NVIDIA、AMD、Intelが三つどもえの戦い
今更聞けない「GPU仮想化」の真実、なぜ価格破壊が止まらないのか?(2/2 ページ)
vGPUが手ごろなコストに
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昨今では急速に状況が変わりつつある。GPU仮想化技術「AMD Multiuser GPU」を搭載し、8000ドルで64ユーザーをサポートできるGPUボードをAMDが製品化して、NVIDIAにプレッシャーをかけた。これは最も近いNVIDIA製品の半分強にとどまるコストだ。AMD Multiuser GPUを搭載するGPUは、OEM(相手先ブランドによる生産)先のHewlett Packard Enterprise(HPE)、Dell、SuperMicroが提供している。基本モデルのサーバ用GPUボード「AMD FirePro S7150」は2399ドルで、1ボード当たり最大16ユーザーをサポートする。「AMD FirePro S7150 x2」はその2倍のリソースを備え、省電力性に若干優れており、1ボード当たり最大32ユーザーをサポートする。価格は3999ドルだ。
これに対し、NVIDIAはミッドレンジのGPUボード「NVIDIA Tesla M10」をリリースし、AMD製GPUボードとのコスト差を大幅に縮めた。Tesla M10は4基のGPUを搭載し、IT部門はこれを最大64ユーザー向けに分割できる。だが100ドルの永続PCユーザーライセンス料も課金する。このライセンス料を含めると、Tesla M10で64ユーザーをサポートするコストは約1万1400ドルとなる。これは同社のハイエンドGPUボード「NVIDIA Tesla M60」で同数のユーザーをサポートするコストより3000ドル安い。AMDのS7150 x2はもっと安上がりだが、NVIDIAにはこの分野で優れた実績がある。いずれにしても、GPU仮想化のミッドレンジ市場でいよいよ競争が本格化してきたことになる。
IntelもGPU仮想化分野に進出している。同社は以前からIntel Iris Pro Graphicsや「Intel Iris Graphics」ブランドのCPU統合型GPUを提供してきた。同社の仮想GPU技術「Intel Graphics Virtualization Technology -g(Intel GVT-g)」により、ハイパーバイザーがCPU統合型GPUのリソースを複数の仮想マシン向けに分割できるようになった。
「Broadwell」「Haswell」といったコードネームを持つIntel製CPUの搭載サーバでXenServer 7を稼働させる際、Intel GVT-gが利用できる。確かにIntel Iris Pro GraphicsはハイエンドGPUではない。エンドユーザーが仮想デスクトップでCAD(コンピュータ支援設計)ソフトウェアの「AutoCAD」を利用したり、医用画像処理アプリケーションを実行したりする場合に利用したいものではないだろう。IT部門は、少しのvGPUリソースで恩恵を受ける大半のエンドユーザーのための手段を必要としている。そこにIntel GVT-gの出番がある。
今のところ、Intel Iris Pro Graphicsの仮想化に利用できるデバイスは限られており、機能的な制限もある。Citrix Synergy 2016でIntelが披露したデバイスは「HPE Moonshot System」用のサーバカートリッジのみだった。このサーバカートリッジは、1CPU(コアではなく、チップ全体)当たり最大7ユーザーをサポートする。スケーラビリティの向上に期待したいところだ。Intel GVT-gはIT部門が想定しているハイエンドとミッドレンジのvGPUのユースケースはカバーできる。さらにローエンドユーザーのニーズに対処することで、全ての従業員が仮想デスクトップで何らかのvGPUを利用できるようになるかもしれない。
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