニケーションツールだ。
Burton Groupは先ごろ発表したリポート「Instant Messaging: It's Not Just Idle Chatter」(インスタントメッセージング:今や雑談ツールではない)で、企業におけるIMコミュニケーションの最新の動向を浮き彫りにした。その1つは、社内でのIMの使い方を規定するポリシーの作成が必要となっていることだ。
さらに、IMを導入しない方針の企業も、社内ネットワークでIMの利用を許可しない理由を明示したポリシーを作成すべきだと、Burton Groupのアナリスト、ダイアナ・ケリー氏は語る。
IMに関するポリシーの作成と同様に重要なのは、これらのポリシーを強制する方策を整備することだ。例えば、ネットワーク分析ツールの利用、アーカイビング、ITスタッフの活用などにより、ネットワークを調べて違反をチェックすることができる。
「会社としてIMにどのようなアプローチを取るかを明確にし、IMの使用に関するポリシーを作成することが重要だ。職場ではIMを利用しないことを選択したとしてもだ」(ケリー氏)
IMコミュニケーションを先駆的に採用した金融機関は、強力な利用ポリシーの強制など、職場でIMを利用する際のベストプラクティスの導入でも先行している。
IMを早期に採用したほかの多くの組織は、プレゼンス情報を活用できることが、IMを導入し、使い続けてきた大きな理由だと述べている。ヘルプデスク部門やCRMセンター、多くの病院では、迅速な対応が必要な状況下でもIMとプレゼンス情報のおかげで、対応可能な適切な担当者をスタッフが効率的に探すことが可能になっている。
IMでは、相手が在席しているかどうかが瞬時に分かり、すぐにやりとりできる。そのためIMは多くの企業で従業員の生産性を高めるビジネスツールであり、実際にそうしたメリットをもたらしていると確信している。例えば病院では、スタッフはIMを利用することで、緊急事態の発生時に、該当分野を専門とし、即座に動ける医師や看護師を見つけることができ、医師が対応できるかどうか確認するために電話や電子メールの返事を待って貴重な時間を無駄にせずに済む。
しかし、パブリックとプライベートのどちらのIMサービスを使うかの判断に悩み、IMの導入になかなか踏み切れない場合もある。IBMのSametimeのようなエンタープライズIM(EIM)と、AOLインスタント・メッセンジャーやMSN MessengerのようなパブリックIMサービスのどちらかを選択するに当たっては、セキュリティ、アーカイビング、管理の問題を考慮しなければならない。
Burton Groupはリポートで、セキュリティの問題は複雑であるため、企業はビジネスのセキュリティを確保するために、どの程度の管理が必要になるかを検討しなければならないと指摘している。
「パブリックIMサービスを利用する場合には、セキュリティゲートウェイを使って、社内ユーザー間のやりとりがゲートウェイ内で行われるように設定することで、外部ネットワークで伝送され、パブリックIMのサーバでアーカイブされる社内コミュニケーションのメッセージ量を減らすことができる。ただし、こうした方法で100%の効果が得られるわけではない」(ケリー氏)
若い世代が企業の主力となっていく中で、企業環境におけるIMの利用は今後も拡大するだろう。多くの若手社員にとって、プロジェクトを実行する上でIMは欠かせない。また、こうした社員は大抵、プロジェクトメンバーや同僚と連絡を取る場合、電子メールの代わりにIMを使う方が快適だ。こうした社員がビジネスや業界で重要な役割を果たすようになるとともに、多くの企業は職場でのIMの使い方について再考を迫られるだろう。
ケリー氏はこう強調している。「企業は、IMが既に社内で広く使われており、多くの社員のビジネスコミュニケーションの重要な部分を占めていることを、しっかりと認識しなければならない。彼らはランチの相談をするためだけにIMを使っているのではない」
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