MicrosoftができてAppleができていないこと
Appleの「Windows版QuickTime電撃終了」騒動はなぜ起きたのか?(2/2 ページ)
不明瞭なAppleのサポート方針
AppleにはWindows版QuickTimeをサポートする意欲が薄れていたのかもしれない。だが、だからと言って、これほど重要な決定を事前にユーザーに通知しないことの言い訳にはならない。ベンダーによる製品サポートが終了した場合、対応として賢明なのは、その製品の使用を中止してアンインストールし、代替となる製品を探すことだ。
多くのユーザーにとっては、当該製品をアンインストールする以外の選択肢はない。サポートされないソフトウェアを使い続けるということは、この先ずっと脆弱性を悪用される危険にさらされるということであり、不要なリスクを抱えることになるからだ。大抵の場合は、コンプライアンスの観点からも使用を禁止することになる。
Appleは製品のサポート終了に関するポリシーを公開しておらず、サポート終了日も公表していない。過去の慣例からすると、「OS X」のセキュリティ更新は現行版と2つ前までのバージョンに対してリリースしている。同社はOS Xを毎年アップデートしているので、つまり最初のリリースからサポート終了までに3年間のサポートを提供しているということだ。
Windows版QuickTimeの突然のサポート終了が示すように、個々の製品に関しては、サポート状況がそれほどはっきりしていない場合もある。OS X版QuickTimeについては、今後もセキュリティ更新を提供するようだ。
企業が主要ソフトウェアのバージョンを移行するためには、それなりの準備期間が必要だ。例えばMicrosoftは、「Windows Server 2003」から「Windows Server 2012 R2」へ完全にサーバを移行するために、最大200日かかると見込んでいる。管理者にアップグレードの準備期間を与えるために、ソフトウェアベンダーは自社製品について事前の警告やロードマップ、サポート終了に関するガイドラインなどを提供すべきだ。
実際、そのようにしているベンダーは存在する。Microsoftは「サポートライフサイクルポリシー」を用意し、各製品のサポートに関する詳細なガイドラインをライフサイクルを通じて提供している。Adobe Systemsも同様だ。Oracleも「Java Platform, Standard Edition」」(Java SE)のサポートに関するロードマップ「Java SEサポート・ロードマップ」をはじめ、主要製品のロードマップを提供している。
こうした情報があれば、ユーザー企業はある程度余裕をもってアップグレードや製品移行の計画を立てることができる。ただし業界は、サポートされていないソフトウェアを実行する危険性をユーザーに警告し、レガシーソフトウェアからのアップグレードを奨励するための取り組みにもっと注力すべきだ。「Windows XP」のサポート終了をめぐっては、事前に継続使用の危険性が繰り返し警告されていたにもかかわらず、いまだにWindows XPを使い続けているユーザー企業は少なくない。
Appleは公式サイトでQuickTimeのアンインストールについて説明している。QuickTimeをアンインストールすると、もはや不要となったQuickTime用のプラグインも削除される。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
取手市がVDIと決別した理由 更改費用「4倍超」を約1.7倍に圧縮
-
2
「Excel至上主義」の終わらせ方 丸2日の手作業地獄から情シスと現場を救うには
-
3
221人調査で分かった「情シス最大のストレス」は?
-
4
AIで人を減らした企業がもう心変わり 「AIブーメラン現象」の実態
-
5
急増する「AIはこう言ってる」マン 判断を狂わせる「AI忖度」を防ぐには?
-
6
「Microsoft 365のセキュリティ運用」に関するアンケート
-
7
10年かけてBIを再構築したアマノの一手 「権限がない」「予算がない」でもDXは動かせる
-
8
LLMの「過学習」、正しく説明している文章はどれ?
-
9
「データストレージの活用方法」に関するアンケート
-
10
「業務改善とツール活用」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
年収2000万「クラウドセキュリティのプロ」になれる資格とは
-
2
セキュリティソフトをすり抜ける標的型攻撃メール、不審メールの見破り方とは?
-
3
Windows Updateの通信集中で回線が逼迫、ネットワーク刷新事例に学ぶ解決策
-
4
財務を戦略的組織へ進化させるAI活用術、4つの主要な障壁と解消方法
-
5
「NAS」「SAN」「DAS」は何が違う? いまさら聞けないストレージの基礎
-
6
“あのファイル転送”で暗躍するノーウェアランサム
-
7
標的型攻撃メールを見破るには? サンプル文面を例に傾向を解説
-
8
商用利用の安全性を確保し大量のコンテンツを高速で生成する、AI活用の秘訣
-
9
マンガで解説、1日で生成AI環境を構築できるワークショップの中身とは?
-
10
Dark AIが台頭する時代の新発想、「より高度なAIで対抗する」具体的方法とは?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー