キーパーソンインタビュー
AIが開発者を支援するソフトウェア開発ツール「Stepsize Layer」のゴールとは?
各種開発ツールに接続してデータを収集し、コードにコンテキストデータを付加する「Stepsize Layer」。このツールで何が実現するのか。CEOのオマイヤー氏にインタビューした。
Stepsizeは、開発ツールに特化した新興企業だ。この会社は、DevOps業務にある程度の人工知能(AI)を導入することを目指している。同社の「Stepsize Layer」(以下「Layer」)は開発者向けのデスクトップアプリケーションで、コードベースに自動的にコンテキストを追加する。これは、ソフトウェア開発ツールに接続して履歴データを収集し、その履歴をコードの必要な箇所に添付することで実現する。
Computer Weekly日本語版 10月19日号無料ダウンロード
本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 10月19日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。
なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。
コードを選択してそのタイムラインを表示し、スマートロジックを実行すると、コードの実質的な作者を突き止めることができる。「Slack」と完全に統合されており、これを使ってコードの作者に連絡を取ることもできる。
Stepsizeの共同設立者にしてCEOであるアレックス・オマイヤー氏が本誌Computer Weekly内ブログの1つ「Open Source Insider」のインタビューに応じて、Stepsizeのテクノロジーが進化した過程を語った。
CW:このアイデアはどのようないきさつで生まれたのか。
オマイヤー:自然言語処理に深層学習を取り入れる方法をオンラインコースで学んでいたときに、これはプログラミング言語にも適用できるのではないかと思い付いた。プログラミング言語は、英語やフランス語よりも構造が明確で曖昧さが少ないからだ。
開発者仲間とそのことを議論するうちに、機械学習をソフトウェア開発に応用できるのではないかというアイデアが飛び出し、われわれはStepsizeを立ち上げた。
「Stack Overflow」と「GitHub」で公開されているデータを使い、ニューラルネットワークで遊んでみた結果、正しいアプローチとはデータを収集して、そこから適切なデータを生成することだという結論にわれわれは達した。こうすると、ソフトウェア開発プロセスのさまざまな部分を繰り返し合理化し自動化することができる。また、このアプローチで、プログラミング言語を最終的には抽象化できる。
そこでわれわれは、このデータ収集の実験をしながら、開発者の日々の作業を支援する方法を考え始めた。チームで活動している何人もの開発者に話を聞き、開発者が日常的に取り組む作業として多いのは、コードベースに何かを追加することだと気づいた。ただし作業の出発点であるコードベースについて理解してから作業に取り掛かることはほとんどないし、コードベースが現状に至るまでの経緯を把握するという目的に特化したツールもない。(開発者は)誰がいつ、何のためにその部分のコードを書いたのかが知りたいのだ。われわれはコードにコンテキストを追加するLayerを開発した。コンテキストがあるコードベースなら、開発者は(必要な)情報を全て得た上で、1つのコードベースを共有して作業を進めることができる。
CW:具体的にはどのような動作をするのか。
オマイヤー:先に説明した通り、Layerにはソフトウェアの開発に使われる主要なツールのほとんどを接続できる。ツールに含まれる履歴データを構造化して、コードに添付する。
ユーザーは単純に、コードのスニペットを選択し、ショートカットキーをたたけばいい。するとわれわれが開発したオープンソースのエディタプラグインが起動して、そのコードと同じロジックを実行するアプリに送信する。その際、このコードに関連する情報を追加する。続いて、Gitに含まれている情報やその他のツールを使ってコードの作者を特定し、作者がそのコードを完成させるまでの完全な履歴を作成する。
履歴は、コミット、プルリクエスト、それらに関するユーザーのコメントや懸案事項が全て時系列で整理されている。われわれは、テストのカバレッジの分析だけでなく、継続的な統合、コードレビュー、他にも多数あるツールの情報なども追加し、コードにその情報へのリンクを張って戻す計画を立てている。われわれの目標は、コードの各部分について、そこに関する情報を全て整理し、直接関連付けることだ。そうすれば、開発者がコードを把握するために、ツールをあれこれ駆使しなくても済むようになる。
また、LayerはSlackも統合している。これは開発者が仲間と連絡を取り、ソフトウェア開発で発生するあらゆることを議論するために利用しているツールだ。ユーザーは、アプリを調査している環境上で直接、コードの作者にSlackのメッセージを送ることができる。LayerはSlack APIを使って選択されたチャネルへメッセージをプッシュし、開発チームにとって必要となるコンテキストを全て埋め込んで、コードに関する(Layerユーザーとコードの作者との間で)生産的な対話を実現する。
CW:開発者の働き方はどのように変わるのか。
続きはComputer Weekly日本語版 10月19日号にて
本記事は抄訳版です。全文は、以下でダウンロード(無料)できます。
■Computer Weekly日本語版 最近のバックナンバー
Computer Weekly日本語版 10月5日号 ビッグデータでよみがえるレンブラント
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[株式会社キーエンス] なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは -
製品資料
[株式会社セールスフォース・ジャパン] 「CRMは設計と無関係」は本当か? PLMとの融合で実現する高速開発 -
事例
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] AIエージェントの時代にどう備える? 「新たな働き手」を支える3要素とは -
製品資料
[日本ヒューレット・パッカード合同会社] “横並びの自動化”から脱却、AI活用で生産性と競争力を高める秘訣 -
製品資料
[サイボウズ株式会社] AIが「わざわざ使うツール」になっていない? 業務で自然に使う導線にする秘訣
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
なぜ「全社配布Copilot」は使われないのか? 失敗に学ぶAI定着
-
2
法務と開発者で「言葉が通じない」問題 トヨタやソニーが語るOSS管理の真実
-
3
【漫画付き】ひとり情シス協会が明かす、RAG導入でしくじる企業「2つの共通点」
-
4
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
5
損保ジャパンはなぜ「COBOL」を捨てなかったのか? 脱メインフレームの真相
-
6
ChatGPTは“検索しまくり”でGeminiは“淡泊”? データが明かすAIの裏側
-
7
情報漏えいはなぜ繰り返されるのか 今すぐ見直すべき「境界」
-
8
BMWも導入 78兆円市場に化ける「フィジカルAI」の衝撃
-
9
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
10
「AI活用を前提とした業務PCへの移行」に関するアンケート
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
2
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
3
Microsoft 365を安全に運用 うっかりミスやサイバー攻撃に備えるデータ保護術
-
4
財務部門がAIを最大限に活用する方法 無駄のない戦略的リーダーシップへの道
-
5
LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント
-
6
「オンプレミス回帰」せざるを得ない“合理的な理由”
-
7
なぜRPA導入は頓挫する? シナリオ作成の壁を乗り越える解決策とは
-
8
生成AIを開発に導入しても効果が見えない? 実証実験で分かった成果と課題
-
9
経産省DX指針から読み解く、受発注業務デジタル化ロードマップ
-
10
HDDを使わない「SSDオンリー」が無謀なのはなぜ?
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー