スマートシティーと深い関係
「Pokemon GO」は楽しいだけではなく街の姿も変える 始まったARの社会実験(2/2 ページ)
スマートシティーの取り組みとARの関連性
ARは群衆のコントロールに利用できそうだ。ARプラットフォームが広く普及すれば、混雑した駅で係員による乗客の誘導が必要な状況などで、仮想のスタッフやかわいいキャラクターが、係員に近い働きをしてくれるかもしれない。
また仮想のかわいいキャラクターは、United Eyes ABのデジタルネットワークセキュリティ「Trygve」のようなアプリの拡張として、社会的な結び付きを促進するのに役立つかもしれない。例えば、迷子や夜に歩いて帰宅する女性、車の相乗り者などにとって、誰が“安全か”の指標となる個人の評判のスコアを、キャラクターでビジュアライズ化することで、出会う人が安全かの判断がしやすい。あるいはかわいいキャラクターが、省電力性の高いビルの周囲に集まることで、企業の社会的責任の遂行度が一目で分かる指標になるかもしれない。
スマートシティーのさまざまな取り組みへのエンゲージメントや参加は、スマートシティープロジェクトの主要な課題に含まれる。サステナビリティ(持続可能性)志向のアプリケーションを展開する取り組みの多くは、行動変化を促すことを目指している。例えば、トラベルアプリは公共交通網のリアルタイム情報と統合している。これは主に、ユーザーに自家用車ではなく、徒歩や自転車、あるいは公共交通の利用を奨励することで、交通手段の転換を促進する。また家庭向けの「省エネルギープログラム」は、ユーザーへの現在のエネルギー使用状況に関するフィードバックの提供を推進している。これはユーザーにエネルギー消費を減らしてもらうためだ。
しかし行動を変えてもらうことは難しく、新たな行動を持続してもらうことはさらに難しい。家庭向け省エネルギープログラムでは、そこそこの効果が達成されたが、時間とともにその効果は薄れていく。「スマートトラベルプログラム」は、通勤者や出張者などが、「移動を最適化するための情報を求め、合理的な選択をする」というモデル通りに行動することを想定している。だが大抵の場合、彼らは「十分間に合う」程度のほどほどの移動方法を見つけると満足し、その方法を継続する。
ほとんどのプログラムは、人が介在し、手間が掛かるパイロットプロジェクトからスタートし、プロジェクトの拡張や維持は不可能だ。既存のアプリケーションは、ユーザーがすぐに慣れるインタフェースを備えている。だが、家庭向けのエネルギー消費をモニタリングするデバイスの重要指標は、「キッチンドロアーへの平均時間」となっている。
厳密にいえば、ARは「IoT」(モノのインターネット)の一部ではない。だがIoTと“人のインターネット”が交わる領域の一部をカバーする可能性がある。
ゲームは既に、ユーザーへの新しいインタフェースやモダリティ(手続きや手順)の教育に役立つ可能性が明らかになっている。主要なVoIPプロバイダーの地味なビデオ会議/テレビ会議システムに全く触れたことがなさそうな世代が、Blizzard Entertainmentの「World of Warcraft」やInfinity Wardの「Call of Duty」などのオンラインプレイをコーディネートする方法として、TeamSpeak Systemsの「TeamSpeak」を受け入れた。
ARは、従来の「ゲーミフィケーション」のよりも大きな威力を発揮する可能性がある。そして地方自治体がデータやアプリケーションを人々に公開しようとして、得てして展開しがちな、面白みのない地域アプリよりも、はるかに高いエンゲージメントが期待できる。
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