低価格ソフトってどうなの?
「クライアント仮想化」の主要3社を比較、ユーザー企業が着目すべきポイントとは(2/2 ページ)
アプリケーション配信特化でコスト抑制を図るパラレルス製品
中小企業の場合、自らインフラを構築し、VDI/RDSの仕組みを実装するのは負担が重い。そうなるとDaaSが有力な選択肢になり得る。ただし、そうは言っても、クライアント環境を外に出すことに抵抗があったり、DaaSではニーズを満たせなかったりするユーザー企業もある。手頃なVDI/RDSソフトがあればクライアント仮想化を実現できる。そうした企業には、例えば比較的手頃に導入可能なパラレルスのRASは良いかもしれない。
RASはParallesが2015年2月に買収した2X Softwareの製品をParallelsブランドにアレンジした製品だ。本格的に日本市場に登場したのは2016年2月の最新版から。VDI/RDSの両方が利用できるが、RDSを選択してアプリケーション配信に使用するとより効果を発揮する。エンドユーザーが直接使うのはアプリケーションであり、VDIでデスクトップ環境を丸ごと提供する必要はないと割り切る。そうすれば、RASの他に30~50同時接続ユーザー当たり1台程度のRDSホスト(Windows Server稼働サーバ)を用意するだけでよいのだ。環境構築も簡単である。専用ウィザードで、RASにRDSホストを接続し、ユーザーグループごとに使用するアプリケーションセットを割り当て、各ユーザーに招待のメールを発行する3ステップで済む。Windows Serverを自社運用している企業なら苦労せず導入できるだろう。
そしてRASはコストが低い。同時接続1人当たりの年間サブスクリプション料金が1万2000円(税別)。1人当たり月額数千円のDaaSよりもコストを抑えられる可能性も高い。この価格でモバイル端末にも対応しており、具体的にはiOS/Android端末にWindowsアプリを配信できる。クライアント仮想化の基本的な要件は満たすだろう。もちろんRASは中小企業向けの製品というわけではない。大規模環境であっても細かいパフォーマンスチューニングやシステム運用管理、VDIをはじめ他システムとの統合管理機能などを要求しなければRASで十分という企業もあるだろう。大学のような教育機関での大規模事例も既にあるそうだ。
以上、主要なクライアント仮想化製品を見てきた。クラウドかオンプレミスか、VDIかRDSか――自社に適合する導入形体や製品は、既存システム環境の状態やユーザー数などの規模、求める自由度、利用目的などによって変わるだろう。シトリックス製品、ヴイエムウェア製品は実績が豊富で、できることも幅広い。しかし当然ながら、全てのエンドユーザーにオンプレミスのVDIを、それもシトリックス製品やヴイエムウェア製品で提供しようとするとコストは高くなる。コストを抑えるには妥協するポイントを明確にしておくことが大切だ。
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